LEO 6
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「豚レバー、豚レバー」
退勤後、今日は駅向こうの谷中銀座に行こうと思ってたけど焦燥に負けて、宍倉さんたちを見かけたスーパーで買い物を済ませることにした。
夕飯のメニューはレバニラ一択。
戦い前夜の心境で、血肉の元となるレバーを探し求める。
精肉売り場の冷蔵ケースでブルーの光を浴びる牛肉や豚肉のパックから視線を上げ、棚の上に小じんまりと並ぶシュウマイやワンタンの皮の上を飛んでようやく見つけた。
「あった!」
一パックだけ残ってた。別に人気商品なわけじゃない。もともと陳列されてる個数が少ないだけ。
こんなにレバーを求めるのは生まれて初めてで、今日一日で終わりかもしれない。
ニラの先端が突き出たカゴをレジに持っていく。ニンニクももちろん忘れてないし、紹興酒まで買ってしまった。
家に帰って荷物を置いてからさっそく調理を始めた。
紹興酒にニンニク香るタレに付けたレバーを油に落とすとジュっと音がして旨そうな香りが立つ。
「旨い!」
レバーっていうと見た目や臭い、食感のイメージで敬遠しがちだったけど、レシピ通りにちゃんと作ったら旨味がジュワっと口に溢れた。
ほかほかの白飯に良く合う。
意外とはまるかもしれない。
副菜はほうれん草の胡麻和えに、今日から煮込んでる大根とちくわの煮物。
大根とちくわは少し器に盛って食べてみたら、まだ味が薄かった。
明日にはしっかり味が染み込んで、きっと美味しくなってるはず。
「ふうー-」
声にならない満足感が零れた。
浴室からお湯の落ちる音が聞こえてくる。
「ああ……」
チェストの上に置いてある、ライオン、かかし、きこりの帽子が目に入った途端に静けさを感じた。




