表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1+はんぶんこ✕2  作者: 春野わか
23/199

出会い 17

「あざらし組さん大変そうだから、ちょっとお手伝いしてたら帰るの遅くなってしまって。かえってご迷惑になってしまいました?」


 アイドルのカンナちゃん似で、眉毛ハの字上目遣い。ノンケならめまいを起こしそうなぴえんな表情で迫られる。悪いのは花城先生じゃない。

 俺が悪いんだ。色んな意味で。


「迷惑だなんて。ありがとうございました。保護者には一応連絡つきましたから」


 サイテーだ。無私の心で残ってくれた花城先生に「まだいたのか」なんて。

 心の声でもサイテーだ。口ではキレイにまとめながら、今だって早く帰って欲しい。そうすれば玲央にメッセージ送れるのにって自分本位なことばっか考えてる。


「姫先生。こんなところで何を? お手洗いじゃなかったんですか?」


 予想通り、お経のような棒読み低音が割って入ってきた。やっぱり出た。漆原先生。


「ええ、花城先生とたまたまっていうか。手伝ってくださったみたいなのでお礼を言ってたとこです」


 顔が引きつる。苦しくても言い訳はしとかないと。


「私はぜーんぜんいいんですよ。それよりも姫先生。誰かに連絡しなくていいんですか?さっきからスマホをすっごい気にしてますよね?」


 花城先生。助け船のつもりかもしれないけど泥船だよ。なんて余計なことを。


「まさか。クラスの子が具合が悪いってときに。無駄話だけでなくトイレでこっそりスマホを見ようと思ってます?」


 漆原先生の顔つきが険しくなる。

 ああ、サイアクだ。


「じゃ……じゃあ私はこれで。お先に失礼します」


 花城先生は空気を読んで、逃げるように出ていってしまった。

 シベリアの冬の森林なみの静けさでロッカー室が凍りつく。


「本当にトイレに行きたいんです」


 泣きそうな声で訴える。


「ダメなんて言ってませんよ。でもスマホは置いてってくださいね」


 仕方なくスマホをリュックに戻した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