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ダンジョンメイキング~吸血鬼と作るダンジョン王国〜  作者: 数独好き
第一章 ダンジョンマスターと吸血鬼
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第一話 こうして物語は始まった。

 気が付いたら俺は真っ白な部屋で倒れていた。


 白く四角い部屋。特に光源になりそうなものは無いのに明るく無機質な部屋だ。


 混乱する頭を押さえて立ち上がり、どうしてこのような状況に陥っているのかを把握しようとするが分からない。

 そもそも自分の名前すら思い出せない。端的に言うと記憶喪失なのだろう。そんな状況で現状の把握など出来ようもない。


 出身地は日本、自分の知識から判断するとそれは確実だろう。だが、自分がどういった人物で、どういった生活をしていたのかがさっぱり分からない。

 だが、分かる事もある。このような空間は普通では無いのだと。


「何だこれ?」


 取りあえず周囲を見渡すと部屋の中心に透明なバレーボールほどの大きさの球を見つける。言うならば水晶と言うのが一番近い物だろう。サイズが知識の物より大きいがまあ妥協の範囲内だ。


 好奇心に負けて、取りあえず触ってみる。すると水晶?は輝き機械的なアナウンスが流れた。


『ダンジョンマスター認証……成功。ダンジョンマスターの名前を登録してください』

「ダンジョンマスター?」


 意味がわからなかったが、取りあえずダンジョンマスターとやらになったみたいなので名前を登録しなければいけないらしい。少し悩んでから名前はゼロで登録した。

 特に拘りがあった訳では無い。ただ真っ先に思いついたのがそれだっただけだ。

 記憶無し、一文無しのゼロ、一文無しは財布を持っていないことにさっき気が付いたのだ、まあ多分あっても役には立たないだろうが。

 名前なしでナナシとも考えたが、特に拘りが無かったので先に思いついた方にした。まあどっちも日本人っぽくは無いと思ったが。

 登録の方法は分からなかったが、取りあえず手を置いてゼロと呟いたら登録できた。


『ダンジョンマスター名は『ゼロ』でよろしいですか?』


 合ってたらしい。手元にYES or NOと出て来たのでYESの方に触れる。


『ダンジョンマスター名『ゼロ』登録完了しました。これよりダンジョンの説明を始めます』


 どうやら説明もしてくれるらしい。さっきから分からない事だらけなのでありがたい。



 ………………聞いた情報を纏めると。


 ダンジョンとは際限なくモンスターを生み出す場所で世界中に点在しているらしい。DP……ダンジョンポイントと呼ばれるポイントを消費してモンスターを生み出し支配地を増やし、人類を滅ぼすのが最終的な目的だとか。

 この水晶はダンジョンコアといい。簡単に言うとダンジョンの心臓部にあたる。これが壊されるとダンジョンが崩壊しダンジョンマスターも死ぬのだと言う。また、ダンジョンマスターが死んでもダンジョンが崩壊する。ダンジョンマスターとダンジョンコアはダンジョンに無くてはならない要素らしい。


 取りあえず自分がやばい立場にいるのだと言う事は分かった。後、ここが日本とは世界とは違う世界ということも理解できた。

 モンスターを生み出すダンジョンの主……どう考えても命を狙われるだろう。人類を滅ぼすのが目的と言う時点で釈明の余地なしだ。

 そしてダンジョンマスターは死ぬしかやめる事が出来ない。そもそもダンジョンマスターと言うのは種族名らしく俺は既にそのダンジョンマスターらしい。俺の認識では人間の筈なのだが記憶が無い時に何が起きたのだろうか?


 まあ、そのことについて今考えても仕方が無いか。現状俺が情報を得る手段はダンジョンコアについて問いかけるしかない。それが答えてくれない事については知る事が出来ないのだから。


 それよりも考えるべきはこれからの事だ。俺がどうしたいのか? その為に何が必要か? これからの行動の根底となる部分を決めなければならない。

 ここまで知った情報で俺が思った事は死にたくない。だ、訳が分からない状況で命が脅かされる可能性が高い事を知った。それに対し俺は死にたくないと感じている。ならばこれからどうやって生き残るべきかを考えていくべきだろう。


 次は方針だ。俺が死なない為にどのように行動するべきか、その方針を決めなければならない。積極的に攻めるべきか、それとも防御を固めるべきか、この辺は情報不足なので取りあえず保留する。しばらくは防御寄りで情報収集といった所だろうか?

