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二二二二年  作者: 多堕野 吾圃
魔都・浜中
12/22

調査開始

 夜が明けて日が昇りかけているが空は白みがかった色だ。

「梓さん、梓さん。アンパンさん。」

 真が梓を起こしている最中に彼女がいつもアンパンを食べていることを思い出し、いたずらで「アンパン」と、呼んでみた。

「ん、まだ時間あるじゃない…。あれ何で空が…。あああああ!」

 梓は勢いよく立ち上がり叫びだす。

「あたし、野宿した?」

「はい。」

「ああ、もうどうしよう。寝顔みられるし、シャワーも浴びてないし…。」

 彼女は完全に慌てていた。彼は寝顔を見ていないのに勝手に決めつけた。

「大丈夫です。早めに起こしていますから。」

「平然と言うな!ああ、フォンが起動しない!」

 梓は慌ててフォンを起動しようとするが、起動しなかった。

「歩いてここを出ましょう。ここの外なら繋がります。」


 真はせめてもの気遣いで瓦礫や灰をよけながら最短ルートを辿って行った。立ち入り禁止区域を出て転送装置でそれぞれ自宅へワープした。真が帰ったとき、隆弘はまだ寝ていた。時刻は七時。彼が狙ったより少し遅くなってしまった。だが、まだ間に合う。

「あ、お帰り…。ふあー。まだ眠い。」

 隆弘はあくびをしながら言った。

「ただいま。二度寝はできませんよ。」

 真は返した。

「何処行ってた?」

「ちょっとそこらへん。」

 彼は隆弘の詮索をかわした。


「宮城、ちょっといいか?」

 昼食を食べ終えたころ、フォンに通信が入った。相手は高田課長だった。今すぐ戻ってきてほしい、とのことだった。真は警察署に戻り、高田課長の部屋に行くと、課長は神妙な顔をしていた。彼は自分が浜中に行ったことがばれたのかと思った。

「宮城。一度、浜中に行ってくれ。」

 …!何が起こった?

「課長。正気ですか?もう九月ですよ?」

「正気だ。」

 彼は混乱した。立ち入り禁止区域に行けという命令が出るということは並々ならぬことが起きているのかと、勘ぐった。

「あそこの調査をしてほしい。これを持って行ってくれ。」

 課長は筒状のものを指差した。

「レーザーウェポンだ。君が思った通りの形になる。君なら扱えるだろう。」

 真が筒を手にすると課長は説明を始めた。


 突然の話で訳も分からないまま歩いていると、浜中の立ち入り禁止の柵の手前まで来ていた。

「そこで何を…、ってお前か。」

 真は驚いて後ろを向くと隆弘がいた。隆弘は筒を真に向けかけて下ろした。

「お前が助っ人なら頼もしい。もう一人来るはずなんだが…。」

「もう一人?俺、何も聞いてないんですが…。」

 真は隆弘の話を理解しきれなかった。第一、この調査は真が一人でやるものだと思っていた。

「すいません、遅れました。」

 そのもう一人が来た。仲野梓だった。

「あ、梓さん!?どうして…。」

彼は声を裏返した。

「そんなに驚かなくてもいいじゃん。聞いてなかったの?」

 梓も驚いた顔をしていた、別な意味で。どうやら聞いてないのは彼だけのようだった。

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