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渡る世間のその刃

作者: ニコ

二時間ぐらいで書いて自分の限界に挑むシリーズ第……何弾か知らないけど何弾か!

今回はちょっとだけ真面目に書こうとしました!

 少女は思案する。

 今たいらげた目の前の椀の中身、卵どんぶりが財布の中身を半分にした――つまり、それは少女の所持金に対して分不相応とも言える贅沢品、しかし全てを投げ捨てるつもりならばもう一杯食える。うん、そうだ。全てを捨てるつもりならば。そう考えてしまうほどに、それは魅力的だった。

 少女は空腹だった。この食堂で一番安いメニューである卵どんぶりがそりゃもうとっても美味しく感じるぐらいに。


「……」


 旅装にしては重装備、戦闘を生業とする者としては軽装――それが少女の出で立ちだった。厚手の革鎧でその控えめな胸だけを覆い、そこだけが異質。どのような土地でも進むためのジーンズにブーツという装備は旅人としては一般的。髪を邪魔にならないよう飾り紐でくくっているのも、まぁ一人旅にしてはお洒落が過ぎる気がするがそんなものだろう。この地方では珍しい灰にくすんだ髪が右側頭部に垂らされ、揺れている。

 そしてその脇には一本の剣。少女が背負うには些か巨大、その背とほぼ同じ長さのものだ。緋の布に包まれた刀身は見えず、柄の端が見えるのみ。それを縄でくくり、少女は持ち歩いている。


「……~~!」


 渋面を作り、迷い、迷い、迷い――その果てに、少女は決断した。


「おっちゃん、卵どんもいっちょぉ!」


「あいよぉ!」


 物騒な風体とは真逆な甲高い少女の声――財布の金全てを放出した少女の顔は晴れやかだった。




 少女の食いっぷりはすさまじかった。大の大人が満足してしまうどんぶり二つをペースを落とさずに食いつくし、げぷぅと腹をさする。少女にしてははしたない動きだが――店主はちらと剣を見る――あまりまともな教育は受けられていないのかもしれない。

 ともあれ、ここまで一心不乱に食べてもらえれば食堂冥利に尽きるというものだ。店主は、この辺りではまだ貴重な水をサービスとして出す――少女は飛びついた。


「元気いいねぇ、お嬢さん」


「ん、んぐっ、あいあい、元気いいよー!」


 一息に水を飲みほし、少女は手を上げる。それから、少しむっと顔をしかめた。


「でもお嬢さんってのはいただけねーや。俺はサカズキって言うんだ」


 サカズキ、と少女は名乗る。耳慣れない響き、それだけ異国の者だと分かる。

 しかしまぁ。それも当然か――と、店主は目を逸らした。この領の悪名は広まってしまっているだろう。わざわざ近場の者で立ち寄ろうと思う者はいない。この少女はよっぽど噂に疎い旅をしてきたのだろう。

 ある種同情の視線を向けると――少女は逆に、店主の顔をじっと下から覗いてきた。観察する、冷たい目。思わず仰け反る。


「なぁ、おっちゃん。ここが最近悪徳領主様が絞りに絞っている土地でいいのかい?」


 まさに、言い当てられる。

 反射的にこくりと頷く店主に、サカズキは笑んだ。少女らしい、好奇心の笑み。


「で、その領主は善政を敷いていたはずなのに急に人が変わった――OK?」


 頷く、店主。


「さらに言えば、最近女も徴収されている――OK?」


 そこまで知っているのか、と目を剥く。

 店主の心臓が跳ねた。少女の天真爛漫とも不敵とも取れる態度に心拍数が上がっていく。少女に言っていいものかと悩み――結局店主は口を開いた。自分より大きな存在だと、少女をそう感じてしまった。自分より強い者に屈する本能的な反応だ。


