十九話 災厄再び……(2)
第三作戦室に急いで駆け込んでみると、僕と山内隊員以外の全隊員が集まってモニターを見ていた。
モニターには巨大生物と火の海とかしたビル街が映し出されていた。
「すみません遅くなりました!……現在の状況は?」
山内隊員が現在の状況を尋ねた。
「ああ、山内、間宮。今から説明するところだ。聞いてくれ!」
隊長の言葉で全隊員が整列し背筋を伸ばした。
「今回出現した巨大生物は牛型災厄巨大生物バーサークブル!巨体を生かした突進攻撃はあたり一帯を吹き飛ばしてしまうほどだ。まず地上からの攻撃は不可能だ!よって、今作戦は我々第三作戦室だけで行う!モニターを見ればわかる通り!既に甚大な被害を出している!死傷者もでている!これ以上被害を広げないためにも早期決着を計らねばならん!既に戦闘機の発進準備は整えられている!武装も対災厄巨大生物用に変更されている!全て我々の働きに全てかかっている!各員気を引き締めてかかれ!」
『了解!!!』
一糸乱れぬ敬礼をし、各自の仕事にかかる。
僕たち戦闘隊は格納庫に走った!
格納庫に入ると既に戦闘機は発進準備まで整えられていた。
「間宮!急ぎでなんとか整備は終わらせといた!武装もしっかりと準備した!問題なく戦えるはずだ!頑張ってこい!」
整備士長の大貫さんだ。
僕が第三作戦室に戻ってからここに来るまでの短い時間で完璧に仕事をこなしてくれていた。
「はい!大貫さんありがとうございます!」
僕たちは戦闘機に登場して災厄巨大生物、バーサークブルの暴れまわる埼玉県さいたま市に向けて基地を飛び立った。
バーサークブルの暴れまわる埼玉県さいたま市に到着した。被害はかなりでている。死傷者も既にでているという話だ。本当に早く倒さないとまずい!
『各戦闘機、散開して奴の動きを止めるぞ。クラスタースパイク用意!』
『『了解!』』
クラスタースパイクはクラスターミサイルのように一つの大きな弾頭から小さなスパイクミサイルが飛び出して広い範囲に絶大な威力の爆発を起こす兵器だ。スパイクミサイルのように針が突き刺さることで爆発は爆発の影響を内部までおよぼす。
本来、硬い外骨格を持つ昆虫型の巨大生物を倒すために生み出されたが、その凄まじい威力は対巨大生物武器としてはかなり優秀で、今回のような災厄巨大生物にも有効打を与えられる数少ない兵器だ。
僕はバーサークブルの背後に回り込む。山内隊員の操るウィッシュスター二号機は右側面から、泉隊員操るウィッシュスター一号機は左側面、副隊長操るシューティングスターは前方から侵入してクラスタースパイクを投下した!
大量の小型スパイクミサイルが投下され、一時離脱した時には凄まじい爆発が巨大生物を包んでいた!連鎖的に巻き起こる爆発は確実にバーサークブルにダメージを与えたはずだ。
爆煙が消えて巨大生物が姿を現した。体からは大量の血を流しているがまだ致命傷とまではいっていないように見えた。
バーサークブルは自身の血を見ると凄まじい咆哮を放った!傷つけられた事に怒ったようだ。鼻息を荒くしてこちらを睨みつける!
どうやら本番はここからのようだ……




