休み―起床
三題噺もどき―はっぴゃくよんじゅうろく。
パチ―。
と、目が覚めた。
頭の中ではすでに脳内BGMがかかっている。
こうなると寝直すこともできない。
「……」
何時だろうと、頭の上に置いてあるスマホに手を伸ばす。
画面にはゆらゆらと揺れる、某モンスターゲームのキャラクターがいる。
表示されている時間を見れば、いつもの起床時間よりは遅い。
「……」
まぁ、それもそう。
私はアラームをかけていれば、割とその時間に起きられるのだけど。
春休みに入った瞬間、アラームを切っているので、音が鳴らない限りは起きない。
こうして自然に起きたときが一番、寝起きがいいので、学校がある時もそうしたいが……学校がある時ってどうしてあんなに起きれないんだろうな。
「……」
家の中はシンとしている。
母はいつも通り仕事。妹二人はおそらく部活だろう。
それぞれ違う部活をしているが、休みも関係なく部活があるらしい。大変なことで。
運動部なんてどこもそうなんだろうか……私は中学から文化部に入っていたので、休日に部活が入ることはなかった。
「……」
一応、部活の顧問からの宿題というか……まぁ写真部なので。
何かしらは春休み中に撮れたら撮ってね、くらいの事は言われているが……それもできればという事なので、できなければそれでいい。ということだ。
「……」
家の近くにある公園の桜が咲けば、それを撮りに行くつもりではあるのだけど。
今年はどうにも開花が遅いような気がする……川を挟んだ反対側にある公園の桜は咲いていたんだけど。アレはどうにも色が濃ゆいのと、まばらに咲いていたので撮る気にはならない。もう少し綺麗に咲いてくれればいいのだけど。
「……」
一応、私の住んでいる地域で有名な桜のスポットはある。
通っている高校の近くで、山の上にあるのだけど……そこに行くまでがまぁ、大変で。急な坂道が続くので徒歩で行くのは疲れるし、車で行くのも車が大変という。
しかしあそこもまだ咲いていないはずだからなぁ。
それに、撮るなら、どうせなら、あの子と一緒に撮りたい。
きっと、あの長い黒髪が、よく映えて、綺麗な写真になるだろう。
「……」
まぁまぁ。
そんなことはさておき。
心なし、腹が減ってきたので、起きて朝食を食べるとしよう。
「……」
寝起きがいいと、その後もすんなり動ける。
身体を起し、充電器からスマホを抜いて片手に持つ。
ベッドから立ち上がり、部屋の戸を開き、さっさと階段を降りていく。
「……」
案の定家には誰もいない。
まだ置かれている炬燵は電源が抜かれ、中は冷えているだろう。
そのコンセントを刺し、スイッチを入れて置く。
この家は日差しが入らないので、外がいくら温かくでも寒いのだ。
「……」
机の上には、剥かれたりんごが置いてあった。
私は、りんごはあまり好きではない。食感というか、なんというか……いつかの頃に美味しくないと感じたことがあって。ましてや切ってから時間が経ったものは、色が茶色くなっていて、食べる気なんて起きない。
「……」
炬燵を通り過ぎ、冷蔵庫に向かう。
手前に開くと、中に小さな紙パックのオレンジジュースが6本程入っているのが目に入る。
これは妹がよく飲むので、母が大量に買って来たらしい。偏食というわけではないが、一番下の妹は食にこだわりがあるらしく面倒なので、割とこういう事がある。
私は別に気にしないので、美味しく食べられれば何でもいい。辛いのとか苦いのは苦手なので無理なんだけど。
「……」
しかし冷蔵庫の中身も、あまり……。
私の食べられそうなものがない。
ヨーグルトがあるけど、そんな気分でもないし。かと言って我が家にはパンが常備されていることもない。ご飯は炊かれているけど、これは昼食に食べるだろうし。
「……」
考えるのが面倒になってきた。
とりあえず、カフェオレでも飲むか……粉のスティックがあるので、それで。
もうこれでも飲んでいればその内、昼になるだろう。
休みというのは、何もやる気が出なくていけないなぁ。
お題:桜・りんご・オレンジ




