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我ら、巨大生物特別攻撃隊!  作者: ひぐらしゆうき
二章 新たな翼
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十五話 猛毒の罠、新たな翼!(1)

ゴマの騒動以降、大した事件は起こらなかったため僕たちは巨大生物に破壊された街の復興活動や訓練をしていた。


そうして、僕は隊に入隊して1年が経った頃だ。

僕はいつものようにトレーニングルームでトレーニングをした後、第三作戦室に戻った。


第三作戦室にはなぜか僕以外の戦闘隊の隊員達が整列していた。


「おお間宮、ちょうどいい所に来た。話がある」


飯塚副隊長が話とは珍しい。最近は殆ど何もなかったので、隊長から改まった話なんてされることはなかったのでちょっと驚きつつ、僕は急いで整列した。


「…よし、全員揃ったな。ごほん…。実は先ほど巨大生物特別攻撃隊日本支部技術開発班から連絡があった。以前マキシベアに破壊されたウィッシュスターとシューティングスターの修理及び強化が完了したとの連絡が入った」


「おー!やっとっすか!」


「隊長、強化とはどのような強化なのでしょうか?」


「新しい武装とかの詳細は?」


「操作性とか上がってますかね?」


隊長に質問と歓喜の声が雨のように浴びせられている。普段冷静な副隊長も少し興奮しているらしい。やはり強化されたという所に惹かれたようだ。


「ん〜まあー報告はそれだけじゃあないんだが…まあいい。強化については機体を見ながら、専門の者に話してもらう方がいいだろう!ということで、全員格納庫に行くぞ!」


「「了解!」」


本当に今日の皆は元気だ。早く戦闘機の操縦がしたいのだろう。




格納庫に入ると、ウィッシュスターとシューティングスターが戻って来ていた。なんとなく機体の装甲が変わっているように感じる。


「さて、ではウィッシュスターとシューティングスターの強化内容を技術開発班の野沢さんに教えていただこう。では、よろしく」


「はい、では今回のウィッシュスター及びシューティングスターの強化内容についてのご説明をさせていただきます。技術開発班の野沢です。よろしくお願いします。…まず装甲は以前よりも強固なリフレクトメタルという技術開発班で開発した新装甲となっています。巨大生物の攻撃にもある程度なら耐えられるようになっていますし、速度も上昇させることに成功しました。しかも急加速、急発進の負荷にも耐えられるようになっています。武装としてはバーミリオンプラスターの威力を2割増加、新ミサイル兵器のクラスタースパイクの搭載。以上が今回の強化内容です」


これは、思っていた以上の強化だ。おそらく対災厄巨大生物を想定した武装へと強化したのだろう。


「それから次に新兵器の紹介を…」


新兵器?新兵器だって⁉︎


「なに?新兵器だとー!」


小林隊員が叫んだ。皆さん同じ感想だろう。何故なら隊長はそんなこと言わなかったのだから。


「あら?飯塚隊長、話しておられないのですか?」


「質問攻めにあってしまって言えなかったのだ」


「そうでしたか…。では、実際に見てもらいながら説明いたしましょう」


僕たちはウィッシュスターとシューティングスターの配置されている場所からさらに奥へと向かった。すると、見覚えのない戦闘機が置いてある。今まで見たことのない戦闘機の形だ。


「こちらの戦闘機の名前はスターライト。最高速度は通常マッハ10、登場可能人数2名、内部にはウィッシュスターやシューティングスターに装備されているジェネレーターを遥かに上回るスーパージェネレーターが搭載されています。このスーパージェネレーターの搭載により、強力なレーザー兵器を使用できるようになりました。スターライトには可変翼を採用しています。可変翼は新機能のオーバードライブモードの使用時やウィングカッターによる攻撃に利用します。装甲はリフレクトメタル。武装はトライブラスター、クラスタースパイク、ウィングカッター、誘導ミサイル。オーバードライブモード時のみ、ストライクマキシマムドライブを使用可能となっています」


「あのー。オーバードライブモードというのは?」


僕は気になったので野沢さんに聞いてみた。


「はい。オーバードライブモードは2分間のみ使用可能な超機動形態です。スーパージェネレーターの出力を全開にして、さらに可変翼を稼働することにより普通の戦闘機では到底不可能な機動を可能にした形態です。この形態でなければ使えない攻撃がストライクマキシマムドライブというレーザー兵器です。しかし、この形態は乗組員の方にかなりの負荷をかけてしまうため安全のため使用可能時間を2分と決めています。2分経つと自動的にオーバードライブモードが終了しますのでご注意ください」


強力な形態のようだが、裏を返せば使い方を間違えると一気に窮地に立たされる戦闘形態だ。使いこなすはかなり難しいだろう。


「こりゃすげーや。…ところで誰がこの新戦闘機に乗るわけ?」


…そうだ!まだ誰が乗るのか決まっていないではないか!


「いやー。ここは俺が乗るよ」


「いや!私が乗りますから!」


「ふふん。とうとうこの小林隼人が一人で戦闘機を操縦する時が…」


「小林、お前はないから安心しろ」


「ちょっ、副隊長〜」


「隊長!誰がこの新兵器に搭乗するのでしょうか?」


飯塚隊長は少し溜めてから、指をばっと指した。指は僕の方を真っ直ぐに指していた。


「この新兵器スターライトに搭乗するのは間宮コウキ!君だ!」


「えっ、ぼ、僕ですか?」


驚きだった。まだ入隊して一年しか経っていないひよっこに新兵器を任せるなんて思ってもいなかったからだ。


「な、なんで僕が…」


「間宮。この一年の君の活躍を見てきて、この新兵器を任せてもいいとそう思った」


「し、しかし…」


「俺はこの決定に賛成だぞ」


「高橋副隊長」


「間宮隊員。君の起点で我々は随分と助けられた。君がいなかったら俺はマキシベアとの戦いで死んでいたかもしれん。君の状況を即座に判断して行動に移せる力は誰よりも強い武器だ。君のその状況判断能力があれば、オーバードライブモードを有効的に使用できるはずだ。だから、やってみろ!」


「はぁー。仕方ねぇな。隊長と副隊長がここまで言ってくれいるんだ。やってみろよ!仕方ないから俺たちは引き下がってやるから」


小林隊員が本当に仕方がなさそうに言った。本当に乗りたかったんだな。


「小林、お前が偉そうに言ってんなよ」


「いっつー!」


小林隊員の脇腹に山内隊員の肘打ちが入った。小林隊員は脇腹を抑えてうずくまって黙り込んだ。


「本当に僕でいいんでしょうか?」


「ああ。君だからいいんだ」


ここまで言ってもらっている。ここで止めるのは情けないだろう。


「…わかりました。やってみます。」


「よし、決まりだ。ではみんなそういうことだ。異論はないな?」


「「ありません」」


「うむ。では、間宮隊員。スターライトの説明書だ。よく読んでおけ」


隊員から分厚い説明書を受け取る。結構重い。まるで辞書だ。


「はい。わかりました!」


今日はこの説明書を読んで終わりそうだなと思った僕であった。

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