表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/19

獣耳っ娘は異世界では必須だろ?

投稿遅れて申し訳ないです。

 -龍の森-


 昨日の夜の内に、龍の森で熊狩りしてレベル上げをすることにした統哉とあかねは、朝早くから龍の森へ向かって歩いていた。


 「はい! 到着!」


 「そんじゃまぁ、俺の探索スキルで探しますかぁ」


 「うん、お願いするよ、統哉君」


 あかねは、平静を装っているが、実際は、初めての共同作業だと舞い上がっている。集中力が足りない状態である。いくら熊と勇者でも余所見してたら怪我しますよ。


 「おっ、いたいた、ここから真っ直ぐ進むと熊三匹かたまってるとこがあるぞ」


 「レベル上げちゃうよー!」


 「テンション高いな、あかね」


 「え? あ、そうかな?」


 「ああ、やっぱりレベルが上がるのは嬉しいよな! もっと強い奴と戦えるしな!」


 「うん! うん?... そ、そうだよね!」


 好きな人の性格に合わせようと努力するあかねの姿は、まさに恋する乙女なのだが、統哉は気付くことさえ

しないのだった。頑張れあかね! 統哉に振り向いてもらう為に!


 と、そうこうしてる間に熊の密集地に到着したのだが... 人がいますね、ええ、犬耳と犬尻尾があるお姉さんがいますね。しかも熊と仲良さそうに会話? していた。あかねが話しかけるか迷っていると統哉が声をかけた。


 「そこの獣耳の人! その熊、狩るからどいてくんないかな?」


 「え? 私!? って人間の方がいる! 気付かなかった! ああ! ごめんなさい! この森の熊さん達は私の友達だから、出来れば熊さん以外の生き物を···」


 「え? そうだったのか? 悪い! 俺、前に結構な数狩ってるんだけど、許してくれ!」


 「え!? もしかして、あの大量殺熊は君の仕業!?」


 「多分、な、本当に悪かった!!」


 「この熊さんの両親も殺されてるんだよ!」


 そう言って、生後一年の人間の赤ちゃんくらいの大きさの熊を見せてきた。


 「俺、動物の家族とか考えて無かった、これからはよく考える。それに、その熊の親を殺したのが俺だとしたら、その子を育てる責任は俺にある、だから、その子を引き取らせて欲しい」


 「え? それは、君の事、まだ信用出来ないし...」


 「なら、一緒にくるか?」


 「え?」


 「嫌なら無理にとは言わないが」


 「行く! あなたの事、見定めるまで一緒にいる」


 「わかった、それじゃ、改めてレベル上げるか、そう言えば名前は?」


 「あ、言わなかったね、私の名前はパトリシア、よろしくね」


 「ああ、よろしく」


 「はっ! えぇ! いいの!? 統哉君! よく考えないで知らない人と行動しても」


 話の目まぐるしい進み方に意識が飛んでいたあかねは、やっと復帰して、叫んだ。


 「いいんだよ、こいつは悪い奴じゃない」


 「? 根拠は?」


 「勘だ、仲間にした方が良さそうだったし」


 「って...はぁ、わかったよ、統哉君がそう言うなら」


 「悪いなあかね」


 「話は終わった?」


 「ああ、じゃあ、行くか」


 「うん」


 「っと、そう言えば何は狩っていいの?」


 「ああ、それはね、ドラゴンだよ」


 「ドラゴンねぇ、ってドラゴンかよ!!」


 「え? ドラゴンってあのドラゴン?」


 「どのドラゴンか知らないけど、ここのドラゴンって言ったら、龍の森の主、«緑龍王グリンガレム»しかいないだろ」


 その時、あかねは王という言葉を聞いて、戦慄した、王と言うからにはとんでもなく強いんだろうと。そしてその考えは正しかった。


 「あ、レベルで言うと七百くらいあるから気をつけてね、私は離れて見てるから」


 「お前、レベルは?」


 「え? 六十八だけど?」


 「じゃあ、参加決定ね。あかねと一緒にレベル上げだな。」


 「え? ちょっ、待ってよ! 近づく事も出来ないような奴と本気でやり合う気!?」


 「だって俺、レベル七百越えてるし」


 「え...」


 こうしたやり取りを何度か繰り返したあと、渋々納得したパトリシアであった。

お読み下さってありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