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我ら、巨大生物特別攻撃隊!  作者: ひぐらしゆうき
三章 巨大生物の真実
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二十二話 巨大生物特別攻撃隊、南へ(6)

 ビッグスターに乗り込み、急いで発進した。

 上空には大きな鳥型の影が見えている。


「あれか……。おい山内、小林!」


 副隊長が通信機を通して先行している山内隊員と小林隊員に確認をしている。


「結構でかいですよ。見た目からして猛禽類だと思われます。かなり速いです。シューティングスターかスターライトじゃないと仕留められそうにないですよ」


「了解。泉はシューティングスター、間宮はスターライトで出撃だ。すぐにハッチを開く」


「「了解!」」


 出動するため、格納庫に向かおうとしたら飯塚隊長におい!と呼び止められた。


「間宮、まだ病み上がりだから無理はしなくていい。体調が悪くなったらすぐに帰投して高橋副隊長と操縦を変わるんだぞ」


「はい」


 僕は薄暗い階段を下りて、格納庫のスターライトに乗り込んだ。


「エンジン、全システムオールグリーン。スターライト発進OKです」


『よし、ではいくぞハッチオープン、カタパルト射出するぞ!』


「了解、スターライト行きます!」


 ガシャンとカタパルトのロックが解放されて、僕の乗るスターライトは勢いよく空へと発射された。

 すぐさまエンジンを指導して勢いそのまま巨大生物の元へ向け上昇した。


『間宮、泉、うまくやったな。訓練なしの一発本番でよくやった。このまま巨大生物と戦闘中のウィッシュスターに加勢してくれ』


「「了解!」」


 雲を突き抜けると巨大な鷹が現れた。

 すぐさま写真を撮って若宮隊員に送った。


「若宮隊員、何かわかりますか?」


『ええ、とりあえずこの猛禽類がクマタカという日本に生息している鷹ということはわかりました。しかし、かなり大きいですね。これ程の大きさでこの速度とはありえないのですが、巨大生物の進化を考えると可能なのかもしれません。気をつけてください。再生速度はバーサークブル並みにある可能性があります』


「なら攻撃を一点に集中させるのがいいですね」


『ええ、それがいいと思います』


「了解!」


 僕は巨大生物の背後に回り込むとトライブラスターで攻撃を行った。


『間宮、翼の付け根を狙え!機動力を奪うんだ』


「了解」


『泉隊員、間宮の反対翼を攻撃だ』


『了解、まかせておいて!』


 泉隊員操るシューティングスターが背後から迫り、僕と共に翼の付け根を攻撃する。

 速度を調整して、動き回る巨大生物についていきながらの攻撃は難易度が高いが、普段の訓練のおかげでなんとかできている。


『よーしいいぞ!真正面から突っ込んでくるなら追いつけなくても問題ない!』


 山内隊員操縦するウィッシュスターが巨大生物の正面からミサイルを乱射したらしい。とてつもない爆煙が上がった。


『うわ!ちょっと撃ちすぎじゃない?』


『小林!誰が全弾撃てって言ったよ!?』


『あっ、間違えちまった!』


『『アホー!』』


 しかし、このままじゃこの鷹がどう動くかよくわからない。


「泉隊員、一旦離れましょう!」


『そうね、そうしましょう!』


 僕達は旋回して巨大生物から距離をとった。

 爆煙の中から現れた巨大生物は顔に火傷を負っているようだった。


『全弾受けて火傷だけか……。やっぱりビームじゃなきゃダメだな』


『翼の付け根には結構ダメージ与えてるわ。今ならいけるんじゃない?』


『そうだな。間宮、やってくれるか?』


「わかりました!」


 僕はオーバードライブモードを起動した。

 全エンジンを解放!超加速と自動可変翼による異次元の機動で巨大生物に接近する。

 トライレーザーで牽制しつつ、上昇し背中につけるとクラスタースパイクを投下して急上昇からの急降下で爆煙に突っ込む。


「ストライクマキシマムドライブ発射!」


 高出力のレーザーが巨大生物を捉えた。

 巨大生物は飛ぶことができなくなったのか落下していった。


『よし、間宮よくやった!スパイクミサイル発射!』


『発射!』


 シューティングスターとウィッシュスターから追い討ちのスパイクミサイルが発射された。

 突き刺さったスパイクミサイルは爆発して巨大生物は肉片へと変わった、


『ふう、なんとかなったな。よし、帰るぞ!』


『了解!』

「了解!」


 僕と泉隊員はビッグスターへと帰投した。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 佐々間島から第三作戦室に帰還すると増田さんが待っていた。


「ご機嫌よう。何かわかったの?」


「こんなものがあった」


 副隊長が神山公造の手記を手渡した。


「これだけ?」


「これを読めばわかる」


「あらそう?なら読ませてもらおうかしら?あ

 、あと私明日アメリカに戻るからよろしく」


「ああそうかい。勝手に帰れ」


「……あ、帰る前までには読んで返すわ」


「当たり前だ!」


 そう言って増田さんは第三作戦室から出て行った。


「嵐のような人ですよね。増田さん」


「ま、ああいう人ほど何かに秀でていることがあるんだよ」


「そういうもんなんですかね?」


「みんな注目してくれ!」


 飯塚隊長の声に全員が整列した。


「今回の探索で得た物を確認しておく。一つ、巨大生物出現は神山公造博士が佐々間島で発見した古代の生きた細胞を研究して作り上げた細胞によるものだったこと。間宮には研究段階で完成させていた人間用の細胞を使ったことで巨大化しない事。大きくこの二つがわかった。これで間宮が巨大化する可能性は消えたわけだな」


「そういやそんなこと書いてあったな。よかったな間宮!」


「小林隊員、凄い早く読んでたから読んでないところあっただけじゃ……」


「そ、そんなことはない!」


「本当かよ……」


 第三作戦室の全員が小林隊員に向かって小声で言った。人とはここまで同じ感情になるのかと思った。


「ともかく、我々のやる事は変わらない。今後もよろしく頼むぞ」


 僕達は揃って敬礼をした。

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