『人の仮面』
僕は生まれたばかりの悪魔。
分類は悪魔だが、まだ自分が何の為に生まれたのか知らない。
僕は、314159265358979323846264338327950288419716939937510…番目に生まれた。
これから、大悪魔の所に行く。
何の為に生まれたのかを教えてもらうためだ。
「大悪魔、教えてもらいにきたぞ。どこだ?」
「ようこそ、314159265358979323846264338327950288419716939937510…番目に生まれた悪魔よ。」
「なぁ、大悪魔。僕は大悪魔たちのような禍々しい姿にいつかなれるの?」
ここに、来る途中に他の悪魔たちを見てきた。
僕は、顔も姿も無い煙のような存在で形のある悪魔ではなかった。
「ははは、ここにいては我々のような姿にはなれん。始めは悪魔が生まれた姿は皆 煙の塊だ。我も そうだった。」
「大悪魔も?」
「そうだ。我々悪魔が どの様な姿になるかは人間が決める。人間に悪魔と認めてもらい人間に姿を想像してもらわなくてはならない。このままの煙のような姿では直ぐに消えてしまう。ここにいる悪魔は皆、人間に悪魔と認められ姿をもらった者ばかりだ。」
「どうやったら、人間に悪魔と認めてもらえる?」
「それは、人間の世界に行かなくてはならない。我も二千年以上前に生まれ、人間の世界で暮らし人間どもに悪魔と認められ この姿となった。人間の姿の内に どれだけ人間を恐怖させて悪魔と認めさせられるかどうかで姿や悪魔の寿命が決まる。」
「そうか…どうやって、恐怖を与えよう。」
「ははは、生まれたばかりの悪魔よ。大丈夫だよ。それは人間が教えてくれる。お前は、人の仮面をかぶって生活していれば、人間が悪魔の本性を教えてくれる。お前はそれを逃さずに見つけ行動すればよい。」
「…運任せか?」
「いや、それはない。人間は誰しも恐怖を抱いて生きている。生まれた時から死へと向かう恐怖。人を気にして生きる恐怖。人から忘れられる恐怖。一人の恐怖。仲間との恐怖。家族、見知らぬ人への恐怖。知らない恐怖。知ってしまった恐怖。過去の恐怖、今の恐怖、未来の恐怖。夢の恐怖。愛への恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。人は恐怖に囲まれて生きている。 ふふふ。 お前がどんな姿になって戻って来るのか楽しみにしてるよ。」
「どんな姿の悪魔か…」
「オギャー、オギャー」
「おめでとうございます。元気な男の子ですよ。」
俺は、人間の世界で生まれた。
これから、人間にどんな恐怖を教えてもらえるのだろう。
そして、俺は、その恐怖で人に大悪魔と言ってもらえるのだろうか?
読んで頂き誠にありがとうございます。
今日のTwitterトレンド『人の仮面』です。
人の仮面を被った悪魔とか、人の顔をした悪魔とか、そんな感じで、その下が本当に悪魔だったらと妄想しました。
もうちょっと、長くしたかったです…いずれ編集するかもしれません。(--;)
それでは、またお会いいたしましょう。m(._.)m