会いたい 4
【まさか! 会うだけでドキドキすんのにさ。こんな可愛い子がいきなり現れたら。免疫つけとかないとヤバいって意味だよ】
一瞬わいた不信は玲央の返しですぐに消えた。心臓のポンプが血の供給を再開して、あばらの下でバクバク暴れてる。
冷えた頬にまた熱が戻る。
童顔で女顔がコンプレックスだった。よくからかわれたから。でも、好きな相手に愛されるポイントになるなら、トラウマも含めて克服できるかもしれない。
気持ちが弾むまま、待ち合わせ場所と日時を決めた。
場所は新宿。東口アルタ前に明日の七時半。
住んでる日暮里からだと山手線内回りで二十分くらい。新宿行くのなんて学生の時以来だから街の景色に馴染めるか少し不安。
持ち帰りの仕事があるからと正直に告げてチャットを終了した。
ブブブブ
虫を外に出さないと集中できない。
壁に止まったところをスマホが入ってた空箱被せて、クリアファイルでフタしてベランダで振って逃がす。
洗濯回すの忘れてた。音うるさいと言われるのヤダから明日でいっか。ああ、食器洗わないと。
一畳くらいのスペース。コンロ二つに六〇cm四方くらいの狭いシンク。スポンジで百均の食器をこする。食材切るスペースも厳しいんだけど料理は嫌いじゃない。電子レンジは温めくらいの機能しかないシンプルなので数千円。
インスタントコーヒーをブラックで。一口飲んでから取り掛かる。
「ああ、もう十一時じゃん。ホントにやんなるなあ。何でこんなに忙しいんだろう」
俺は日暮里にある青空保育園に採用されて半年の新米保育士だ。激務なわりに薄給と覚悟はしてたけど、ほぼ毎日仕事持ち帰りはうんざりする。