九話 揺れる大地(4)
作戦決行の合図とともにグランスピーダーは地中に潜むモグラ型巨大生物に向けて発進した。
前方に取り付けられている巨大なドリルが回転し地面をどんどん削っていく。掘り進むスピードはかなり早く、ものの2分でグランスピーダーの巨大は地中に消えてしまった。
『攻撃準備はしておけよ。いつ出てくるかわからないからな』
『『了解』』
「間宮隊員、ミサイル発射準備しておいて」
「了解!」
ロックオンミサイルとスパイクミサイルを発射可能状態にしておく。
倒せなかった時のために、一応バーミリオンブラスターも発射可能にしておこう。
『地下部隊、目標を捕捉。これより攻撃を開始する。地上部隊。準備は良いか!』
『問題なしだ。とっととおっぱじめるぞ!』
『よし!地下部隊攻撃開始!』
地下部隊が攻撃を開始したようだ。僕たちは攻撃態勢を整えて待ち構える。
しばらくすると地面からモグラ型巨大生物が姿を現した!どうやら地下部隊はうまくやったようだ。
『各機ミサイル全弾発射!目標、モグラ型巨大生物!ってー!!』
副隊長の合図に合わせて積んである全ミサイルが巨大生物めがけて飛んで行った!
地上部隊も容赦なくミサイルを発射している。無数の爆裂音が鳴り響き、巨大な爆炎が立ち込めている。 巨大生物の姿はその爆炎のせいで全く見えない。倒せたのだろうか?
『生命反応あり!まだです!』
作戦車からの通信だ。まだ倒していないだって⁉︎
見ると爆炎からモグラの手が伸びている。かなり弱ってはいるようだが、まだ生きている!
「泉隊員!」
「わかってる!」
ウィッシュスター1号機は一気に速度を上げて、巨大生物にむかっていく!武装はもうバーミリオンブラスターのみではあるが、これだけ弱っている。倒せるはずだ。
スイッチを押してバーミリオンブラスターを連射する。バーミリオンブラスターはモグラ型巨大生物の腕を貫いた。腕は爆炎に引っ込み、次は体ごと出てきた。
「倒れ込んで、地上の戦車隊を潰すつもりよ!」
僕は通信機を手に取り、地上部隊に連絡を入れた。
「地上部隊!今すぐ避難してください!」
『わかっている!全戦闘車!超電磁バリア展開!できる限りでいい、損壊を避けろ!』
地下部隊は一気に後退し、紙一重でモグラ型巨大生物をかわした。
『皆さん!モグラ型巨大生物の生命反応が消えました!我々の勝利です!』
うわぁーーーっと歓喜の声が聞こえてくる。恐らく後退した地上部隊だろう。
『間宮隊員、泉隊員。よくやった。……さて、後のことは第二作戦室の諸君に任せて、我々は戻ろう』
『『了解!』』
「ふう、とんだ休暇になっちゃったわね」
「ええ。でもまだ一日残ってますからね。明日はゆっくりしましょうかね」
「そうね。私は今日できなかった買い物でもしようかしら。あっそうだ間宮隊員も来る?」
「なんで僕も?」
「ふふん。荷物持ち」
「えぇ〜!一体どれだけ買うつもりなんですかー!」
僕の休暇は休暇になりそうに無いな。
夜、暗闇の中を飛翔する巨大生物出現!その正体とはなんなのか?第三作戦室の頭脳が冴える。
次回我ら、巨大生物特別攻撃隊!飛翔する影