「あ、あぁ、そうだ。私の娘も――連れて行かれた」


 営業中故、明るく振舞ってはいたものの。店主の心は暗い感情に満ちていた。

 まだ10歳になったばかりの娘だ。そんな娘を館に連れ込んでどうするのか――店主は身震いする。少女に襲い掛かるだろう横暴を想像し、吐き気すら込み上げる。それを抑えて積極していた彼は、まごう事なきプロだった。

 いずれ娘が帰ってきた時に生活できる環境でなくてはならない。そんな一心で店を続けていたのだ。


「おっけ、情報あんがと。それじゃ俺、行くわ」


 ず、と。巨大剣を縄で引きずりながら、サカズキは立ち上がる。自信に満ちた、その姿。

 身体全身で不敵を表現するかのような彼女を、店主はぼうと見送りそうになり――慌てて引き止める。


「ま、待て! 君、もしかして領主に――」


 にっと、サカズキは笑う。


「なぁに、俺は魔剣使いだよ。心配ねって」


 笑顔のサカズキを、店主はただ見送るしかなかった。あの自信、そして感じた威圧感に、もしかしたらと胸を熱くさせながら。




 魔物という奴がいる。人とは違う物理の理屈にて動く、まさに魔の法にて存在する動物。

 魔法という物がある。この世に存在する理とは違う理を引き出し、世界を限定的に変革する法。

 「魔」とは、こことは違う法則の何かという意味だ。少なくとも、この世界では。


「そんじゃ、行くか。シュセンド」


 相棒に声をかけるサカズキの出で立ちは先程とは違った。

 背まで伸ばした髪をそのままに、舞踏会にでも出るのかというような煌びやかなドレスを身に纏っている。動きにくいのはNGだから足元はただの革靴で、胸に詰め物が出来ないのはもっとNGだから胸元の開いていない可愛らしいデザインだが。それら全てが相乗して、胸の詰め物という努力全てが消し飛ぶぐらいの可愛らしい少女らしさを醸し出していた。

 サカズキはその事に気付かない。この姿なら俺は一人前のレディだな!と男らしいしぐさで胸を張っている。


「傑作、傑作。いやぁ、金を出した甲斐がある」


「うっせ、元は俺の金だっての」


 相棒と言葉を交わし――サカズキは領主館に向かう。

 思いの外補修のされていない古い建物がそれだった。そういえば、少し前まで善政を敷いていたのだったか――ふむ、とサカズキは思案する。どうやら、『当たり』らしい。

 訝しむ門番の前に立ち、サカズキは全力で


「お――私ぃ、領主様に一目ぼれしちゃいました、キャハッ☆」


 シナをつくった。本人としては大人の女を演出したかったようだが、それはどう見たって子供の可愛らしさを活かしたしぐさだ。とは言っても、わざとらし過ぎて可愛らしいよりも白々しさが先に立つのだが。

 案の定、門番は槍をサカズキの首に突き付けた。


「ちょちょちょちょー! え、いや、なんでだよー!? 今、俺、完璧に恋する乙女でいける流れだったじゃん!?」


「どんな流れかは知らぬが、名を名乗れ少女。その縄で引っ張っているデカいのとか、明らかに怪しいだろう」


 衛兵は極めて冷静、サカズキだけがアホみたいに焦る構図――その様子に、とうとうサカズキの相棒たるシュセンドが声を上げて笑った。

 衛兵はただ、焦る。それはそうだ、彼らの目には、なにやらドデカいものを引きずった少女しか見えていないのだから。


「笑うなよ、笑うな! っていうかこれ提案したのお前だよね!? サカズキちゃんの可愛さならいけるいける、って言ったよね!」


「うん、イケイケ。僕の腹筋が」


「叩き折るぞばかぁー!」


 と、サカズキが涙目になった所――門番の警戒が緩んだところを突き、サカズキはその手に持ったでかいものを振り回す。虚を突かれた門番はそのままそれが直撃し、吹き飛ばされた――少女の力では、ない。

