二十話 緑の死神(5)
僕たちは作戦の説明を受けるために、戦闘を中断してリーパーマンティスとの戦闘ポイントから離脱した。
そもそもあのまま戦闘を継続していたら真空波の連発をかわしけれずに撃墜されていた可能性の方が高い。
タイミングとしては完璧だったように思う。
『戦闘から離脱した。隊長、作戦の説明を』
『うむ、では決まった作戦について説明する。まず我々第三作戦室はリーパーマンティスの動きを止める。その間に第二作戦室のグランスピーダーが地中を掘り進みリーパーマンティスの腹の下に潜り込み腹を最大パワーのインパクトショットを撃ち込み撃破する予定だ。しかし、何が起きるかわからない。倒せなかった場合はスターライトのストライクマキシマムドライブを使う。間宮、君が撃墜されるのだけは避けてくれ』
『『了解!』』
「了解!」
落ちることは許されない。
これは僕にとってかなりのプレッシャーになる。
もちろん落ちるつもりなんてないが、リーパーマンティスの放つ真空波の連発をかわし続けるのは不可能に近い。たとえオーバードライブモードを使っても難しいだろう。
しかし、ある程度近づかなければ足止めもできない。
これはかなり骨の折れる仕事になりそうだ。
『グランスピーダーは既に発進している。とにかく足止めをしてくれ!頼んだぞ』
『よし。各機、戦闘態勢。レーザーは使わん。ミサイルを奴の足周辺の地面に撃ち込み、足を止める』
『『了解!』』
副隊長の命令通りミサイルを発射可能状態にする。
地面に着弾させるのであればある程度離れた位置からでも可能だ。
僕は鎌の間合いの外からミサイルを発射した。
着弾時の爆発で土が舞い上がる。
リーパーマンティスは脚を止めて反撃の鎌を振り回して真空波を放つ。
真空波は一撃だけなら回避は可能だ。
左翼を倒して左に機体を傾け真空波を回避する。
上を見ると副隊長が急降下してリーパーマンティスに迫っていた。
真上から放つミサイルということはまさか!
『間宮、離れろ!』
副隊長の無線を聞いて即座にその場から離脱する。
副隊長はリーパーマンティスのちょうど真ん中あたりからクラスタースパイクを投下した。
クラスタースパイクの連鎖爆発でリーパーマンティスの姿はは爆煙の中に消えてしまった。
『よ、容赦ねぇ……』
『容赦して勝てる相手じゃないんだ。俺たちもやるぞ小林』
『わ、わかってますって!』
山内隊員と小林隊員の搭乗するウィッシュスター二号機からもクラスタースパイクが投下された。
……これだけの爆発を起こして地下を掘り進むグランスピーダーに影響がなければいいのだが。
『ジャジャー……っとドカドカやってるじゃないかよ!待たせたな!グランスピーダーがリーパーマンティスの腹部の真下に着いたぜ!このおるふしけいや!!!〜/)……』
あまりに大きな声なため音割れが起きていて何行っているのかよくわからないが、とにかくグランスピーダーリーパーマンティスの腹部を攻撃可能らしい。
『第三作戦室攻撃停止!』
『グランスピーダー!攻撃だ!』
『ウォッシャーーー!!!喰らえやー!!』
どうやらグランスピーダーの攻撃が腹部に直撃したらしい。
爆煙の中からリーパーマンティスが飛び出してきた。
『まだ生きてやがる!間宮!』
「オーバードライブ!」
僕は即座にオーバードライブモードを起動して飛び上がったリーパーマンティスの真下に瞬時に移動して、必殺の一撃を構える。
狙いを定めて僕は引き金を引いた!
「ストライクマキシマムドライブ発射!」
発射された高出力のレーザーはリーパーマンティスの腹部から体を突き抜けた!
オーバードライブモードを解除して、すぐにその場から離脱する。
体を貫かれて落ちてきたリーパーマンティスは既に虫の息だった。
最後はシューティングスターのナパーム弾で焼き倒された。
『リーパーマンティス討伐完了だ。みんな良くやってくれた』
ナパーム弾で焼け焦げたリーパーマンティスが動かないのを確認して副隊長がそう言った。




