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我ら、巨大生物特別攻撃隊!  作者: ひぐらしゆうき
最終章 我ら、巨大生物特別攻撃隊!
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最終話 光輝なるミライへ!(2)

 慰霊碑近くの駐車場に停車しておいた社用車に乗り込んで僕は職場である菱見細胞研究所へ向けて走らせる。

 所長の菱見林太郎先生は神山博士の教え子で、神山博士の遺志を継ぎ、万能の細胞を完成させることを目的に四年前、国からの援助を受けて研究所を立ち上げた。

 その際僕は、未完成の万能細胞による治療を受けた唯一の人間であったことや、祖父の間宮一郎の孫であるということもあり、研究所所員として迎えられた。僕自身、万能の細胞を完成させて、反町隆史の思想を否定したいと考えていたのでその申し出は願ってもないことだった。

 研究所での僕の仕事は自身の中にある細胞の提供と研究の補助。仕事を始めた当初は何のことかさっぱりわからなかったのだが、この四年間で勉強を続けて、今ではある程度理解できるようになった。

 呑み込み駐車場に停車しておいた社用車に乗り込んで僕は職場である菱見細胞研究所へ向けて走らせる。

 所長の菱見林太郎先生は神山博士の教え子で、神山博士の遺志を継ぎ、万能の細胞を完成させることを目的に四年前、国からの援助を受けて研究所を立ち上げた。

 その際僕は、未完成の万能細胞による治療を受けた唯一の人間であったことや、祖父の間宮一郎の孫であるということもあり、研究所所員として迎えられた。僕自身、万能の細胞を完成させて、反町隆史の思想を否定したいと考えていたのでその申し出は願ってもないことだった。

 研究所での僕の仕事は自身の中にある細胞の提供と研究の補助。仕事を始めた当初は何のことかさっぱりわからなかったのだが、この四年間で勉強を続けて、今ではある程度理解できるようになった。そういえば、飲み込みが早いと研究所内で言われているのだが、自分自身そんな気はしていないのだが、ただの無自覚なのだろうか?

 車を走らせて30分程で研究所に到着した。白を基調としたシンプルな外見でぱっと見は研究所というより金持ちの別荘のように見える。

 研究所内に入ってすぐにロッカールームに向かい、白衣を羽織る。

 手と靴裏を消毒して一階左奥の第二研究室に入室すると、反町若菜がこちらに気が付いた。大量の資料を抱えているのが目につくが何か頼まれているのだろう。


「おはようございます。高橋さんはどうでしたか?」


「おはよう。うん、麻痺は多少残っているようだけど、しっかり歩けていたし元気そうだったよ。顔つきも穏やかになっていた」


「そうですか。それはよかったです」


「それで、今何してるの?」


「ああ、先生片付けなさらないですからね。たまに片付けておかないと資料の紛失とかあったら大変ですから」


「ああ、そういうこと。手伝おうか?」


「いえ、大丈夫です。……そうそう、間宮さん、菱見先生から話があるそうですよ?」


「そうなの?わかった。所長室だよね?」


「はい。そのはずです」


 僕は今入ってきた扉から廊下を玄関口の方へと歩き、左側の階段から二階へと上がる。階段を上がってすぐの部屋が所長室となっている。

 三度扉をノックをすると中から菱見先生の「入ってきたまえ」という声が聞こえた。

 入室すると、菱見先生は自身のデスクで資料とにらめっこをして難しそうな顔をしている。


「お呼びでしょうか」


「ああ。……間宮くん。来月遂に細胞の人体実験を行うこととなった」


「本当ですか?マウス実験は良好でしたし、ようやくですね」


「ああ、そこでだ。君にもその際実験に参加してもらいたい。今回実験に利用するものはもともと間宮くんの細胞から培養し、改良を加えたものだ。この短期間で人体実験までこぎつけることができたのは気味のおかげだ。君にはその実験の行く末を見る権利がある。知識もしっかりとついている。研究員としてしっかりやってほしい。研究中は休めんからな。覚悟はしておいてくれ」


「はいわかりました。しっかりとやらせていただきます」


「頼むぞ。我々で神山博士と一郎博士の悲願を達成しよう」


「はい。もちろんです」


 この人体実験が成功すれば多くの人類を救うことができるようになるだろう。そしてその先に、希望にあふれた光輝く未来が開くと信じて。

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