 緋の布が衝撃で弾け飛ぶ――剣、であった。しかしそれは、剣というには余りに異質であった。

 片刃は確かに剣であろう。しかしもう片刃は、刃と呼んでいいものか。まるで大口を開いた獣そのもの、牙を備えた鉄塊がそこにあった。

 その『口』が、動く。


「ま、こっからならイケるでしょ。君と僕なら」


「笑うためにこの格好させたよねお前!? 畜生、契約済んだら叩き折ってやっからなぁ!」


「楽しみにしてる」


 口が紡ぐのは、かのシュセンドの声。サカズキの相棒とは、剣そのものであった。


――魔剣という物がある。それはこことは違う世界の摂理にて、使い手に万軍の力を与える器物だ



 初めからこうしておけばよかったんだ。ぷんすか肩をいからせながら、サカズキは跳んだ。

 場所は『臭い』でシュセンドが掴んでいる。なれば、そこに直線で向かえばいいだけだ――衛兵が駆け付けるまで数十秒、その間にケリを付ける。電撃戦だ。

 人の身では不可能な跳躍。目指すは三階の角部屋――楽々とその位置まで辿り着き、窓を蹴りわる。


「俺、参上!」


 衝撃を殺すにも遠慮はない、そのまま床にシュセンドを突き立てようと――した所で、横たわる少女に気付く。舌うち一つ、シュセンドを突き立てる場所を、今度は慎重に確認しながらずらした。

 衝撃、前に吹き飛びそうになる身体を柄を握って押し止める。身体を降ろせば、柔らかい感触――少女を踏んでしまったかと慌てて飛び退けば、そこに横たわるのは中年の男。

 少女少女少女。床に横たわる無数の少女と、一人の中年。明らかに異様なその光景。


「分かった、全員をお相手したんだ。領主、お盛ん」


「エロい事言うな、叩き折っぞ」


 とりあえずシュセンドを一発蹴ってから、サカズキは一人の少女と中年の息と脈をそれぞれ計る。死んではいない、とそれを確認。

 恐らく中年は領主であろう。とすると、少女は徴収された街や村の子供か。

 他に何かないかと部屋を見渡してみれば、一際目立つのは大きな鏡。


「あれ、だな」


「あれ、だね」


 相棒と意見の一致。サカズキは鏡に近づいた――映っているのは、部屋の様子ではない。そもそも明かりも灯されていない部屋、窓からの明かりだけで見えるのがおかしい。それでも、見えるのだ。

 これは魔鏡だから。魔の法則を当てはめられた反射は、どんな状況でも見えてしまうのだ。少なくとも、この魔鏡においては。そういう法則である。

 魔鏡が映すのは、過去。サカズキという少女の過去だった。


 さて、サカズキという少女は恵まれていた訳ではない。なにせ、身寄りもなくさ迷い歩いていた所を山賊に拾われて育ったのだから尋常ではない。

 普通の少女ならばここで手酷く壊されるか、売り飛ばされておしまいだったろう。サカズキが山賊の仲間として生きていられたのには理由がある。

 魔剣や魔鏡、それ以外にも様々な魔の法の物品を受け入れる才能があった。他の人間がどうにも気味が悪いと思ってしまうそれを素直に見て、素直に分析し、素直に人に伝える力があった。呑まれる事もなく、ただ素直に。山賊たちはその能力を重宝したのだ。

 彼らとの暮らしは裕福でこそなかったが悪いものではなかった。それが他人の幸福を踏みにじったうえのものだと気付かない内は。

 ある日、山賊が騎士団に征伐されて。そこで初めて、サカズキは山賊が悪い奴らだと気付いたのだ。


 そうして騎士団に殺されそうになった時に声をかけてきたのがシュセンドだった。ただ魔剣と呼ばれ売られるのを待つだけだったそれを、サカズキは持って逃げた。この時より、サカズキとシュセンドは片時も離れることのない相棒だ。



――そんな自分を、変えたいとは思わないか


 頭に響く、声。サカズキの脳に直接響いてるという錯覚。しかしこれもまた魔の法だ。そういう伝達手段があるというだけ。だから何も、特別な事ではない――サカズキは笑う、天真爛漫と笑う。


――私は、鏡。己を見つめ直し、新たなる自分への変化を! さぁ、君も! 思い描いて、きっと変われるはず!


