十二話 災厄巨大生物!(2)
24時間前ー
「巨大生物出現!場所は東京D地区!被害多数!第二、第三作戦室は出動せよ!」
朝早く、仕事をしているとこの知らせが入ってきた。
「巨大生物が街中に出現だって?おいおいまじかよ?……隊長!避難勧告出したんですよね?」
「そこは政府が対応した。避難は問題ないだろうと思う。一番の問題は巨大生物が街中に突如出現したということだな」
たしかに隊長の言う通りだ。もし街中に現れるのなら街中に入ってくる前にこちらに連絡が来る筈なのだ。
「なんにしろ、早く出動しよう。街の被害をこれ以上広げないようにするべきだろう。隊長、すぐにでも出動します!」
「うむ。攻撃隊は出動してくれ。敵の情報は追って報告する。今はとりあえず足止め、それから相手の能力を見てからより強力な武器を使用することも考えておく」
「了解しました。よし、いくぞ!」
「「了解」」
僕たちは現場に急行した!
ウィッシュスターのコックピットからは街中で暴れまわる熊型の巨大生物と倒壊した家々が見えた。
熊型巨大生物は体長80メートル程でかなりの威圧感がある。正直、今まで戦ってきた巨大生物が可愛く見える。
「これは、とんでもないやつが出てきましたね……」
「ええ。下手をすれば落とされるわね。気を引きしめてかからないとね」
泉隊員の顔がいつもより強張っている。恐ろしいのだろう。僕だってそうだ。かなり怖い。この隊に入隊して初めてこんなに恐ろしい思いをしている。
『ウィッシュスター一号機、聞こえるか?こちら高橋』
「はい聞こえてます。どうぞ」
『今回の相手の情報が基地から届いている筈だ。まずはそれを見てくれ』
僕は小型モニターにいつのまにか送られてきていた情報を投影させた。
「災厄巨大生物マキシベア……。災厄巨大生物って!」
『そうだ。三年前に出現した巨大生物と同等の危険度の存在だ。三年前に出現してからというもの世界でも出現しなかったような相手だ。撃墜させられることも十分考えられる。地上に第二作戦室がいるから、撃墜させられた場合はすぐに脱出して地上隊と合流して戦ってくれ!いいな。みんな生きて帰るぞ!』
そうか、副隊長は三年前巨大生物と戦っていたのだったな。だからこそ災厄巨大生物の恐ろしさを身をもって体感しているのだ。だから、生きて帰ろうと言ったのだ。
「「了解!」」
僕は覚悟を決めて戦いに挑む!




