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1+はんぶんこ✕2  作者: 春野わか
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玲央と亮輔 26

「リョーさん? 俺はリョーさんでもこち亀でもありませんよ。宍倉亮輔です。いい大人がいきなりリョーさん、さっちゃんって呼び合うの気持ち悪くないですか? こいつは俺の息子でワタルといいます。だから俺のことは宍倉さん、またはワタルくんのお父さんとでも呼んでくださいよ。吉本さん」


 ガンメタブラックとホットピンクのオーラが空中でぶつかり合う。

 マイカちゃんママの侵入を防ごうと宍倉さんは周りに透明のシールドを出現させていた。


「いくらなんでも酷い。気持ち悪いって……だって、さっき姫先生にはリョーって呼べっていうの聞こえたから、そういう風に呼んで欲しいのかなって。早く保育園に馴染みたいためのパフォーマンスなのかと。だから私、てっきり」


 少し太めのマイカちゃんママの額に汗が吹き出してる。

 興奮して唖然として冷えて、またムッとして体温が上がったせいだろう。

 急激な体温の上昇下降。

 それでも崩れないファンデーションはドラッグストアの売れ筋商品らしい。

 と、他のママさん達に勧めてるのを聞いたことがあった。

 

「姫先生には言いましたよ。でも、吉本さんには言った覚えはないっすよ」


 反論を切り捨てた宍倉さんが俺の方を向いた。マイカちゃんママのキツい目線も同時に連れてきてしまう。宍倉さんは印象を裏切らない。

 でも、俺にだけはリョーって呼んでいいよ、なんて。

 どう受け止めていいか戸惑う。

 

「姫先生にだけっていうのは変ですよ。それとも、お二人は学生時代からのお知り合いなんですか?」


 マイカちゃんママが俺と宍倉さんの顔を交互に見比べる。


「あの、宍倉さん。僕も宍倉さんとお呼びしますから……」


「男同士だからです。女性ばかりの先生たちの中で姫先生は男性だから親しみを感じたんですよ」


 宍倉さんが上から被せて俺の発言を潰してきた。

 真剣な眼差しと男同士、という表現にどきっとする。

 健全な男同士の距離感を求めてると分かっていても。

 

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