 ダンジョンの目的である人類を滅ぼすというのは無視する。わざわざ他の命を狙われる理由を増やす必要は無いしやりたいとも思えない。誰が決めたかもわからない目的に付き合う道理は無い。


 そこまで考えて最初にするべきは身を守るための戦力だな。ダンジョンマスターはモンスターを召喚し使役する種族らしいのでその確認だな。

 ダンジョンコアに触れて。今召喚出来るモンスターの一覧を見せて貰う。


 スライム……1pt


 ゴブリン……3pt


 オーク……10pt


 リザードマン……30pt


 オーガ……50pt


 初期ポイント100pt



 ダンジョンコアに聞いた所によると俺が人型なので最初召喚出来るモンスターはほとんど人型のモンスターらしい。例外はスライムであるがスライムはダンジョンに必須のモンスターらしいので誰でも最初から召喚出来るのだとか。召喚出来るモンスターの種類を増やす手段は基本的に召喚したモンスターに殺させるかダンジョン内で殺すかすればいいらしい。例外はあるしいが。


 取りあえず名前だけではどういった生体なのか分からないのでダンジョンコアに頼んでそれぞれの情報を聞いた。知識だとゲームという娯楽媒体でしか存在しないらしいので宛には出来ない。


 まとめると


 スライム……十センチほどの粘性が強い不定形のモンスターで主にモンスターの死骸やカビ、コケ、ゴミなどを主食とするダンジョンの環境を整えるのに必須のモンスター。


 ゴブリン……一メートルほどの小さな緑色のモンスターで繁殖力は高いが反面戦闘力は低い。ある程度生み出せば勝手に増えてくれる初心者向けのモンスター。他種族。特に人類のメスが好き。


 オーク……百五十センチほどの人型の豚みたいなモンスター。繁殖力は普通で戦闘力もそれなりにある。他種族。特に人類のメスが好き。


 リザードマン……百七十センチほどの人型のトカゲのようなモンスター。繁殖力は低めで戦闘力はそれなりに高い。水辺を好む。魚類と人類の肉が好き。


 オーガ……二メートルを超えた鬼のようなモンスター。繁殖力は低く戦闘力は高い。人類の肉が好き。



 ……流石人類の敵。こんなのしか召喚出来ないのだったら否応なく人類から敵呼ばわりされるだろうな。だが何もしないと向うから殺しに来る可能性が高く、だが戦うとしたらこんなのしか召喚出来ない。

 ダンジョンコアに命令権があるかと聞けば、あるが召喚したモンスターにのみ、その子孫に対しては命令権は無い、また、知能が低く命令を正確に理解できるかは分からないという。


 ……これでうまく人類と敵対せずに生き残るのは中々難易度が高いな。これは敵対する場合も考えなければいけないかもしれない。

 それに初期ポイントも少なすぎる。100ptだと最低限の環境と数体のモンスターを召喚したらすぐに無くなってしまう。

 だが、現状は安全なのだ。今の内に出来るだけ多くの手段や方法を考えるべき……


『これにて説明を終了させて頂きます。一時間に転移しますのでそれまでにスタート位置を決めてください。一時間後に決まっていなかった場合。ランダムでスタートさせて頂きます』


 そう考えた瞬間にダンジョンコアから無慈悲な宣言が告げられる。どうも時間制限が存在したらしい。


 やばい、時間が無い。未だ情報も足りず、能力の把握も終わっていない。こんな状況で危険な場所に飛ばされたら命は無いだろう。

 急いでダンジョンコアに命令してスタート可能な場所の情報を出させる。時間が無いので出来るだけ多くの場所を同時にだ。


 ここは……だめだな、町が近い。それに周囲の環境も俺が召喚出来るモンスターにとって都合がいいとは言いないな。

 ならここは……無理だ。周りのモンスターが強すぎる。ゴブリンはおろかオーガを召喚しても勝てるが怪しいモンスターでいっぱいだ。

 ここは……悪くは無い。悪くは無いがもう少し町との距離が欲しい。……保留だな。ほかにいい場所が無かったらここにしよう。


 時間はまだ半分くらいは残ってる。時間をギリギリまで使って出来るだけ条件のいい場所を……っやばい!


 空中に大量の浮かんでる映像の一つで今まさに一人の少女がモンスターに襲われてる映像が見つけてしまった。そしてそれを見た瞬間思わず叫ぶように言葉を発していた。


「あそこだ。あの映像の位置でスタートしてくれ!!」


『了解しました』


 ダンジョンコアの機械的な声を聴くと同時に。世界が揺れたような感覚がした。



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