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我ら、巨大生物特別攻撃隊!  作者: ひぐらしゆうき
最終章 我ら、巨大生物特別攻撃隊!
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三十一話 科学の悪魔(5)

 あまりの威力に発射地点からアスファルトがえぐれており、直撃を受けた反町は大きく後方に吹き飛ばされ、矢は遥か遠くに消えていった。防御壁と盾で咄嗟に防御したようだが、あの破壊力を完全に防ぐことはできないはずだ。ダメージは確実に受けただろう。

 

[なかなか痛かったぞ。しかしまあ命はとれんな]


 盾も防御壁を貫きそのまま体に風穴が開いている。主要な臓器はすべて吹き飛んだというのに何という耐久力だ。


『間宮、今すぐ攻撃を仕掛けるんだ!』


 飯塚隊長の声で我に返った。耐久力に唖然としている場合ではない。ダメージが回復しないうに畳掛けなければだめだ。チャンスなんてそうはないのだから。

 すぐに急降下して風穴の空いた腹部めがけて攻撃を開始した。盾を構えつつライフルで反撃してくるが腹部のダメージのせいか先ほどよりも動きが鈍い。


「そうか、穴が開いたせいで上半身を動かしずらくなったのか」


 反町からの攻撃は高速で縦横無尽に動いていれば当たらないだろう。翻弄してできた隙に攻撃を叩き込めば確実にダメージを蓄積させることができる。今が勝負所なのは間違いない。


「隊長、オーバードライブモードを使用します」


『よし、許可する。間宮、オーバードライブが切れたらすぐに離脱しろ。離れた瞬間にBG砲を奴に浴びせる』


「小林隊員と山内隊員は大丈夫なんですか?」


『大丈夫だ。フェイルノート発射時にも安全圏に逃げている。いま第二作戦室の隊員に救助されたと報告があった』


「了解!ではオーバードライブ起動します!」


 若菜から渡されたUSBを使うのまだよしておこう。これは本当の最終手段だ。

 レバーを操作してオーバードライブモードへ移行するとさらに加速して一気に懐に潜り込むと傷に向かってスーパー3を投下した。血肉が吹き飛んで赤色の蒸気が上がる。反町の顔からは大粒の汗が流れ落ちている。

 傷口は徐々に回復しているがあまりに傷口が広いからなのか、まだ細胞が完全に順化していないのかわからないが、回復速度はここ最近現れた巨大生物より遅い。

 そしてもうひとつわかったことがある。巨大生物になって動体視力が向上しているとはいえ、オーバードライブ状態のこちらの動きを完全には捉えきれていない。これならばストライクマキシマムドライブを当てられそうだ。タイムリミットは1分ちょっと。それだけあれば当てられる。

 捉えられないよう大きく左に回り込む。小型の火器であれば追いついてくるかもしれないが盾にライフルという取り回しの良いとは言えない装備ではこちらの動きを完全に予測して撃たなければならない。エネルギー残量も気にしているだろうし当たらないのに撃つようなことはしないだろうとふんだ。

 死角に入り込むと地面すれすれを飛んで斜め下から狙いをつけてストライクマキシマムドライブを撃ち込んだ。体を貫いて喉元付近からビームが出るのが分かった。流石に苦しかったのか反町は膝をついた。


「オーバードライブモードタイムアップ!今から離脱します」


『よし、ではBG砲発射!』


 急上昇して離脱すると同時に反町に極大のビームが照射されあたり一面火の海となった。これほどの攻撃を受けて無事で済むわけがない。反町は沈黙したままだ。


[うむ、なかなかやる。しかし、まだ宣伝には足りんな]


 起き上がった反町はその手に巨大な注射器を持っていた。その中には黄色く濁った液体が入っている。


「何をするつもりなんだ」


[さあ、始めよう]


 反町が注射を腕にさして液を注入する。すると傷がみるみるなくなっていき、体はより筋肉質で爪が伸び、いびつな形に変化した。


『俺のいない間にずいぶんと変わったもんだな』


「副隊長」


『間宮、まだ戦えるな』


「はい。大丈夫です」


『仕留めるぞ』


[さあ、第二ラウンドだ]

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