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淡きレテの果て〜世界を駆け巡る忘却少女の冒険譚〜  作者: 雪道 蒼細
1章 始まりの旅

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2/22

2話 個性が豊か(?)な仲間たち

 第五パーティーの部屋を探しているのに、結局辿り着いていなかったので修正しました(2026,1,22 改)

 誤字修正訂正(2026.1.24)


 渡り廊下を歩くこと数分。

 私は管理棟にたどり着いた‥のだが新たな問題に直面していた。

 

 (第五パーティの部屋ってどれ‥!?)


 私は通路のど真ん中に立ち心の中で叫ぶ。

 目の前には扉が二〇個ほど並んでいた。微妙に色が違う扉だがその色がどんな意味を持つのか私には分からない。

 手当たり次第にドアを開けていけばいいじゃないかという意見もあるだろうが‥。

 

 (さっき適当な扉開いたら着替え中の女性やキスしている男女とか見ちゃったんだよね‥)

 

 そのためもう手当たり次第にドアを開けたくないのだ。

 これでキスよりパワーアップした現場など絶対に見たくない。

 遭遇してしまったら、やっている側。見ている側。両者とも気まずくなるだろう。例外として、鋼メンタルな持ち主が当てはまるのだろうが・・。


 (‥うん。考えるのを止めよう。それより第五パーティーの待機室だよね。誰かに聞いた方がいいかな?でも人いないし‥)


 そう思い私は後ろを振り向き渡り廊下を見る。人通りがもともと少ないのか来る途中誰ともすれ違わなかった。


 (うーん。カシアが来るのを待つべき?でもなぁ‥)


 どうしたものか‥そう迷っていた時だった。

 

 「…うひゃぁっ!」


 何者かに背後から抱き着かれたのだ。急だったためおかしな声が出てしまった。恥ずかしい。

 顔が少し赤くなりつつ後ろを見れば目が大きくクリっとした可愛い少女がそこにはいた。

 桃色の髪は肩まで伸びていて、毛先が少し跳ねている。


 (ひゃぁぁっ!何この小さくて抱きしめたくなるような可愛い少女は!?子ウサギみたい!えっと可愛い!!)


 一瞬にして私の語彙力は人間の五歳児並みになった。ここへ来る前に自分の見た目を鏡で見たが、整った顔立ちに青い瞳_銀髪…可愛らしいというより綺麗‥?という感じだったのだ。

 別に不満があるわけではないが、「可愛い」の方が私好みだったのでそっちの方が良かったなと言うだけである。もう一度言う不満があるわけではない!


 (不満はないって思いこんでるだけで本当は不満があるのかな?‥‥って容姿について悩んでる場合じゃないや。第五パーティーの待機室の場所聞かなくちゃ‥)


 「…ゴホン。えっと…私第五パーティーの待機室探してるんだけど‥知らない?」


 私は自分を抱きしめてくる桃色髪の少女に声を掛けた。だが少女は手をぶんぶんと振っているだけで声を出して答えてはくれない。

 何かジェスチャーのようなものをしているが理解できない。

 これでは意思疎通ができないな。と思った時‥彼女の頭上に乗っていた謎の生き物が話し出した。

 

 『知ってますよ!何を隠そう私が第五パーティーのメンバーの一人ですから!お待ちしていましたピスさん!』

 

 そう謎の生き物が話した途端、少女が手で丸を作ってニコニコとしている。「正解」という意味だろうか。

 どうやらこの謎の生き物が少女の代わりに話してくれるらしい。

 水色の球体で、手が両側から生えている。そして何故かはわからないが真っ黒のサングラスをつけていた。

 カッコつけるためだろうか。本人には悪いが可愛らしいとしか思えない。


 (と言うかこの子たちが第五パーティーのメンバーだったのか‥待機室を探す手間が省けた‥良かったぁ‥)


 私は心の中でほっと息をつく。

 実を言うと先程から不安だらけだったのだ。第五パーティーの待機室は見つからないし、知らない少女に抱き着かれるしで。(可愛かったからいいが…)

 

