三十話 最強対最凶(4)
狙い目がわかったとなればやるべきことは単純だ。一点集中攻撃で傷口回復前になんとしても急所に一撃叩き込む。
クリムゾンレイ出力最大、発射口の冷却機能も最大に変更した。
威力と射程を大幅に強化できるが、連射すれば冷却機能最大であろうと発射口が溶ける程の高熱となる。長期戦を想定して使う気はなかったのだが、これほどの難敵となれば後先のことなど考えてはいられない。
距離をとって何とかもう一度突起射出を誘発したいところだが、反町が0-1を操作しているのだろう。背後に回り込ませないようにしているようだ。
燃料のことも考えればそろそろ決めておかなくては補給に戻ることができなくなる。
こうなれば無理矢理突起射出をしなければならない状態まで追い詰めてしまおう。
一気に近づいて右爪の届くギリギリでフェイントを入れて爪を空振りさせる。攻撃の終わりには必ず先ができる。その一瞬に顔面に向けてクリムゾンレイを撃ち込み視界を完全に遮る。
その間に顔の横を抜けて急旋回、左爪を狙撃して吹き飛ばし、さらに急角度で旋回し流れるようにそのまま右爪も狙撃した。
これで0-1の武器でこちらに当たるのは背中の突起射出のみ。背後に回れば使ってくるはずだ。
右足の横をすり抜けて急上昇し背後をとる。反町はここで俺を落としたいはず。ならば0-1は予想通りの行動をする。
突起がこちらに飛んでくる!速度そのままに危険地帯へと突っ込んだ。
死地をこえて剥き出しの背を視認した。最大出力のクリムゾンレイを核のある背中に集中砲火!
砲身冷却が間に合わなず警告が鳴り響いているが気にせず連射する。
赤黒い煙の上がる中、少しだけ白いものが見えた。
(ここだ!)
残しておいたスーパー3を撃ち込んだ!しかしまだだ。先程頭を集中攻撃した時はスーパー3でも威力が不足していた。すかさずクリムゾンレイを撃ち込んだ。
『やってくれる……』
怒涛の攻撃は核を捉えてとうとう0-1が力なく崩れ去った。
『流石は高橋和正。0-1を倒すか』
「どうせ貴様のことだ。俺が倒すのは想定済みなのだろう?」
『当然だ。……しかし、前座に力を使いすぎたな。余裕がなさそうだぞ?』
悔しいが奴の言う通りだ。完全にこちらの想定を超えていた。何とか補給をしなければ持久戦に持ち込まれれば負けてしまう。
『ガーガガガ……ガガ、高橋、高橋聞こえるか?』
「この声は、飯塚隊長ですか?」
『ガガガ、いまそちらに……ガガガーガ、ビッグガガ……すぐ側まで来た!』
すぐ側、そう聞こえた。
あたりを見渡すとビッグスターが見えた。熊型と戦っている隊員が隊長に伝えてくれたらしい。これならば何とかなりそうだ。
『ふむ、成程。まあいいだろう。ハンデには充分かな?』
「なに?」
『では見せようか?巨大生物と化した人の力というものを』
『メインイベントだ!見ていたまえ世界よ!』
ビルの立ち並ぶコンクリートジャングルに叫びが響き渡り、ついに巨大化した反町が姿を現した。
その姿は醜悪な悪魔であった。




