33 最終話
「こんな形でも、今度はルイーゼ様を救えたのでしょうか……」
「え?」
カーク様が私に手を差し出した。
「どうしてかわかりませんが、あなたがルイーゼ様なのでしょう?そして、そこに横たわるルイーゼ様がユメア様……」
「何故……そんな……ことを言うの?」
「あの時、私の体を返してとルイーゼ様が言っていたことに疑問を覚えたのです。それで、まさかと思って……確かめたくて公爵家に行ったら『また冤罪をかけられても』と、おっしゃったでしょう?それで、……ルイーゼ様の魂も巻き戻ったのかと。そして、なぜかユメア嬢と入れ替わったのかと……」
「……まさか、カーク様も巻き戻って……」
うんとカーク様が頷いた。
それから、跪く。
「急に王太子と言われても、僕は右も左も分かりません王妃教育を受けてきたルイーゼ様……いえ、今はユメア様とお呼びすべきでしょうか、どうか、僕の隣で支えてくれないでしょうか」
周りの人たちは、興奮して騒いでいるためきっと私たち二人の言葉は聞こえていない。
いや、すぐ近くにいるマーサにだけは聞こえているかも。
マーサが、嬉しそうな顔をして私を見ている。
思わず、恥ずかしくなって顔が赤くなる。
マーサは私のことならなんでもお見通しだ。
きっと私の心臓がどきどきして、嬉しくて叫びだしそうなくらいだというのも……。
「はい、カーク様……私に……あの時手を差し伸べてくださったときから、お慕いしております」
あれから、10日が過ぎた。
アレン様は廃嫡に納得がいかず暴れまくり手が付けられない状態だったため幽閉された。落ち着けばまた待遇も変わると言う話だ。
カーク様がおじい様の後ろ盾で立太子した。
公爵家はお取り潰しになった。お父様の過去の行いの証言が集まり、正気ではないと判断されたためだ。
私は王室に嫁ぐ予定で婿をとって公爵家を継ぐことはできない。
そして、ユメア……ルイーゼ姿のユメアは、意識を取り戻した。幸いにして、体も動くようだ。
しかし、記憶を失い、精神が5歳の子供くらいに後退してしまった。とても公爵家を継ぐことは無理だろう。
”ユメア”はなぜかマーサを母親だと思い込み甘えている。
「おねーさま、いつもお勉強頑張ってるから、アタシも頑張ってるんだ」
と、手紙をくれた。
かろうじて文字だと分かる下手くそなつづりで「おねーさま大好き」と書かれていた。
↓なろうあとがき
最後までご覧いただきありがとうございました!
うむ。実は読み返して「あれ?これ矛盾したことかいてる、間違えてる」っていうところを発見したんですけど、そこがどこか更新作業するときに見失ってしまいました。あほです。
というわけで、見つけたら教えてください……。(*ノωノ)
★レビューなどいただけると嬉しいです。
==============↓アルファポリス掲載時のあとがき
最後までお付き合いくださりありがとうございました!
アルファポリスに直書きしたため、ちょっと前の方の見直しが上手くいかず
なんだか「皇太子」と「王太子」が混在してしまっているかもしれません。
あと、何歳のときとか何代目とかちょっとずれてるかもしれないです、すいません。
勢いだけで書き切った約3万5千文字……。
当初の予定とは違った話になりました。
マーサを思い無くルイーゼ(外見ユメア)のシーンでは涙を流しながら書いたり……。
苛烈なざまぁがあまり得意ではないため、このような形になりました。
感想などいただけると嬉しいです。
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