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我ら、巨大生物特別攻撃隊!  作者: ひぐらしゆうき
序章
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三話 害悪巨大生物出現!

  新品の制服の袖を通す。見た目は普通のジャケットとズボンだが、耐寒性、耐熱性に優れて衝撃吸収製も高いそうだ。巨大生物と戦うには、やはりこれぐらい万能でなければならないのだろう。


「間宮、準備はできたか?…うんサイズぴったりだな。よし、では行こうか」

「はい!」


  飯塚隊長に連れられて、第三作戦室に入る。

  各作戦室は攻撃隊の中でも、直接巨大生物と戦う戦闘部隊のための部屋である。ここで巨大生物出現の報告を受け、隊長他数人が残りここで巨大生物を戦う戦闘隊員に指示を送るのだと言う。


「さあ、間宮くん、いや間宮隊員。ここが第三作戦室。そして今整列している彼らがこの第三作戦室、つまり私の部隊の隊員たちだ。ではまず、間宮隊員」


「はい!…本日付で巨大生物特別攻撃隊に入隊することになりました。間宮コウキです!よろしくお願いします!」


「ようこそ新人!待ってたんだぜ!」


 僕が挨拶するとすぐ目の前にいた二十代の隊員が声をかけてくれた。


「おいおい、小林隊員。まずは自己紹介からしないと。名前がわからないと接しにくいだろう?」


「おお、そうか。そんじゃ。俺は小林隼人二十六歳。銃を使わせたらこの隊の中にかなう奴はいないぜ。よろしく!……あっと、そうだそれから君に銃の指南役を務めるぜ。」


 小林隊員は銃のスペシャリストのようだ。自衛隊にでもいたのだろうか?


「次、俺。武田治彦二十七歳だ。小林とは陸自で同期だったんだ。基本はこの作戦室で通信係をしている。よろしくな」


 と小林隊員の隣の隊員が自己紹介をする。もしかするとこの隊の隊員達は皆元自衛隊なのだろうか?


「よしよし、あー各々に自己紹介してもらいたいところではあるが、時間がかかるので、隊長である私から紹介させてもらいたい」


 飯塚隊長は隊員達を制した。


「さて、まず左から高橋和正副隊長。巨大生物との戦闘においての現場指示を出してもらう。元ブルーインパルスの一員で戦闘機の操縦技術は隊一だ」


「よろしく。間宮隊員」


 高橋副隊長は渋い声で、なんとも威厳のある顔立ちをしている。ぱっと見だと副隊長の方が隊長のように見えるだろう。


「さて、小林隊員と武田隊員は紹介してもらったからな。次は山内浩二隊員。彼は元航空自衛隊でパイロットをしていた。巨大生物との戦闘をしてもらう。そして、君に戦闘機の操縦技術指南役を頼んでいる」


