2.魔物に襲われました。
2話目を投稿できて良かったっヽ(;▽;)ノ
3/25アリスの役職を副団長にしました。
俺、篠崎雪也は異世界に来て早々とピンチに陥っていた。
「グルルルゥゥ・・・・」
魔物が涎を垂らしながら俺を見ている。まるで、久々に食料を見つけて歓喜しているように見える。
狼のような体格を持っていて、体毛が灰色でところどころ黒ずんでいる。返り血にも見えなくもない。俺の他にここに来た人がコイツの餌食になってしまったのだろうか…。
「と、とりあえずどうにかしないとな…。幸い一匹だけみたいだし…」
自慢ではないが俺の家は道場だったので、武術について少し心得がある。とはいえ、そこまで真面目に通っていたわけではなく暇なときや体を動かしたいと思ったときだけだったので、自分の身を守れるくらいである。
「さて、やるか…」
覚悟を決め臨戦態勢を取る俺と、
「グルルル…」
相変わらず獲物としか見てないようなギラついた目で見ている狼型魔物。
「グルアァ!!」
先に動いたのは狼型魔物。見た目以上の早さで獲物である俺へと接近してくる。それに少し驚きつつ雪也はギリギリまで引き寄せ、喉元へと飛びかかってきたところを、体を半身にして避けながら、魔物の横っ腹に掌打を打ち込む。
「ギャワウッッ!!」
只の獲物だと思って飛びつくが、手痛く迎えられ地面を転がる。しかしそこは動物の運動能力を発揮し、すぐに立て直す。
「グルルルル…」
しかし、先程の一撃で学習したのかすぐに飛びかかってくる様子はない。雪也を観察するかのように距離を保ったままこちらを見ている。
「さて、俺の力に恐怖してこのままどっかに行く…なんてことになったら儲けもんなんだけどな。そう簡単には行かないみたいだな。」
雪也が魔物の次の攻撃を警戒していると魔物がふと足を止め、こちらを正面から睨みつける。こちらも負けじと睨み返していると、魔物が姿勢を低くした。雪也が身構えた瞬間、魔物の足元に不可解な模様が浮かび上がる。
(なんか知らないがヤバイ気がする!!)
本能が危険を感じ取ったのか、雪也が防御姿勢をとろうとしたが魔物の方が早かった。
「ウオオオオオオォォオオオオオン!!!!!!」
それは遠吠えによく似て、しかし全く違う物であった。それは雪也自身が身を持って知ることになる。
「ツッ!!??!」
雪也は自分の体に何が起こっているのか分からなかった。魔物が吠えた瞬間、何かが自身の体の中に入り込み、その肉体を束縛されてしまった。
(体が動かない、声も出ない。どうなってる?いや、確か魔物が吠えた時、足元に変な模様が浮かび上がってた。多分あれは…相手の動きを止める魔法だろう。)
危機的状況にもかかわらず、雪也は初めて見る魔法に少しばかり興奮していた。目は少年のようにキラキラしており、魔物の魔法で体が不自由でなければ、感動で震えていただろう。しかし、その感動も魔物が近づいて来たことによって、恐怖に変わる。
(はっ!そうだ、今はそんなこと考えてる暇じゃない!このままじゃ食われる!どうにかしないと!って言ってもどうすれば…このまま食われれて死ぬなんてゴメンだ!だれか!誰でもいいから、助けてくれぇ!)
声が出ないので、助けも呼ぶことができない。このまま、誰にも看取られないまま人生を終えるのかと、悲嘆に暮れていた。しかし…
「炎よ、敵を滅せ!"炎球"!」
ゴオオオオ!!!
そんな透き通るような綺麗な声とともにひとつの火の玉が魔物へと襲いかかる。魔物は声を上げる暇もなく、その体を一片も残さず消え去った。
(え?な、何が起こって…?)
雪也はその光景を呆然としながら見守っていた。
(あ、体が動くようになってる。)
どうやら魔法の効果は魔物が死んだ時に切れていたようだ。しかし、目の前で起こったことに頭がついてこれず口が空いたまま一言も発せずにいた。
「貴方、怪我はないですか?」
先程と同じ、聴き心地のいい声のする上へと、顔を上げると…
そこには白銀の鎧と両端に羽のついた兜で全身を武装する騎士と、彼女(声的に女性と判断)がまたがり、左右に大きく立派な翼を携えている竜がいた。
「私は、アルタール王国第一王女の直属の護衛にして、王国騎士団副団長のアリス・シンフォードです。貴方の名前と、ここで何をしていたか詳しく教えていただけますか?」
それが雪也がこの世界に来て初めての人との出会いだった。
こんにちわ、武ロンです!2話目を投稿できてほんと良かったです。読んでくださった方はレビューとか、感想とか書いてくれたら嬉しいな〜とか思ってますし、モチベも上がるので宜しくお願いします!
気がつけばもう3月…卒業と入学の月、別れと出会いの季節ですね!まぁ僕は出会いがないので別れもありませんがっ!(涙目)
まだまだ続きますので応援宜しくお願いします。
また次の話で会いましょう!それでわ!