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思いは違えど目的は同じ?

 統哉が自分のユニークスキルのヤバさを知った頃、統哉を追い出した国、フェリスファリア王国に未曾有の危機が迫っていた。


 -フェリスファリア王室-


 「何ぃ!!  魔物の大群がこの国に向かって来ているだと!!」


 この国の王、ブライアン・フォード・フェリスファリア (名前長い) は、声がとにかく大きい。無駄に。日常会話が近所迷惑になるほどに。まぁ、実際は近部屋迷惑になるが。ともあれ、魔物の大群がこの国に向かって来ているのだ。


 「よりによって勇者達が遠征に出掛けた次の日に来るとは、なんと間が悪い」


 そう、あの、統哉を見捨てた三人は、なんと、未だに、寄生虫のように、この国に保護されつつレベル上げに勤しんでいた。言うまでもないが、統哉のレベルには遠く及ばないクズである。しかし、並みの兵士の比ではない強さを誇る、この魔物の大群にも国の半分を犠牲にすれば勝てたであろう実力である。


 だが、現実には勇者なんていなかった


 一夜にしてフェリスファリア王国は、魔物の大群によって滅ぼされ、城跡には無惨にも殺された兵士や王、王女の姿があった。その死体も、数日の内に肉食動物に食べられ、勇者達が帰った頃には骨さえ残っていなかった。


 勇者達は、城跡に自分達の物が残っていないか探していた。


 「俺が遠征に行きたいなんて言わなければ、こんな事には······」


 「そ、そんな事、無いと、思う、よ、私、は」


 自分の軽はずみな言動を悔やむ三波を、コミュ障風音が慰めている。皆、統哉のことは忘れていた、この日までは。


 「ぐあっ...」


 急に苦しみ出し倒れる三波


 「え、? どうしたの三波くぅっ...」


 「へ? あうっ...」


 風音、あかねも急に倒れる。


 三人が目覚めたのは2日後の昼だった。


 倒れたままの体勢から起き上がると、様子を見ていた鳥達が飛び立つ。


 「うっ、何だったんだ、あれは、何かを忘れていた様な...はっ、統哉、統哉はどこだよ! おい!統哉、いないのか!? おい...マジかよ」


 城の様子に気付いた三波達勇者は、記憶の整理をすることにした。


 三人の共通認識はこうだ


・教室からとばされて、その後、統哉は勇者の称号がなかった為、城から追い出された事。


・統哉が追い出された後から、記憶が曖昧である事。


 この二つである。風音は、催眠的な物では? と推測していたが、当たらずも遠からず。実際は、記憶を封印されていたのだ、他でもない王女の手によって。封印が解けた原因は、王女が死んだ為と統哉に関連する事を考えた為だと考えられる。ちなみに統哉に関連する事とは、「城から出た」である。かなり関係が薄いが、そうなのだ。


 勇者達は統哉の安否確認及び捜索をする決意を固めた。


 -龍の森-


 その頃統哉は、勇者が自分を捜そうとしているなどと思いもせずにフェリスファリア王国に向かおうとしていた。 (もう王国跡だが) なぜなら、平均的な強さがどのくらいで、自分がどのくらいの強さなのかが知りたかったからで、あわよくば勇者達の情報を手に入れて、仕返しでもしてやろうと思ったからである。


 荷物は、木の実や干し熊肉 (臭い) 等の食べ物とそれを入れる袋、それと熊の皮等のモンスターから取れた素材を自作のカバンに入れた物だけ。結構な重さになっているが、統哉のレベルなら小石と同じくらいにしか感じない為、長旅の邪魔にならない程度の荷物と言える。


 統哉はフェリスファリア王国跡へ旅を、勇者は捜索を始めた。


 この時は、四人共知らなかった、裏である陰謀が蠢いていた事に......

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