十八話 立ちはだかる王者 (1)
休暇明け。僕はイズナミリュウの火球が飛んで行った方向の調査を開始した。大自然の警告者と呼ばれるイズナミリュウは必ずどこかに着弾しているはずだ。着弾地点が何処なのかもイズナミリュウが打ち上げた角度や速さをなんとか調べ上げ、それを元に計算して大体わかっている。
その場所に僕たち、第三作戦室攻撃隊は向かっているのだ。
着弾地点と思われる場所はくしくも最初の巨大生物が倒された場所であった。今現在は森として再生しているが、三年前は爆弾や巨大生物の攻撃により地面はボコボコになっていたという。ここはそれ程の激戦がおこなわれた場所なのだ。
調査地点の近くにある広い空間に戦闘機をとめて全隊員整列する。
「全隊員いいな。今回の調査は巨大生物の正体に迫ることができる可能性がある重要な任務だ。この地を徹底的に調べ上げとにかく情報を集めるぞ!」
「「了解!」」
副隊長は解散を言い渡し、僕、泉隊員班と副隊長、山内隊員、小林隊員の班に別れて調査を開始した。
森に入って調査を開始したものの、一体どう調査すれば良いのかわからなくなってしまう。ここに何かあるのではないかという自信があるわけでもないし、だからといってないとも言い切れない。なんとも不確かな感じだ。
しかし、巨大生物の情報が未だに少ない以上今回の調査は必ず成果を上げる必要がある。
僕は不確かな感覚を振り払い、さらに奥へと進んだ。




