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1+はんぶんこ✕2  作者: 春野わか
44/199

玲央と亮輔 20

「そういえば、昨日どうでしたあ?」


 うわ。何で知ってるんだ。


「ど、どうって……」


 どこまで知ってるんだ。花城先生は実は魔女なのか。


「え? もしかして……アキトくんママお迎え来れなくて、そうとう遅くまで残ってたとか?」

「あ! アキトくん。え、違います。花城先生が帰ったあと、わりとすぐに迎えきました。アキトくんもママの顔見て少し元気になって」


 そうだよ。花城先生が玲央のこと知ってるわけない。

 聞かれてすぐにアキトくんのことと気付かないなんて。保育士として失格だ。

 昨日のこと引きずってちゃダメだ。

 

「良かったあ。もちろん今日はお休みでしょうけど」

「そうですね。でも、子どもはすぐ熱出ますけど回復も早いから」

 

 話しながら屋内の扉を開く。


「あれ? 今日は歩きですか? 自転車は?」


 油断したところで無邪気なカウンター。ホントに悪気ないんだけど、悪気ない分、漆原先生よりも強烈だったりする。


「あ、その。昨日はちょっと用事があって」


 嘘をうまく吐ける才能が欲しい。自分では見えないけど顔色が虹色に変化してそう。

 どうしよう。追及されたら。


「そうそう、昨日はすっごくスマホ気にしてましたもんね。もしかして、デート、かな? って」


 のぞき込むように見つめられる。澄んだ瞳がかえって悪意のように俺を追いこむ。


「まさか……俺に限ってそんなわけないじゃないですか」


 俺に限ってって。どんな自信なんだ。


「ええ? あ、でも言われてみれば姫先生が女性とデートしてるとこ想像できないかも。うーん。だって女子より可愛いですもんね。どっちかっていうと、男性と歩いてる方がしっくりくるかな。きゃっっ! それだとBLになっちゃう」


 エプロンで顔下半分隠す萌えポーズ。ノンケなら熱く悶えるんだろうな。

 俺には効果ないけど。


 でも、けっこう失礼なこと言われてるのに憎めない。天然だからかな。


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