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我ら、巨大生物特別攻撃隊!  作者: ひぐらしゆうき
一章 新人隊員間宮コウキ
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十一話 第一作戦室ー対海洋巨大生物専門部隊ー(2)

 第一作戦室の隊員とは今まで関わりがなかったこともあって今回の合同作戦が初顔合わせとなる。

 小林隊員の彼女だという北条さんもいるということだが、どんな人なのだろう?怒ると怖いようだが……。


「やあ、どうも急に呼んで悪かったね」


 眼鏡をかけた中年の男がこちらに気がつき手を挙げた。ほっそりとしているが、筋肉のつき方はかなりなものだ。細マッチョというやつなのだろうか?


「いえいえ。我々としては暇を持て余していたものですので、是非とも協力させていただきたい」


「おお、ありがとう高橋くん。……うん?見ない顔だな」


「あっ、どうも始めまして!第三作戦室戦闘隊の間宮コウキです!よろしくお願いします!」


 僕は深々とお辞儀した。多分、隊長か副隊長だ。挨拶はしっかりしておかねば。


「ああ。君が間宮コウキ君か。飯塚隊長から聞いているよ。始めまして、僕がこの第一作戦室の戦闘隊を率いている大野圭介。一応副隊長を務めている。よろしく」


「ところで大野、他の隊員はどうした?」


「ああ、彼らなら補給の手伝いをしているよ。さっきあのトビウオと戦った時にガス欠になってしまったからな」


「そうか。……間宮、挨拶しに行ってこい。あーあと小林も一緒に行け!」


「いやなんで俺も⁉︎」


「作戦中も険悪だとやりづらいだろうが!それぐらい理解しろ!」


「はっ!申し訳ありません!」


「わかったらとっとと行け!」


  「間宮、行くぞ。……はぁぁぁぁーー」


 小林隊員の顔が一気にやつれてしまった。この顔を見るだけで、どれだけ北条さんが怒っているのかがなんとなく想像できる。

 僕は実際にその現場を見ることになるのか。恐ろしい……。


 補給を行なっているという場所にやってきた。

 海上には巨大生物特別攻撃隊のマークの入った青を基調としたデザインの潜水艦が二隻停泊している。

 これが海上、海中どちらでも戦闘可能な万能潜水艦ブルーシーか。


「あれ?小林じゃん。お前また北条怒らせたらしいな。お前も懲りないねぇ〜」


 補給を手伝っていた黒く日焼けした男が話しかけてきた。口調からして小林隊員の同期といったところなのだろう。


「違うっての!あれはあっちが勘違いしてるだけなんだよ」


「本当かよ?ってうん?誰だこいつ?」


「どうも始めまして!新人隊員の間宮コウキです!」


「よろしく!俺は海堂涼太。小林とは高校が一緒だった」


 高校の同級生だったのか。てっきり自衛隊で同期だったのかと思っていた。


「海堂、間宮が挨拶するから全員集めてくれよ」


「仕方ねぇな」


 海堂隊員は大きく息を吸い込むと


「第一作戦室の隊員、俺のとこに集合ー!」

 と馬鹿でかい声で叫んだ!

 するとものの数秒で全隊員が揃った。


「海堂さん、うるさいっすよ」


「そうそう。叫ばなくても通信機使ってくれればいいのに」


 確かに物凄い大声だった。近くで聞いた僕の耳はまだキンキンしている。


「まあいいじゃねーの。そんなことより、間宮くん挨拶して」


「あぁはい。…どうも始めまして!間宮コウキです。よろしくお願いします」


「ほい、そんじゃみなさん挨拶して」


「じゃあ僕から、佐藤秀。去年入った2年目。よろしく」


 佐藤隊員は目つきの鋭いというか悪い人だ。あまり喋るような人ではないようで、コミュニケーションを取るのは得意ではなさそうだ。


「はい次俺ね。遠藤和也。29だから小林隊員の2つ上だな。まあ気軽に話しかけてくれよ。よろしく」


 遠藤隊員は話しやすそうな人だな。佐藤隊員と真逆な感じがする。


「えっと、あとは北条だけなんだが…」


「いるわよ」


 声がした方を振り向くとスレンダーな体の女性が立っていた。長い髪は結わえてポニーテイルにしている。


「始めまして間宮コウキくん。小林から話はよく聞いているわ。なんでも随分と活躍しているとか。君のような新人がこの第一作戦室にもきてほしいものだわ」


「どうもありがとうございます。でもまだまだですから…」


「ふふっ。真面目でいい子じゃない。……あんたとは大違いねぇ」


 急に声色が変わった!さっきまでとても優しいそうな声だったのに、いきなり声が低くなってちょっとドスの効いた喋り方になってる!これは本当に怒らせたらダメな人だ!


「い……いや、だからさぁ、あれは誤解であって……」


「言い訳はいいわ。とにかく、戦闘で足を引っ張ることはしないでね。それじゃあ準備があるから、失礼するわ」


  話すら聞いてもらえてない!相当怒っているんだろうなぁ。


「小林。北条をあんなに怒らせるなんてお前本当に馬鹿っつーか。ある意味すごいな」


「本当に何やったらあんなに怒らせることできるんだ?逆にきいてみたいわ」


「うぐぐぐ…。間宮!行くぞ!俺たちも準備だ!」


 小林隊員は急に走り出した!


「あっはい!」


 僕はその後を追いかける。

 小林隊員自身、早く誤解を解きたいと思っているのだろうけど、あれじゃあ解くのは至難だろう。小林隊員。どうするのだろう?


『隊員諸君戦闘準備。巨大生物接近中!』


「間宮!早く戻ってウィッシュスターに乗り込むぞ!」


「はい!」


 唐突に戦闘開始が言い渡された!

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