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我ら、巨大生物特別攻撃隊!  作者: ひぐらしゆうき
三章 巨大生物の真実
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二十三話 鋼鉄の亀甲(2)

 ビッグスターで現場近くまで近づいてきた。

 周りには住宅地しかない以上は琵琶湖に着水するしかないだろう。

 しかし、安全地帯に着水するため第二作戦室の面々と合流するには車でも20分はかかる。


「先行して何人か行ってもらった方が良さそうですね」


 山内隊員が地図を見ながら隊長に言った。


「うむ、そうだな。小林、泉、間宮、先に下に行ってくれ」


「どこに着陸すれば?」


「第二作戦室が着陸可能ポイントを作ってくれているからそこに着陸してくれ」


 隊長から渡されたタブレットには航空写真が写っていた。

 ちょうど二機の戦闘機が止められそうだが、近くは民家なので細心の注意を払わなくてはならないだろう。


「了解!よっしゃ行くぞ」


「小林さんって座ってるだけですよね?」


「操縦、もう僕の方がうまいですもんね」


「……それ言わないでくれない?」


「いいから早く言ってこい……」


 ショックでうなだれてしまった小林隊員を引きずってシューティングスターに突っ込んで、僕はスターライトに乗り込んで発進した。


 発進してすぐに見えたのはワニガメの巨大生物。まるで動く岩山のようで、凄まじい威圧感を感じる。


『なんか琵琶湖が小さく見えるのは気のせいか?』


「きっと気のせいですけど……そう見えますよね」


『島一つ増えたようなものだから仕方がないわよ。とりあえず今は第二作戦室と合流する!そこからよ……ほら、見えてきた』


 第二作戦室の隊員が作った空き地は平らにしてあるようだが、それでも凸凹していそうだ。


「なんとか着陸できそうですね」


『そうね。でも、もう少し整地をしっかりしてほしかったわね。まあ、戦闘中だし仕方ないか……。それじゃ、垂直降下するわよ』


 両翼下部のエンジンを点火させてゆっくりと降下していく。

 少し気をぬくと隣で同時降下しているため、ぶつかって下手すれば墜落するのでかなり神経を使う。僕はとにかく練習通りにやることだけを意識してみた。

 初心を大切にというやつだ。


『降下完了。行くわよ』


「はい」


 戦闘機から降りると第二作戦室隊長の鷹木の元に行くことにした。

 鷹木隊長はこういう時、作戦車にこもって指示を出している場合が多い。


「どうも、鷹木隊長。第三作戦室戦闘隊です」といい、泉隊員は敬礼する。

 僕たちもそれに合わせた。


「おお!よく来てくれた!……ん?小林、他の奴らはどうした?」


「ビッグスターの着水ポイントが離れていまして……」


「成る程、ならば迎えに行かねばな!おい……」


 鷹木隊長は作戦車にいる隊員を呼んで、ビッグスター着水地点に迎えに行くよう指示を出した。


「さて、お前たちも聞いていると思うが、あの亀、中々厄介でな。我々の攻撃など意に返さずノロノロとこちらに近づいで来ている。このままでは住宅街に被害が出てしまう。なんとかしなければならないのだが、我々の火力だけでは力不足だ。そこで、第三作戦室の火力、若宮隊員の知識を借りたいわけなんだな」


「と言われても、第二作戦室の火力でダメージ与えられないのに、俺たち第三作戦室の火力を増やしたところで……」


「そうでもないぞ。とりあえずまず試してみてほしい作戦があるのだ」


 鷹木隊長はタブレットを取り出して作戦の概要を説明してくれた。


「どう考えても今の火器では歯が立たん。そこで第三作戦室には上空から強化型のスパイクミサイルを落としてほしい。こいつは今までのスパイクミサイルの何倍も硬い素材で作られている。超高高度から射出すれば落下加速度も加わり、奴の甲羅にもダメージを与えられるのではないかと考えている。勿論、火薬の量も増やしているぞ」


「……上手くいきますかね?」僕は小声で泉隊員に問うてみた。


「いくら最新鋭の装備でも超高高度から正確に的中させるのは不可能に近いけど……」


「……やるしかないんだろうな〜」


「ですよねぇ……」


「どうだ?やってくれるな!?」


 鷹木隊長のその問い方はやれと言っているようなものだ。


「はい!お任せください!」


 ……僕たちはこういうしかないのである。

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