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1+はんぶんこ✕2  作者: 春野わか
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玲央と亮輔 23

 漆原先生の鋼のメンタルがうらやましい。

 ゲイでなければ昨日のようなトラブルも花城先生にオープンに打ち明けてたかもしれないのに。

 いや、これは少数派としての肩身の狭さじゃなくて俺の性格上の問題なのか。

 玲央みたいに大手を振って生きてるやつもいるもんな。

 今は脇に追いやりたい玲央のことも、このまんま放置するわけにはいかない。

 キレイに関係を終わらせるには?

 未熟な経験値の俺には一番頭の痛い問題だ。


「はあ……」


 大事なこと忘れてる気がする。


「姫せんせい。ちょっと……宍倉航ししくらわたるくんは、あざらし組さんで間違いないんですよね?」


 朝っぱらから黄昏て耽ってたら声がかかった。入口に顔をのぞかせたのは、みつばち組の湯川先生だった。


「え? ええ、そうですけど」


 なんでみつばち組の先生が?

 みつばち組は〇歳児クラスで、部屋は二階にあるのに。


「ワタルくんのパパさんは、みつばち組に入るって聞いてたらしくて。だから間違って二階へ来てしまったみたいなんです」


「みつばち組? あざらし組?」


 困った顔の湯川先生の後ろから、低めのダミ声がした。

 聞き覚えがあるようなと思ったところで声の主がぬっと頭を突き出した。


「あ……」


 びっくりした。

 忘れようもない青と赤のツートンのツーブロ。

 その声の主は昨日紙ぶくろを落としてチャリを引きとめた、あの男性だったからだ。


「アンタ。あのときの」


 向こうも少し驚いて、鋭い目を丸くしてる。

 一瞬だけ強面が崩れて子どもっぽさが面にあらわれた。

 だけどやっぱり保育園の朝に馴染まないビジュアルと雰囲気は変わらず。

 

「姫先生、こちらがワタルくんのパパだそうです。じゃ、これで……」と言いおいて、湯川先生は行ってしまった。


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