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我ら、巨大生物特別攻撃隊!  作者: ひぐらしゆうき
一章 新人隊員間宮コウキ
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十二話 災厄巨大生物!(4)

 攻撃命令が高橋副隊長、鷹木隊長から発令された。僕たちは足元の攻撃をやめて、攻撃の通じそうな顔付近に攻撃を集中することにする。

 何故なら、地上からは第二作戦室が保有する戦闘車、グレイターとリレイザルがロケットミサイルによる攻撃を開始しており、足止めには十分だと判断したからだ。


『第三作戦室隊員全員に告ぐ!今から波状攻撃を仕掛ける。敵の反応速度は想像以上に早い。ジェネレーター出力を上げて対応しろ。多少無理な挙動をしても構わん。とにかく敵の攻撃はかわせ!』


「「了解!」」


 ジェネレーター出力を最大まで引き出せば、一気に最高速まで持っていけるまでの出力を出させる。

 それどころか、本来ジェネレーターを全開にすればマッハ5以上出るらしい。しかし、マッハ5以上出すと機体が負荷に耐えきれないらしく、マッハ5以上は出せても1分までという制約がある。そのためウィッシュスターのカタログスペックはマッハ5となっているらしい。

 副隊長はその高出力を利用してあの異常な速度の攻撃をかわせと言っているのだ。なかなか無茶なやり方だが、それくらいの無茶はしないと懐に飛び込んで攻撃するのは不可能だと判断したのだろう。


「間宮くん、ジェネレーター出力を上げての急激な速度上昇は相当なGが急に襲ってくるから、身構えておいて」


「はいっ!」


 速度を上げてマキシベアに近づいていく。

 僕はバーミリオンブラスターの発射スイッチに指をかけていつでも発射できるようスタンバイする。

 泉隊員の巧みな操縦でマキシベアの顔付近まで潜り込んだ。

 今だ!


「バーミリオンブラスター発射!」


 発射スイッチを押し、バーミリオンブラスターを発射した。発射された朱色のビームはマキシベアの頬に当たり、火花が散る!

 直撃を確認して、すぐにその場を離脱。その後、反対方向から山内隊員の操るウィッシュスター二号機が攻撃する!

 その隙に副隊長は後頭部めがけて無誘導ミサイルを二発撃ち込んだ!

 攻撃に反応したマキシベアが腕を振りまわすがその時には既に全機離脱しており、空振りに終わる。

 ちまちまと攻撃する僕たちはマキシベアから見れば蚊のように感じていることだろう。


 グオオオオオ!!


 怒号を上げて、付近のビルを腕を振り回して倒していく。相当頭にきているようだ。


『切れやがったぜ!あいつ相当短気だな』


「小林隊員、近づいて攻撃しにくくなってるんでこっちとしては困ったことになってますよ……」


『う……そういやそうだな。っておい、あいつ何する気だ⁉︎』


  小林隊員が叫んだのでマキシベアの方を見る。

  マキシベアは先程崩したビルの瓦礫を持ち上げるとこちらに向かって投げつけてきた!


「か、回避!」


「ええ、ジェネレーター出力最大!」


 発進したと同時にズドンと思いっきり背もたれに押し付けられた!確かに物凄いGだ。気を失わなかっただけいい方だ!

 

『おい、まずいぞ!この方向、この下は!』


 山内隊員の言っていることは、すぐには理解できなかった。

 僕は瓦礫の飛んで行った方を見る。

 そして、そこでようやく僕は理解した。

 瓦礫の飛んで行った方向、そこには第二作戦室の戦闘車がある!

 僕は通信しようと通信機に懸命に手を伸ばしたが、既に遅い。

 ドスンと音の後にザーという音が通信機からきこえてきた。瓦礫は戦闘車に直撃したのだ。


「そ……そんな」


「……。っは!間宮くんすぐに通信して!」


「あ、は、はい!」


  僕は震える手で通信機をとり、地上部隊に連絡を入れる。


「こちら間宮!第二作戦室隊員の皆さん!無事ですか?」


『こちら鷹木だ!なんとか全員生きているが、数名が負傷、グレイター一台とリレイザル二台が潰された!だが、大丈夫だ!まだ戦える!こちらは心配いらない!』


 元気そうな隊員の声が奥の方から聞こえてくる!本当に無事でよかった!


「わかりました!とにかく無事でなによりです!では!」


『うむ!』


「無事だそうです!ほんとによかった」


「そうね。はあ、心臓に悪いわよ」


  さて、僕たちも気を引き締めてかからねば……!



 マキシベアとの死闘が続く中、互いに決定的なダメージを、与えられず膠着状態となってしまった。

 こちらは弾薬もエネルギーも使い切ってしまった。マキシベアも一日中暴れているためか、かなり動きが鈍くなってきた。


「副隊長、どうしますか?」


『ふむ、仕方ない。このままではジリ貧だ。ここで一旦ケリをつけよう。全機、離れた場所に着陸しておけ、俺がナパームボムでやつの足を止める』


 副隊長はそういうと一人、マキシベアの元へと飛んで行った。


「それじゃあ副隊長の言う通りにしましょう」


『そうだな。よし、第二作戦室の作戦車の奥にある広い空き地に止めよう!』


「「了解」」


 副隊長以外の僕たちは着陸して第二作戦室の作戦車へ移動した。


 

 しばらくすると副隊長が作戦車に顔を出した。


「ナパームボムでやつの周りを火の海にしてきた。今晩は動かないだろう。鷹木隊長、この隙に補給を済ませ、その後に奴を倒すための作戦会議を開きましょう」


「うむ!それがいいだろうな!よし!」


 鷹木隊長は通信機を入れて、全隊員に通信を行う。


「鷹木だ!全隊員聞け!これより明日の朝まで補給、休息の時間とする!巨大生物は現在、第三作戦室高橋副隊長の攻撃で足止めされている!今のうちに休めるものから休んでおけ!それから、23時より作戦車で作戦会議を行う!以上!」


 一時休戦。僕たちは本当にあの災厄巨大生物を倒せるのだろうか……。

 マキシベアのいる方では真っ赤な炎があがっている。

 あの炎が消えた時、その時が決戦の合図だ!

強大な敵、災厄巨大生物マキシベアを倒すため、僕たちは捨て身の作戦に打って出る!

死闘を制するのはどちらか!

次回、捨て身の作戦!エースの力!

災厄巨大生物マキシベア登場!

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