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我ら、巨大生物特別攻撃隊!  作者: ひぐらしゆうき
最終章 我ら、巨大生物特別攻撃隊!
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三十四話 決戦(1)

 暗く澱んだ空に飛び立ち、護衛小隊と共に前線へと向かって行く。

 反町は本部のエリート部隊の攻撃を受けながらも日本支部の基地まで迫ってきている。


『スターライトのパイロット。聞こえているかね?私は特別攻撃隊本部空戦隊所属、アレックス』


 無線通信から無機質な音声が流れた。非常に便利な機能で、通信機器に搭載されたAIがどのような言語も瞬時に日本語に変換してくれる。

 これによって言葉の壁は消え去る。僕自身英語で日常会話程度ならできるが、スムーズにやり取りができるほど流暢ではない。この機能は非常にありがたい。


「聞こえています。僕は日本支部第三作戦室戦闘隊所属の間宮コウキです。援護よろしく頼みます」


『任せたまえ。君を堕とさせはしない。自分の任務を達成する事に集中していれば良い』


「ありがとう。では、僕はオーバードライブを起動後、正面から突撃します」


『了解した。君のタイミングで行きたまえ。こちらで合わせる』


「お願いします」


 反町には地上、海上艦艇からの砲撃が飛んでいる。爆風と爆発音で反町の視界と聴覚はほとんど機能していないはずだ。

 僕はオーバードライブモードを発動させる。同時に反町の顔付近めがけてミサイルを一発発射した。

 可変翼が稼働し、セーブされていた機体の出力が大幅に跳ね上がり急加速する。ミサイルの着弾とともに機体は反町のすぐそばを通り抜けて急旋回を行う。

 僕の発射したミサイルの着弾は航空隊の攻撃合図であり、この段階から地上部隊と海上艦艇は攻撃を反町の足元へと集中する。フェイルノートの射線上で足止めをするためだ。

 

[君が来たのか間宮コウキ!しかし、君に高橋のようなことができるのかな?]


 反町は指を突き出して見えない攻撃を繰り出そうとしている。僕は下部ブースターで急上昇してそのまま反町の首筋を掠めるように一度離脱する。


「手を集中的に狙ってください。指から放たれる不可視の攻撃が厄介です」


『了解した。まかせたまえ』


 反町の攻撃範囲外でうかがっていたアレックス率いる部隊が掩護攻撃を開始する。僕が攻撃をしやすいようにこちらの動きを確認しながらの的確な攻撃と機動。本部が誇るトップエリートだけあって非常に練度が高い。

 僕は反町をかく乱しながら体内にミサイルを撃ち込む隙を窺う。高橋副隊長のように顔を真上に向けて急降下して口内にミサイルを撃ち込むことができれば何とかなる。

 僕は反町の背面から射出される棘を回避して、棘が再生する前にミサイルを二発発射して再生速度を低下させる。反町の攻撃手段は少しでも削っておかなければリスクが増える。

 反町の脇の下を通り抜けて正面に急旋回して首元に迫る。機首に設けられた20㎜機銃を撃ちつつ上昇し反町の意識を向けさせる。これで反町が上を向いてくれればと思ったが全く動じることなく口を大きく開いて嚙みつぶそうとしてきた。僕は、そのまま上昇して一時離脱する。

 反町は高橋副隊長の戦法は見切っているとでも言いたげな表情を浮かべている。この作戦が通用しないのなら、オーバードライブの高速と高機動を最大限利用して奴の一瞬の隙を作りだすしかない。僕はそれを確信した。

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