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ダンジョンメイキング~吸血鬼と作るダンジョン王国〜  作者: 数独好き
第一章 ダンジョンマスターと吸血鬼
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第三話 難しすぎる目標


「取りあえずダンジョンを隠さないとな」

「出来るのならそうするべきね。今見つかると私たちは碌に抵抗するも出来ずに捕まるわよ。それにしてもDPと言ったわよね。いきなりそれを使い果たしてこれからどうするべきだったのよ?」

「咄嗟に行動してしまったんだから仕方が無いだろ」 


 ノワールの話を簡単に纏めると匿って欲しいと言う事と、他の捕まっている仲間を救出したいのだと言う。報酬として掲示されたのはノワールに支払える物なら何でも……事実上の全てを捧げると提案して来たのだ。

 そしてその提案を俺は断った。と言うのも前者は兎も角後者の望みを叶えるのは現実的に考えて俺には不可能だと考えたからだ。仲間を救出するとなると相手はノワールの国に攻めて来た軍隊である事が予想が着く。そして今の俺は全てのDPを失ってしまっていているのだ。どうする事も出来はしない。

 その事をノワールに告げたら素直に引き下がってくれた。だがその時の反応は予想通りみたいな感じだったのでどうも俺は上手く情報を引き出されたらしい。

 十中八九出来ないと予想し、その上で自らを報酬に乗せる事によって、出会ったばかりにも関わらず自分から情報を口に出してしまった。現状ではほとんど何も出来ないにも関わらずだ。

 後になってもし可能ならどうする気だったんだと聞いた時には「それならいい意味で予想外だった」と告げられた時には完全に役者の違いを感じさせられた。本気で自分の身一つで捕まってるみんなが助かるならと考えていたみたいなのだ。

 最終的には協力者と言う形で落ち着いたのだった。俺からは隠れ住む場所とノワールの仲間の救出をノワールはこの世界の情報をそれぞれ提供するといった感じだ。

 これから貯まるDPの事を考えると俺の方が不利に感じるかも知れないが、悲しい事に現状では俺はノワールに武力行使に出られたら敗北する事が判明した。と言うのもノワールはそれなりに強い魔法の使い手らしい、魔法が使えずそもそも戦った経験すら皆無である俺ではこの状況でノワールが武力行使に出た瞬間に制圧される。それをしない事も含んでのあの内容となっている。初手で完全に交渉の流れを持ってかれた。そもそも俺が交渉だと認識する前に負けが決定していたのだ。


 まあそんな過程を挟みつつも現状の俺とノワールの仲はそう悪く無い。上手くしてやられはしたが、少し考えればそう悪い話でも無いからだ。俺もせめての抵抗として条件に十分に成功の見込みがある場合に限る、と言った内容を含めたので時間的に考えて間に合う可能性は低い、ほとんど無いも同然の約束となっている。

 そしてノワール一人を匿うくらいは大したものでは無い。食事関連もDPがあればどうにかなる事は聞き出してあるので、話し相手が出来るとプラスに考える事も出来るくらいだ。

 一方ノワールの方も、先の見えない隠遁生活の希望である俺に対してきつく当たる理由が無い。それに約束したとは言え拘束力のあるものでは無いと考えているのか、友好な関係を築こうをしているようなのだ。

 お互い友好的な関係を望んでいるならば、よっぽど性格が合わない事でも無い限り上手く行かないと言う事は無い。そしてお互いの性格が割と合う事もこの数時間で理解出来たのだった。


「取りあえずどうにかしてDPを稼がないといけないな……ダンジョンコア、残りDPはどれくらいある」


『ただいまのDPは30ptです』


「あるみたいね」

「……そのDPの収入源は?」


『吸血鬼一体の捕獲、一日で30ptです』


「……私、別に捕獲されてる訳じゃないんだけど」

「俺も捕獲してる気は無いよ。取りあえずこれを使ってダンジョンを隠そう。ダンジョン自体は地上と別空間にあるみたいだから、扉を上手くカモフラージュすればいいな……よし」


 少し考えてダンジョンの入り口の扉を木製の……それこそ木と見間違うような見た目に変えることにした。木を隠すなら森の中とも言うしこれで一目でダンジョンの出入り口だとは分からないだろう。



