秘話 隊長と副隊長の密談
「」隊長
『』副隊長の会話です
新型戦闘機搭乗者発表前……
「やあ、急に呼び出して悪かったね高橋副隊長」
『いえ、ところでなんの用で?』
「ああ。先程新型戦闘機の方が配備された」
『そうでしたか。…それで、それが何か?』
「うむ。実はこの新型戦闘機に間宮を搭乗させようと思うのだ」
『ま、間宮をですか?しかし……』
「勿論、君の言いたいこともわかる。彼はまだ入隊して一年。実力はあるがまだまだだ。そんな彼を新型戦闘機に乗せるべきでないことはわかっている」
『では何故⁉︎』
「理由は二つだ。一つは彼の類い希なる天賦の才能。もう一つは一つ目に直接関係ないかもしれないが……これを見てくれるか?」
『これは……レントゲン写真ですか。……この白い塊はなんです?』
「それについてはこれを見終わったら話そう」
『………!何故間宮からこの細胞が……飯塚さん!』
「……正直まだ憶測の域を出ないことだ。本当にそうかはわからないが、間宮は巨大生物と同じ存在の可能性がある」
『な、そんな危険な人物を何故この隊にいれたのですか!』
「巨大生物特別攻撃隊日本支部上層部からの命令だ。逆らうわけにもいかないだろう」
『上層部……?そういえば、間宮の面接試験の時長官がいたと聞きましたが』
「俺が落としたりしないように見張るためだろうな…。でなければあんな特別対応をするはずがない」
『一体何を考えているんだ…』
「間宮の、というよりは巨大生物と同じ細胞を持つ間宮で実験しているといった方がいい。能力値を見て一般人と比べる。そうして巨大生物の持つ細胞の力を知ろうとしているのだろう。現に、今回の新型戦闘機搭乗者を決めたのも俺ではなく上層部だ」
『……納得できん!直談判してきます!』
「まて!高橋!今は上層部の決定に従うのだ」
『しかし!』
「聞け!……確かに間宮は巨大生物と同様の存在なのかもしれない。だが、今まで彼は我々とともに戦ってきた。私も最初は信用できなかったが、この一年の活躍を見れば信用しても良いと思っている。高橋、君も命を救われただろう?」
『確かにそうではありますが……』
「今は上層部の決定に従うふりをしていれば良い。確実に結果が出て、それでもし間宮が巨大生物と同じ存在であるということになれば、その時考えるとしよう」
『……わかりました』
「この事は誰にも言うな。我々だけの秘密とする。高橋、君はいつも通りに振舞ってくれ。以上だ」
『了解……しました』




