交換日記
「ねぇねぇしんちゃん!交換日記しよ!」
「あん?そんなもん嫌だよ。ていうか、さえ。いい加減絡んでくんなよ。もう小さいときとは違うんだ。」
「なんで意地悪な態度なのしんちゃんは!
また昔みたいにしんちゃんと仲良くしたいの!だからお願い!私今日ノート買いにいくから!駅前の広場で待ち合わせね!」
そう言い、幼馴染のさえは帰ってしまった。
「俺は行かねーからなー」
俺はそう言った。さえとは幼馴染で昔からいつも一緒だった。一緒にいることが当たり前だった。でも小学生になると、周りにからかわれたりした。
さえが嫌いなわけじゃないけど、ほんとは好きだけどからかわれるのは嫌だ。だから、俺はさえに冷たくして男友達と遊びまくった。俺はずるい。さえは俺にどんなに冷たくされても俺を追いかけてくれると知ってたから。だからこの日もいつも通り冷たくした。
家で宿題もやらず漫画を読んでたらかーちゃんに呼ばれた。かーちゃんから聞かされたのはさえが事故にあったということだった。
よく覚えてないけど、かーちゃんの話を最後まで聞かずに夢中で駆け出した。冬なのにびっしゃり汗をかいた。
もう遅かった。さえの顔に白い布がかけられていた。
横にクローバーの刺繍が施された表紙のノートが置いてあった。タイトルには交換日記と書かれていた。
涙が溢れた。
「さえ。目開けろよ。なぁお願いだから。
お前俺が好きなんだろ。だったら先に死ぬなんて、お別れも言わないなんてそんなことするなよ
俺はそんなことされたら嬉しくないぞ。おい笑ってくれよ。なぁ。」
どんだけ呼びかけても駄目だった。
俺は後悔した。少し落ち着いてからあのノートを開いた。
そして、1ページ目にさえ、今日からよろしく、そう書き記した