玲央と亮輔 16
「っざけんなよ! 俺のこと好きって言ったじゃねえか? お前も期待してここに来たんだろーが?」
ドン ドン
玲央の拳が壁を叩いた。豹変ぶりに竦んでしまう。
ダメだ。完全にキレてる。玲央の目が刺さる。自分の軽率さに涙がにじんでくる。
だけど確かなのは、俺が悪くても、玲央と先に進むのは今日は無理だってこと。
「青葉は考え過ぎなんだよ。大したことじゃないって。誰でも初めては緊張すんだよ。なあ……」
声は撫でるように柔らかくなったけど態度は高圧的で目は笑ってなかった。
壁に付いた両手はまるで監獄。ロックオンされて抜け出せない。
顔だけ上を向いて、視線で無理だと訴える。
歯がカチカチ鳴って、逃げの言葉が捻り出せない。
脅迫という名の説得に折れてしまいそう。
目線が泳ぐぎまくりの俺の両手首を掴んで壁に押し当てる。
玲央の左手がセーターの下に入って肌を撫でた。
「ごめん……ホントに無理なんだ。心が整理できてなかった」
涙声で体をよじる。玲央が目で威嚇する。
うつむいて逃げる。無理やり顎を上向かされる。
怒りをためた瞳が心の奥まで貫いてくる。
「今さら何言ってんだよ。ここまで煽りやがって! ああ?」
耳の脇に置かれた両の握り拳が左右の壁をドンと叩いた。廊下にも聞こえるんじゃないかってくらい激しく。
長身の影と怒りの圧が乗っかってきて、心が潰れそう。
なだめる手段なく抵抗力が奪われていく。
下瞼に溜まった涙が、喉の奥から込み上げる悲しみと一緒に溢れ落ちた。
「う……う」
セーターをまくられ、デニムのボタンに玲央の指がかかる。
嫌だ。答えははっきりしてるのに、拒めない。体が動かない。
脳がパンパンで重くて支えきれず、首が傾いて目線が斜め下に落ちた。
玲央の股間の剣は折れることなく俺に向けられてる。
チャックを下ろされ、両手で尻をもまれた。




