二十話 緑の死神(4)
弱点だと思われたナパーム弾も通用しない以上、関節を上手いこと狙い撃ちすするしかない。
作戦が決まっていない以上は奥の手であるオーバードライブモードは使えない。
地上では攻撃準備をしているようだが、関節部に攻撃を当てることは不可能に近い。
腹に攻撃すればいいとも思うのだが、それをするにも鎌の攻撃範囲から離れた場所からでは厳しい筈だ。
「……どうしますか?副隊長?」
『距離をとって攻撃だ。山岡、小林二人で関節部を狙って攻撃。それ以外の我々は二人の援護だ。いくぞ』
『『了解!』』
援護といっても攻撃がまったく効かない以上、気をひくのも至難だ。
となれば動きを完全に止めてしまうしかない。
僕は足元へと攻撃を集中した。
いわゆる牽制だが、これくらいしか援護できないのだ。
山岡、小林隊員の搭乗するウィッシュスター二号機は鎌の射程外でホバリングして狙いを定めている。
やはり小林隊員でも動き続ける標的、しかもこの距離からあの隙間を撃ち抜くのは難しいのだ。
僕たちもなんとかいい位置に誘導して動きを止めようとはしているのだが、やはり厳しい。
『間宮、泉、奴の頭を同時攻撃するぞ。バランスを崩すことで動きを止める』
『『了解』』
ウィッシュスター一号機、シューティングスター、そして僕の操るスターライトが横並びになり、頭の中央に同時攻撃した。
リーパーマンティスの頭が少し揺らぎ、動きが止まった。
『今だ小林!』
『任せてくださいよ!バーミリオンブラスター発射!』
赤いレーザーは一直線にとんでいき、関節部に見事に着弾した!
関節部が焼け切れ、脚が吹き飛んだ。
『おっしゃ!どうだ!』
流石は小林隊員だ!
ズーム機能もない中、リーパーマンティスの動きが止まった一瞬で見事に関節部を撃ち抜いた!
『よくやった小林!』
『うわー!すっごい!一発で当てた!』
この調子で一本ずつ脚を吹き飛ばしていけば動きを止められる。
そうなればリーパーマンティスを倒せる可能性は格段に上がるはずだ!
しかし、どうやらこれでリーパーマンティスを怒らせてしまった!
リーパーマンティスは鎌を目にも留まらぬ速さで振る。
するとなんということだ!真空波が発生して遠くの木々がどんどん切り倒されていく!
『なに!?』
『真空波を発生させたというのか!』
『全隊員、回避行動をとれ!真空波がどれ程の威力があるかわからん!動きまくれ!』
『『了解!』』
僕たちは必死で回避行動をとる。
しかし、真空波なんて目に見えない。頑張って動き回るしかない!
『頑張って耐え抜け!』
『つっても本当に見えないんだぞ!こんなこといつまでも続けられないぞ!』
小林隊員、操縦しているわけではないがその通りだ。
『副隊長!』
『耐えろ!耐えるんだ!』
すると、その時だ!
『みんな遅くなったな!作戦が決まったぞ!』
隊長からの通信だ。
戦闘開始から15分。リーパーマンティス討伐の作戦が決まった!




