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 すでにお父様は、私の籍は抜いているのね……。

 それなのに、なぜ、今日の祝賀会への出席を許可したの?

 もしかして、婚約を破棄するというのを皆の前でアレン様に宣言させるため?

 私が不義の子だと不当な婚約破棄ではないと広めるため?

「というわけだ、皆の者、騒がせたな。ルイーゼは大罪を犯した。婚約はすでに破棄されている。新しい婚約者はこのユメアだ」

 パラパラと拍手が起き、それが大きな拍手へと変わる。

 なんだ……。心配するまでもなかったのね……。

 お父様は罪には問われなく、公爵家は問題がないのね。

 アレン様の王太子としての資質も疑われることがないのね。

 国が、乱れるようなことにはならないのね……。

 ほっとしたとたんに緊張の糸が切れて倒れた。

「ルイーゼ様っ!」

 子爵令息のカーク様が私に駆け寄った。

 ガシャガシャと鎧の音が耳に届く。

 ああ、目を開いているのに、目の前が白く濁ってよく見えない。

「罪人を会場から排除する」

 鎧の音は護衛兵なのか。

 ……すでに、私は貴族扱いされずに、騎士ではなく兵が対処するということか。

「触るな、僕が運ぶ」

 ふいっと体が持ちあげられる。

 お姫様抱っこだ。

 鎧に身を包んだ兵に引きずられるようにして連れ出されるかと思ったので驚く。

「ありがとう……目が……よく見えなくて……あなたはカーク様?」

 はっと息をのむ声が聞こえてきた。

「ルイーゼ様、目が見えないって……すぐに、医者に見せますから、きっと大丈夫です」

 大丈夫ですというカーク様の声。

「ルイーゼ様、返事をしてください、ルイーゼ様」

 ああ、だんだんと声も遠くに聞こえる。

 


 私、死んでしまったのね。


 

 人の魂は、なくなってから7日間は地上にとどまると聞くけど……。

 本当のことだったんだ。

 今、私はカーク様と、抱き上げられた自分を見下ろしている。

 日記帳をぶつけられたこめかみからは血が流れ、紫がかったプラチナブロンドを汚していた。

 肩も腕も頬も、目に見えているところは何か所も赤く腫れあがっている。

 こんな状態でもアレン様は「ほっておけ」と言い、ユメアは笑っていたのか。

 ただ一人。カーク様だけが私の身を案じてくれた。

 ありがとう。

 会場がどうなっているのかは気になったけれど、どうやら体から遠くへは行けないようだ。

 カーク様が私を抱き上げたまま医務室に向かおうと足を向けたら、鎧姿の兵がカーク様の肩を乱暴につかんだ。

「どこへ行く気だ」

「怪我をしているのだ、医者に見せなければ」

 カーク様の言葉に、兵はキツイ口調で答えた。

「その必要はない。この女は平民の罪人だと聞いている。向かう先は牢屋だ!」

「治療してからでも」

 カーク様が必死に抵抗を試みた。









==========↓アルファポリス投稿時のあとがきです=====

唐突に直書きで投稿始めました。

行き当たりばったりです。なんか、ちょっと胸糞展開続きそうです。

もうしばらく胸糞にお付き合いください。この先の展開に関わる胸糞です。

感想ブクマいいね等いただけると嬉しいです!

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