「これでいいな。いままで時間が無かったから確認できなかったけど、今の内に出来る事を確認しておこう」

「私も興味あるわ。ダンジョンマスターと知り合う機会なんて滅多に無いだろうし、ダンジョンの仕組み自体も今まで謎だったもの」


 という訳でダンジョンコアに触れて簡単に今出来る事を教えて貰う。ノワールに全ての情報を教えてしまう事になるが、もうそれは仕方が無い事だろう。隠しても身近で暮らすことになるのだ。先ほどの交渉能力を見る限り隠しきれるとは思えない。寧ろ隠し事をするたびに暴かれる方が身が持たない。


取りあえずモンスターからだ。


 スライム……1pt


 ゴブリン……3pt


 オーク……10pt


 リザードマン……30pt


 オーガ……50pt


 newバット……5pt


 バットは吸血鬼であるノワールを捕獲したから追加されたみたいだ。ノワールに聞いてみると《眷属召喚》というスキルを持っていてバットを自由に召喚出来るみたいだから間違いないだろう。というか他に心当たりがない。

 説明文を呼んで短い期間だが俺の性格を何となく理解したであろうノワールが俺の事を可哀想な目で見て来たがスル―した。誰が好き好んでこんなモンスターを召喚したがるか!


 さて、次がモンスター以外だ。取りあえず日用品などは除いた戦闘関連の物だけピックアップして調べよう。


 ダンジョン拡張(空白地帯)……1000pt


 魔導書類……300pt~


 聖剣……5000pt~


 武器(能力付き)……1000pt~


 武器(能力無し)……100pt前後


 スキル付与ランダム……1000pt


 防具類(能力付き)……1000pt~


 防具類(能力無し)……100pt前後


 マジックアイテム(ランダム)……1000pt


 モンスターに比べて圧倒的に消費するDPが多い。だがこれは仕方が無いのかも知れない。道具類はモンスターと違って維持費が必要ない。例えばオーガ。あれは一日辺りDP換算で30pt分の食料を食べる。一定数揃えようとすると維持費だけでそれなりの大変なモンスターなのだ。

 例外で言うならスライムなのだが……あれは戦力としては全く役に立たないとノワールは言っていた。意志のような物も存在しない例えるなら巨大な微生物みたいなものらしい。


 単純にDPの効率だけで言うのならゴブリンなんかを大量に召喚して近隣の村などを襲わせ食料にする。そして数を増やしてからそのゴブリンをなどを餌にしてオーガを維持するとかだろうか……まあよっぽど切羽詰まらない限りそんな真似をするつもりは無いが。


 ノワールもダンジョンコアの話に興味深そうな顔で聞いている。まあノワールも言ってたがダンジョンマスターについて詳しくしる機会なんて普通は無いだろうしな。俺も普通なら警戒して他人を近寄らせたりはしない。攻めて来たなら迎撃し、そうで無かったとしても当たり障りの無い内容しか教えはしないだだろう。


 色々ダンジョンコアに質問しある程度満足してからノワールとこれからの事を話し会いを始めた。


「さて、これからの事について話し合おうか。当面の目標はノワールの仲間の救出となるが、そのためのDP集めに人を襲うつもりは無い」


 まずはお互いの考え方からだ。基本自分が大事な俺だがそれでも自分の為になら何でもしてもいいとか言えるほどには開き直る事は出来ない。


「了解したわ。でもゼロがダンジョンマスターである以上攻めて来る人は出て来るわよね。そう言った相手にも手心を加えるの?」

「……そっちにはそれなりの対処をするつもりだ。俺も死にたくは無いから殺しに来る以上は死ぬ覚悟も出来てると考えさせてもらう」


 無暗に人を殺したくは無いが、俺を殺しに来る相手にまでは慈悲を掛ける気は無い。殺しに来る相手を殺さずに済むよう手加減する……その際手加減をし過ぎて殺されるような状況になったら目も当てられない。


「そうするとどうやってDPを稼ぐかが問題になるわね……」

「そうだな、一日30ptだとどう考えても間に合わないからな……」


 仲間は増えたが色々前途多難みたいだな……










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