 叫ぶ、声。サカズキはただ笑う。


「分かっているね、サカズキ」


「おう、分かってる」


 これは鏡の本能だ。魔器物達は人格に生存に必要な要素を持たない――生きるために生殖しようとか食べようとか寝ようとか、そういう考えからは切り離された存在だ。代わりに、その器物としての存在理由を果たそうとする。

 鏡は、己を見つめ変革するきっかけに。そんな大げさなものを求めて暴走する。


「新たな自分、だぁ?」


――そう、思い描いて! 自分が好きな自分、その姿! 私はきっと、君を変えてみせる! 綺麗に、綺麗に、綺麗に!


 魔鏡が輝き――サカズキは、笑ってそれを受け入れる。

 シュセンドの選んだ、お仕着せた可愛らしい洋服が弾け飛び――その身を纏うのはジーンズにブーツ、胸だけ革鎧を付けた彼女の旅装。ついでに財布も素寒貧。


「俺が一番好きな自分は、今の自分だよ。ぶぁーか!」


「パッドがなくなったのは残念だと思うけど。胸だけ大きくしてもらったら?」


「うっせ、うっせ!」


 サカズキとシュセンドの適当な会話――鏡が、明滅する。


――なんで、なんで受け入れないの? 新しくならないと。変わろう、変わろうよ! そうじゃないと、良くないよ!


 ずるり、と鏡から抜け出す影。


――これはレイテシアちゃん! 綺麗なお洋服が着たいレイテシアちゃん! これはミレーネちゃん、そばかすがコンプレックスのミレーネちゃん! こっちは一重まぶたがコンプレックスだった、アーニィちゃん!


 影が、影が、影が。少女の形をした、影のような真っ黒い人型。ずるりずるりと、次から次へと湧き出してくる。

 見れば、そう。足元の少女たちは皆、美しい服を着ていて、大層な美少女だった。


「うっわ、これぶっ壊したら恨まれるかな……? 皆、これのおかげで可愛くなってるんだよな」


「代わりにずっと鏡の虜だけどね。ナルシストで、かつ自分に満足できないって所? その内、綺麗になりたい欲が生存欲求を上回ってしまうんじゃないかな――今も、睡眠を忘れてたから全員でバタンキューのご様子だし」


 そう、魔器物とはそういう存在だ。だから、壊さなければ害になる。


「んじゃまぁ、大義名分は出来た?」


「出来たね。やっちゃおう」


 しかし、サカズキとシュセンドは正義の味方ではない。破壊するのもまた、自らのためであった。

 シュセンドの器物としての欲求。そして、それを満たすと契約したサカズキ。あの日拾った命の金額を払い終えるまでは――!


「行くぞ、シュセンド。あんな鏡より綺麗だって言う所を見せてやろうぜ、祭礼剣」


「勿論。僕こそ最高のナルシストですから」


 祭礼剣。儀礼用の、実用性を度外視した刃。それがシュセンドの器物としての正体だった。

 綺麗に、綺麗に、ひたすら美しく己を磨く。その為に美しいものを、ただただ食らう。それが祭礼剣の本能。


――綺麗になりたいと、思うために。一旦、汚く、潰しましょう!


 影が襲い掛かる。その様子を、サカズキは笑って待つ。影の動きは緩慢で、少女本来のものと差はないだろう。

まずは一撃、手近な一体を蹴り飛ばす――妙な手応え。空洞のような軽い感覚?


