表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

渡辺卓也⑤

彼女がビルから出てくるのを確認すると、急いでカフェを飛び出した。


朝とは違う店員が「ありがとうございました」と頭を下げてくる。


1日中座っていたせいか、腰に鈍い痛みを感じたが、そんなものに構っている暇はない。


朝と同じように、一定の距離を保ちながら、美咲の後を追いかけた。


彼女は少し急いでいるようで、電車を乗り換える時は見失わないか心配だったが、最後まで目を離さなかった。



彼女が降りた駅は、僕の家からも近かった。


同じ公立中学に通っていたので、実家が近くにあるということは予想していたが、そこに住み続けている保証はなかった。


しかし、おそらく彼女はまだ実家を出ていないということだろう。


駅からしばらく歩いたところで、美咲は商店街の中にある美容院へ入っていった。


予約をしていたから急いでいたのだろう。


店内に入ると、美容師と親しげに話している。どうやら、ここが彼女の行きつけのようだ。


僕は、近くにあるコンビニで立ち読みするふりをしながら、彼女が出てくるのを待った。



1時間ほどで彼女は出てきた。


肩にかかる髪はきれいに切り揃えられ、美しさに磨きがかかったようだ。


改めて僕は、彼女を手に入れたいという気持ちを強くした。


そのあとも追跡を続けていると、5分ほど歩いたところで、一軒家に入っていった。


表札には、彼女の名字である「田中」の文字がある。


ここが美咲の家と見て、まず間違いないだろう。


左胸に手を当てると、心臓が大きく脈打っている。


僕は、彼女との距離がどんどん近づいていることに、興奮を抑えきれなかった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