「基礎からしっかりと叩き込んでやる。覚悟しろよ〜」


  山内隊員は清楚な雰囲気のイケメンだ。かなり背も高く、顔立ちもいい、しかもフレンドリーで性格も良さそうだ。女子にモテるのだろうな。


「そしてその横、我が隊の頭脳である若宮大河隊員。彼には豊富な動物知識で、この作戦室で私と作戦を発案し、戦闘部隊に伝えるのが仕事だ」


「よろしくお願いします」


 若宮隊員は少しふくよかな体型(決してデブではない)で身長は160ぐらいだろうか?男性にしては小柄な人だ。


「そして我が隊の紅一点。泉真奈美隊員だ。彼女には間宮隊員の教育係をしてもらう。戦闘の際も、彼女と同じ戦闘機で出撃してもらう。よく覚えておいてくれ」


「よろしく、間宮隊員」


 泉隊員は僕と同い年ぐらいに見える。可愛らしい顔立ちをしていて、身長も女性にしては高い。モデルと言われたら納得してしまうだろう。それぐらい可愛い人だ。


「他にも職員はいるが、紹介は泉隊員に任せる。さあ、仕事開始だ」


「はっ!」


 バッと一斉に敬礼をすると、各々が自分の仕事に向かった。


「さて、間宮隊員。これから教育係の私が基地内を案内するから、付いてきて」


 まず訪れたのは格納庫だ。格納庫は地下にあり、そこでは整備員がせっせと戦闘機のメンテナンスをしている。


「スクランブルの時はここから戦闘機に乗って出撃するの。だからこの格納庫へ続く道は絶対に覚えておいてね。それから、こちらが整備士長の大貫さん」


 整備士長の大貫さんは五十代ぐらいの厳つい人だ。


「お前さんが新入りか?整備士長やってる大貫だ。戦闘機の整備は完璧にしてやる」


「はっ、はいよろしくお願いします…」


 声はドスが効いていてかなり怖かった。戦闘機壊したら…。いや、考えるのはやめておこう。


「大貫さん、声とか顔で怖がる人多いんだけど、普段温厚な優しい人だから」


 そうなのか…。とはいえ、怖いことには変わりないのだが。


「さて、次は…」


 泉隊員と格納庫から出て行こうとした時、突然サイレンが鳴り響いた。


『緊急連絡、緊急連絡。飯塚隊、第三作戦室に集合せよ、繰り返す、飯塚隊第三作戦室に集合せよ!』


「間宮隊員!基地の案内はまた今度、作戦室に行くよ!」


「は…はい!」


 僕たちは第三作戦室に走った。


 第三作戦室には隊員達が全員集合していた。部屋の壁にある巨大モニターには巨大な蛇がうねうねと動いている。場所は千葉近郊の山奥のようだ。


「蛇型の巨大生物か、若宮隊員やつは?」


「はい隊長、こいつはコードネームコルスーラ。以前、ブラジルのアマゾン近郊に一度だけ出現した害悪巨大生物です。アメリカ基地が事態にあたりましたが、仕留めきれず、逃げられたとのデータがあります」


 害悪巨大生物?巨大生物にも種類があるのだろうか?疑問に思っていると、泉隊員が耳打ちしてくれた。


「巨大生物の危険性によって処分方法を決めているの。害悪巨大生物は放っておくと町を壊滅させてしまう恐れがある危険な巨大生物のこと。だから、基本は殺処分となるわ」


 成る程。巨大生物にも危険度があるのか。


「ふむ、中々面倒な奴がやってきたもんだな。若宮隊員。確か奴には普通のミサイルは通用しなかったのではなかったか?」


「はい。副隊長の言う通り、通常のミサイルは通用しないとのデータがおります。最近アメリカ基地で完成したスパイクミサイルなら通用すると考えられます」


「よし、では戦闘隊は出撃せよ。間宮隊員君もでろ。いいな?」


「はい!皆さんの迷惑をかけないよう頑張ります」


「大丈夫大丈夫。リラックスして行こうぜ。緊張しすぎるとミスるぞ!」


「そうよ。それにまだわからないことしかないでしょ。今回は私の言う通りのことをしてくれればいいからね。はい間宮隊員のヘルメット」


 泉隊員からヘルメットをもらい、再度格納庫に向かった。


 格納庫に行くと、戦闘機が既に発進準備を整えていた。


「ウィッシュスター1、2号機、スターダスト、共に準備できています」


 青年整備士が戦闘機の準備が整っていることを報告する。

 僕たちはウィッシュスター1号機に乗り込んだ。ウィッシュスターは二人乗りの戦闘機で、操縦席にはよくわからない計器やスイッチがいくつもあった。


「このウィッシュスターは万能戦闘機でね。どんな場所でも活躍できるように考えられて造られた最新鋭の戦闘機なの。最大飛行速度はマッハ5出るよ」


 マッハ5。かなりのGがかかるはずだが、僕は大丈夫なのだろうか?


「Gについては心配ないわ。隊員服やヘルメットに軽減機能が付いているから」


 現役の隊員が大丈夫というのだから大丈夫なのだろう。僕はウィッシュスターに乗り込んだ。


「システムオールグリーン。発進準備完了。ウィッシュスター1号でます!」


 格納庫のゲートが開くと長いトンネル現れる。カタパルトが動き出し、どんどんスピードが上がって行く。ものの数秒でトンネルを抜け、空高く射出さると、エンジンを点火した。

 僕はきょろきょろと周りを見渡す。

 右側にウィッシュスター2号機が飛んでおり、前には、副隊長が乗るスターダストが飛んでいた。


『巨大生物は都内に向かって進行中です。早めに処分してください。なお大事をとって東京23区全体に避難勧告を発令しました』


 無線から武田隊員の声が聞こえてきた。


『了解』


 三機の戦闘機は現場に向かい飛んで行く。

 僕はこの時、緊張で足が震えていた……。

次回、戦闘開始!

蛇型巨大生物コルスーラ登場!

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