 「あんたたちがそうなんだ‥!じゃあ改めまして、私はピス。よろしく。あんたたちの名前は?教えて!」


 私は両手を差し出し両者に握手を求める。二人とも快く握手を返してくれた。


 『僕はラチャでこっちのちんまりしたのがメルロだよ。君はよくメルロのことをルーって呼んでたかな』


 ご丁寧にラチャと名乗った球体は説明してくれた。


 だがそんなラチャのことをメルロは手で拳を作り叩いていた。

 頬を膨らませ目尻を吊り上げている。‥表現するならば何か気に食わないことがあった子供のようだ。


 『あぁ。ちんまりって言うなって?別にいいじゃんか。ちんまりした身長なんだから』


 呆れた様子でラチャが言うと、メルロは先程よりも強い力でラチャを手で叩いていた。

 どうやら「ちんまり」と言われたことが相当嫌だったらしい。

 確か私の身長は一六一センチだった。それに対しメルロは頭半個分小さい。一五〇センチほどだろうか。

 小さくて可愛らしいからいいと思うのだが、本人からしたらコンプレックスの一つなのだろう。


 ーーだがそれにしてもなぜこの少女は話さないのだろうか。「あー」「うー」などの声は聞くことはできるが言葉にはしない。

 そんな疑問に気づいたのかラチャが説明をしてくれた。


 『あぁ。君今記憶ないんだよね。えぇとメルロは魔法使いなんだ。で呪いのせいで‥言葉?を出すことができないし文字を捉えることができないんだ』

 

 魔法使い…魔法を使う種族とカシアが言っていた。

 

 (言葉を話せない。文字を読めない呪い‥じゃあ普段はどうやってやりとりをしているんだろう)


 私の疑問が伝わったのかラチャが説明を続けた。


 『普段はメルロがジェスチャーで意志を伝える。それを付き合いの長い僕が言葉にしてやってるって感じ』

 

 ラチャは誇らしげに私を見てきた。

 「手のかかる子供なんだ」と副音声が付いてきそうである。

 傍から見ればラチャがメルロにお世話されている図に見えるが実際は逆なのだろう。‥多分。


 「それは魔法使いのみんながやっていることなの?」

 『さぁ。他の魔法使いにはあんまり会ったこと無いから知らない。僕らはただ付き合いが長いから‥幼馴染の延長線上みたいなもの』


 幼馴染にしては保護者感がすごく漂ってるなと思ったが口にはしない。

 だがそんな二人を見てるだけで心が温まる感じがした。


 『…んーあとアザーとツァイトって言う仲間がいるんだが…アザーなら部屋にいると思う。部屋に案内するから付いてきて!』


 そうラチャに言われ、私は頷いた。

 ;

 部屋に向かう途中、何もないところでメルロがド派手に転んだという出来事があったのだが、彼女の名誉のために詳細は伏せさせていただく。


 【ちなみに第五パーティーの待機室は一番右奥の部屋で、私があまりにも来るのが遅いので迎えに行こうとしたら、通路の真ん中で突っ立っている私を発見したそうな】


 * *


 『よーアザー。ピス連れてきたぞー』


 メルロが勢いよくドアを開ければ、整理整頓がちゃんとされている部屋が現れた。


 (いや。整理整頓がされているというより物が少ないんだな)


 部屋にはダイニングテーブルとソファーが二台あるのみである。。

 そんなソファーに横たわっていた長身の男が、ゆっくりとこちらを見た。

 寝起きなのか目元がとろんとしている。

 

 「んー…んー!?お、やっとかぁ…ふぁぁあっ」


 男は上半身をソファーから起き上がらせ、目元をこすり欠伸をした。

 まだ眠たいのかぼんやりとしているが、頬を両手で叩いて完全に目を覚ました後アザーは私を見た。

 

 「えっと俺はアザーだ。仲間としてよろしくなピス。ちなみに俺は天種だ」


 そう言ってアザーは歯を見せ笑う。そして片手を差し出してきた。

 …なんだか犬みたいな男である。


 「よろしくアザー!」


 私もそれに対して笑顔を返し手を握る。

 


 数秒間してもういいだろうと思い握っていた手をはなそうとしたのだが。


 (…ん?…ちょっ…なんで握ったままなの!?‥‥そろそろっ!)


