玲央と亮輔 6
「座りなよ。いつもお客少ないけど、今日はほとんど貸し切りだから。食べたいものそのまんま作ってもらえる。酒もね」
人が少ないのは平日の夜だからなのか。
奥にBARカウンターがあって左側にはダーツの的とスペース。
ソファとテーブルの周りにはグループを区切る幾つかの薄いカーテンがひかれて、一応個室にはなっていた。
汚れて褪せた雰囲気は隠れ家的でオシャレだけど。壁は打ちっぱなしのコンクリート。
自宅というには異空間。店にしては構えてない。
店員なのか客なのか。男なのか女なのか。線引きが曖昧で。名前を付けるならここの住人というのがふさわしいのかもしれない。
BGMはなくて、とても静かだった。
何を頼んでいいか分からなくて怜央に任せた。タコライス、ポテトサラダ。生ハムとチェダーチーズがテーブルに並ぶ。
コースターの上に置かれた水色とグリーンのグラデーションのカクテルに目を奪われた。
ミントの葉が飾ってあってすごくキレイ。
「アオバだよ。青葉っぽく作ってっていったらこうなった。青はブルーキュラソー」
カクテルの名前はなんだろうと思っていたら答えてくれた。
オリジナルだったとは。
勧められて一口飲んでみる。甘いけど爽やかな口当たり。
あまり強くないけどこれなら飲めそう。
玲央が俺の左手に自分の手を重ねてじっと見てる。
青い照明なのに、注がれる視線はどんどん熱くなっていく。
「おいしい? 俺にも飲ませて」
グラスを渡すと、俺が口をつけたところに唇を合わせて傾けた。
玲央の喉がゴクリと鳴って、喉仏が上下するのを見てるだけで頬と唇に熱が集まる。
イケナイ雰囲気についてけなくて視線が泳ぐ。
と、顎を掴まれて目線を合わされた。
「青葉、聞いてもいい?」
「何?」
見上げる形になる。




