二話 過酷!入隊試験!
基地内に入ると、大きな吹き抜けのあるロビーにでた。太陽光が窓から差し込んでいる。おそらくこうすることで、節電しているのだろう。
エスカレーターで二階に上がり、右奥にある第1会議室に案内される。
第1会議室の中には、机とパイプ椅子が並べられているごく一般的な会議室で、机の上には筆記試験の問題用紙と回答用紙が既に置かれている。
「では、自分の名前のシールが机に貼ってあると思うので、確認して着席してください」
案内してくれた試験官の青年に促され、席を探す。
入ってすぐの机の上に自分の間宮コウキという名前を見つけて、席に着く。
後から入ってきた受験者も各々の席に着いた。
「それでは、筆記試験試験の説明をします。制限時間は50分で、できた者は部屋から出て言ってもらいます。一度出て行くと二度と入れませんので忘れ物をしないでください。筆記試験終了後、すぐに体力試験となりますのでよろしくお願いします。それでは試験開始!」
試験問題はSPIの問題集やその他の問題集をやっていたからかすらすらと解けた。
まあ元々成績はよかったのだけれど。筆記試験はものの20分程で終えた。出て行く時にはまだ他の受験者は半分ほどしか終わっていなかった。よく見れば自分より若い。恐らく高卒なのだろうなと思いながら、部屋を出て行った。
部屋から出るとすぐに準備運動を始めた。すぐに体力試験という事は準備運動の時間など与えられないのだろうと考えてのことだ。
しばらくそうして準備運動をしていると、浮かない顔の受験者が続々と出てくる。あまりできが良くないようだ。
50分たって、試験官がやってきた。
「筆記試験お疲れ様でした。それではこれよりトレーニングルームにて体力試験を行います。ついて来てください」
僕たちは試験官の後を追いエレベーターホールに向かう。試験官が下向きのボタンを押す。
どうやらトレーニングルームは地下にあるようだ。
地下には射撃訓練場、戦闘機シュミレーター、そして一番奥の大きな部屋にトレーニングルームがある。
「よう、俺が体力試験の試験監督を務める山岡だ。よろしく!」
入るなりガタイの良い男が大きな声で自己紹介をした。
「さて、今から体力試験をする。まずは…あれだ!」
山岡さんが指差した方にはルームランナーがあった。
「そんじゃ1時間走り続けろ」
1時間走り続ける。中高と陸上部で長距離走をやっていた僕にとっては楽勝だ。
1時間後、僕は程よく汗をかいていた。ふと横を見ると、他の受験者はゼェゼェと息を荒だてている。
「さあ、つぎやるぞ!次は懸垂100回だ!終わったらそこの壁のボルダリング。これを40分以内」
どうやらここからが本番のようだ。
懸垂をやり始めたところかなりきつい。最近懸垂なんてやっていなかったからだろうか?まだ40回だというのに腕がプルプルし始める。
これは、やり遂げられるのか⁉︎いや、やり遂げるのだ。僕は、なんのためにここに来たのだ⁉︎この巨大生物特別攻撃隊には入って、人々の生活を守りたいのではなかったか!
うぐぁー!僕は力を振り絞った。
「よーし!よくやったぞ!お疲れさん。じゃあ次は面接だ頑張れよ!」
全ての体力試験を終え、僕達は既にヘロヘロになっていた。もう足も手も震えている。しかし、全く休ませてはくれない。流石は巨大生物と戦う精鋭部隊の入隊試験だ。
僕の面接試験は一番最後だった。面接室に入ると、朝に挨拶していた飯塚隊長、その横には初老の紳士が座っている。
「さて、では君の自己紹介を」
「はい!間宮コウキ21歳 中高で陸上部に、所属しており、長距離をやっていました!」
「では次に、何故この巨大生物特別攻撃隊に入隊しようと思ったのか、聞かせてほしい」
僕は自信を持って答えられた。
「三年前のあの巨大生物の為に多くの人が亡くなりました。僕は、巨大生物から人々を守り、人々の暮らしを守りたいと思ったからです」
「よしわかった。吉永参謀」
なんと、隊長の横に座っていたのは参謀だったようだ。
「うむ。間宮コウキくん。君の試験内容と今の質問への回答。素晴らしいものだった。君を巨大生物特別攻撃隊に迎えたい」
うん?僕は今何を言われたのだ?迎え入れたい?
「驚いたかな?合格だよ。おめでとう」
「ほ、本当ですか!」
「本当だよ。明日から私の隊で一緒に働いてもらう。早速戦闘機や狙撃訓練をしてもらうことになるが頑張ってくれ。以上」
僕はその日、隊員となったのだ。
僕の戦いの始まりだ!
次回、害悪巨大生物出現!
蛇型害悪巨大生物 コルスーラ登場!