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我ら、巨大生物特別攻撃隊!  作者: ひぐらしゆうき
三章 巨大生物の真実
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二十四話 闇に蠢く蟲(5)

 黒光りする巨大生物、ブラックグロウに向かってまずはビーム兵器で攻撃を開始した。


『とっとと倒すぞ!撃ちまくれ!』


「了解!」


 バーミリオンブラスターとトライブラスターがブラックグロウめがけて連射するが、見事に当たらない。

 ゴキブリというだけあって早いのだ。瞬発的に加速し、一瞬で身体二つ分は移動してしまう。


「くそ、動きが早すぎる」


『なら広範囲攻撃よ!クラスタースパイク発射だ!』


 小林隊員が操作してウィッシュスター一号機からクラスタースパイクが発射された。広範囲に分散した小型スパイク弾が着弾した。

 爆発で土煙が上がり、巨大生物は見えなくなった。


『おっしゃどうだ!』


 ライトを当てて巨大生物を探す。

 土煙は徐々に風で流され地面が見えてきた。


「あれ?」


『いないぞ!何処だ!?』


 木々の生い茂る森の中にできた爆破後には何もない。巨大生物に当たっていれば体液か体の一部が残っているはずだ。

 それがないということは……


『かわしたか……。あのデカブツは?』


 ライトで見てもわからない。ならばソナーやサーモ、レーダーで探すしかない。


「泉隊員、レーダーとかに影写ってませんか?」


「ちょっと待ってよ……。いた!クラスタースパイク着弾点から西に2km」


『よし、次はスターライトもクラスタースパイクを発射だ。間隔をあけて放つ。あれをかわすならもっと広範囲に攻撃しなきゃ当たらないだろう。当てれば勝ちなんだ!とっととやるぞ!』


「了解!」


 すぐさま旋回して巨大生物の上空まで飛ぶと、

 クラスタースパイクを発射した。

 二機が間隔をあけて撃ち出したことで範囲は倍になる。


 大爆発が起こり、半径5kmほどが吹き飛んだ。


『これならどうだ!?』


「これでかわしてたら本当に嫌よ!もう見てるのも嫌だし!」


「ええ、本当に終わっていて欲しいです」


『ところがどっこい……ってことが……』


「……泉隊員、レーダーには?」


 泉隊員はレーダーを確認して、押し黙ってしまった。


『おい、泉?』


「……かわされてます北見てください」


『北?……うぇぇ……』


 山内隊員が気持ち悪そうに唸り声をあげた。

 スターライトを旋回させて、いるという方向にライトを照射すると、いた。普通に無傷でこちらを見据えている。


『……間宮、オーバードライブの使用許可取れ』


「え?あ、はい」


 僕は山内隊員が言う通りにビッグスターに通信を行う。


『間宮、どうした?』


「副隊長、オーバードライブの使用許可を」


『やはり早くて捉えられないか。仕方ない。使用許可する』


「了解!使用します!」


「泉隊員、行きますよ?」


「はい、いつでもいいわよ」


「オーバードライブモード!」


 エンジンフルパワーで一気に加速する!可変翼と各部に取り付けられたサブエンジンで一気に降下しトライブラスターを発射した。

 しかし、ブラックグロウも早い!

 紙一重のところで攻撃を回避する。


「この速度で接近して撃ち込んでもかわすの!?」


「瞬発的な加速が早すぎるんです。……だったら誘導すれば!」


 僕は誘導ミサイルを4発撃ち出した。

 もちろん全てかわされるだろうが、それでいい。

 僕は巨大生物の真正面に来るよう回り込んで地面すれすれを飛行する。

 ブラックグロウが素早い動きでミサイルを回避してこちらに向かってきた!


「来た!」


「予想通りだ!ウィングカッター!」


 可変翼を操作しウィングカッターを展開するとブラックグロウに突っ込んだ。ブラックグロウはこちらに気づいたようだが時既に遅し。超高速で動く奴がそう簡単に止まれるわけがない!

 僕は機体を水平にしたまま横に移動し、ブラックグロウの足を切り裂いた!

 ブラックグロウは足が切られたことでバランスを崩してゴロゴロと転がり倒れた。


『よし!そのままトドメをさせ!間宮!』


「ストライクマキシマムドライブ!発射!」


 一筋の閃光がブラックグロウに直撃し、大爆発を起こす!

 オーバードライブモードも時間切れとなり、スーパージェネレーターとエンジンの冷却音がけたたましく鳴り響く。


「機器に反応なし!倒したみたいです」


『よし!やったぜ!』


『はぁーあ、気持ち悪かった』


「ええ、あれ以外倒す方法見つからなかったので足を切ることにしましたけど、あれすごい気持ち悪かったです。吐きそうでした」


『本当によくやったな間宮!すげぇわ。俺無理!』


『っと、落ち着いたところで悪いんですけど……』


 僕たちが仕事をやり遂げた達成感に浸っているところに若宮隊員の落ち着いた声が聞こえてきた。


『まだギガントセンチピードが倒されていません。そちらの救援に行ってください』


『『……ええぇーーーー!!!』』


 終わったと思ったら終わってない。これほどやな事は無い。


「嘘でしょ?百足も相手しなきゃいけないわけ!?」


『冗談キツイぜ!第二作戦室でどうにかしてくれよ!』


『そうは行きませんので、早く行ってください!』


『『そんな殺生なぁー!』』


 僕たちはギガントセンチピード討伐に気だるさを抱え向かった。

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