「ァん?」


 少女の影が壁にぶつかり、地に落ちた。再び動き出す。どうやら、影はいくらやっても無駄らしいと悟。

 ふむ、と顎に手を当てるサカズキ。


「ひぃ、ふぅ、みぃ……」


「十五体だ、いけるね?」


 応えるまでもなく――サカズキは走った。目指すは鏡、それだけだ。

 包囲する三体――正面に進むため、ぐるりと肩に背負ったシュセンドを振り回し右を弾く。隙間を作り、滑り込む。混乱し、陣形が崩れる。そこに丁度居た一体を柄で殴り飛ばす。それから――

 シュセンドが、影の一つに引っかかった。


「お前、でかい!」


「今更だよ」


 今更だった。

 力任せに、影を引っかけたままに振り回す。一つ一つは少女の動きなのだ。細かいところなど無視して進める。

 範囲から逃れたのは五体、その内前にいるのは三体。躊躇していればその内に抑え込まれる――判断もそこそこに、ただ前へ。それこそが最善策。

 ふらふらと襲い掛かる二体を、身をかがめてやり過ごし――そこで、サカズキ自体ではなくシュセンドの方が狙われた。大きな刃が二人がかりで抑え込まれ、弾こうと思った時にはまたさらに影が集まる。

 結果、十五体全てが剣に纏わりつく状態となった。重い、振るえない。


「でかい、重い……っ!」


「酷い言い草だ」


 落ち着き払ったシュセンドの声――苛立ちが募るサカズキ。


――受け入れろ、受け入れるがいい! お前は、醜いのだ。さぁ、綺麗になろう、私と一緒に、美しさを!


 さらに、この魔鏡だ。どうしようもなく、いら立ちが募る。募って、募って――サカズキは、笑顔になった。

 笑顔とは本来攻撃的なものである。ことサカズキにおいては、それが顕著であった。


「なぁにが、醜いだ」


 シュセンドを諦めてその場に置き――サカズキは、拳を振りかぶる。


「俺はなぁ! あの頃とは違うんだ! そりゃ、それが主目的じゃないけどよ! おっちゃんみたいないい人に褒めてもらって、こうやって人も助けられて、そんでシュセンドに助けられて」


 おいまて――そんなシュセンドの制止も聞かず。サカズキの拳は、真っ直ぐと鏡へと振り下ろされた。


「そんな今の私を! ブジョクしてんじゃねぇーぞ! バアアアアカ!」


 一撃、であった。

 魔器物を使う物はその分だけ身体能力も向上する。故に、その拳もまた人外の威力を誇り――鏡風情、破壊するのは容易い事であった。

 割れて舞う鏡に、消え去る影。そして――この部屋に向かってくる足音。


「ほら、僕を使うべきだった、使うべきだった! いや今からでもいい、僕を――」


「うっせ、ばか! 逃げっぞ!」


 恐らく少女は救われただろう。そういう確信を持ちながら、サカズキは窓から飛び出した。勿論、シュセンドと一緒に。

 駆け付けた領主の兵が見たものは、砕け散った鏡、倒れ伏した己の主、そして――普段通り、欠点もあれば美点もある少女達の姿だった。




 シュセンド、祭礼剣は様々なモノを食らって己を美しく磨いていく。それは魔器物相手でも変わらず、だ。

 シュセンドが求めるのは同族食い、魔器物を食らう事で得られる美しさであった。美しいの基準が、サカズキには分からないけど。


「つまり、今回は赤字だ! 僕の中に溜め込んだ美しい数々を切り売りしてお金を工面しているんだから、ちょっとは配慮してほしいね!」


「いや、今回は半分以上お前のせいだし! あの服、お前が買えって言ったんだし!」


「ふん、回収できると見越してのモノだったんだ。だからダーメ――借金、載せとくね。契約期間がまた伸びたよ」


「はっ? てめっ、この……ばーか、ばーか!」


 騒がしい少女と剣は旅をする――同族食いと、律儀に命の値段を払うため。そうしてついでに、ちょっとした人々を救うため。

 少女と剣は、旅をする。

やっぱり真面目なのにしようとすると説明不足がある感じがするけれど、仕方ないと思います!

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