 なかなか握った手をはなそうとしないのだ。

 それに力強く握ってくるせいで地味に痛い。

 その口に揚げ物のエビフライでも突っ込んであげようか(※ピスは揚げ物系が嫌いです。管理棟に来る前にエビフライを食べ胃もたれしたせいです)と考えた時アザーは口を開いた。

 

 「‥ピスが明るい」

 「は?」

 「いやいや。だってお前いっつも暗かったじゃん!」、


 暗い。そのセリフを聞いて私は顔を顰めた。手をはなさなかった原因はこれなのだろうか。

 ーーというかさすがに本人に向かって性格に関して言うのは失礼なのではないだろうか。

 それにその言葉は悪口と捉えることもできる。というか悪口であろう。


 ‥と少し私は不機嫌になりつつ頬を膨らませる。

 

 「失礼なことを言われた気がしたけど‥私はこんな感じだよ?シアが来たら証明してくれるもん」 

 「シ‥シア‥?」


 アザーは「シア」という言葉に反応した。

 シア‥可愛らしいあだ名だと思うのだがおかしかったのだろうか。


 「‥うん‥?俺たちは同期だからな硬くなくてもいいぜみたいな‥」

 「プッ‥」


 何かにうけたのか目の前の男は腹を抱えて笑い出した。

 すべては聞き取れないが、「シア‥ププ。あいつ女顔だし、ぴったりの名前じゃんか‥」などと言って笑っている。

 

 (なんかこの人情緒が激しいな‥)

 

 なんか犬というより同族な気がしてきた。

 目の前の人物の認識を改めつつ、様子を見ていると笑いが治まって来たのか私と目を合わせ、また話し出す。


 「ふーっと‥あ。知ってるだろうがもう一人仲間がいる。人間の爺ちゃんで第五パーティーのリーダをしている。このパーティー内では一番強い。基本は指示役だがまだまだ現役だ。今は昼寝中だから紹介はまた後で」


 爺ちゃんと呼ばれていることはかなり高齢なのだろう。

 なのに現役でフィディスを回収する役割を担うとはすごい精神や体力の持ち主だ。

 そんな風に一人関心をしていると、服の裾をメルロに引っ張られた。


 「なーにメルロ?」 

 『あの、話は終わりましたか?せっかくならマッコリの集団を見に行きません?』

 「マッコリ?」


 聞き覚えの無い言葉に私は言葉を聞き返す。

 

 「いいじゃん!マッコリ見に行こうぜ!マッコリってのはな、魔物の一種で見ると幸運を授けるって言われてんだ。今いる地域にしか生息していなくて、見つけてもすぐに消えちまうから幻の魔物ともいわれてんだ!」


 そう話すアザーは少年の様だった。年齢を聞いていないのでもしかしたら少年なのかもしれないが。


 『そうそう。だから任務前に見に行くのが日課になっている人多いんだ!』

 「へぇー!見て見たい!」


 絶対に幸運を授けてくれるというわけではないのだろうが、幻の魔物に会えるだけでも気分が上がるだろう。

 

 「じゃあ決まりだな!早速‥」


 そうアザーが言いかけた時。施設全体にアラーム音が鳴り響いた。


 メルロ(ルー)_魔法使い_一七歳

 桃色の髪でミディアム。瞳は赤色。

 動きが小動物のようで可愛い。カシア程真面目ではないがパーティー内だと真面目な部類。

 絵がとても上手く、芸術関係ではかなりの腕前を見せる。

 天使の様だと称する人もいるが、彼女と近しい人は小悪魔みたいな子と称す。どっちが本性なんだか‥。


 ラチャ_魔物_年齢不詳

 水色のスライムから手が生えた感じの生物。

 メルロの保護者枠。メルロが小さい時から一緒にいるらしい。

 記憶に関する魔法を使う魔物である。

 何でもはっきりと言う性格で基本的にメルロの頭が定位置である。

 サングラスはイカツク見えるためにつけているそうだが…。


 アザー_天種(悪魔)_二三〇歳

 金髪で緑の瞳の青年。別にそこまでチャラくはない。

 楽しいことが大好きで悪戯をよくする。カシアに突っ掛かっていることが多い。

 見た目にもよらず小動物が好き。人の心を察しているようで肝心なところは察してくれない残念な青年。

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