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15話 好敵手との約束

「はい!それじゃあ、明日からゴールデンウイークに入るからといって、羽目を外さないようにして下さいね。知っていると思いますけど、連休明けには中間試験ですからね!」

「「は~い」」


 試験1週間前からは部活・委員会活動が休止となることは校則で取り決められており、完全下校時間も17時と早く設定されている。

 マル高では、クラス別総合得点上位5名は校内掲示板に貼り出されることも事前に知らされている。そのため、この掲示板に掲載されることを目標にしている生徒も少なからずいる。


 俺自身もその内の1人だ。


「おしっ!今日も帰って勉強だぁ」

「大八木がやる気に満ち溢れてるって……なんか怖い」

「はぁ?俺だってやる時はやるしぃ!」

「大嵐がくるんじゃね?」

「ちょ、なんで?俺の扱いひどくないですか~」

「くはははははは」


 大八木くんはクラスのムードメーカー的存在であり、いじられキャラとしてクラス内でも一目置かれていた。もともとノリもよく、テニス部でも持ち味のポジティブ思考が周りを刺激しているみたいだ。


 そんな大八木くんが勉強にやる気を出している理由が――、俺との賭けだなんて誰も思わないだろう。


「凛人、このゴールデンウイーク中に俺は勉強に集中すっからな!バイト三昧の凛人よりも俺の方が有利だぜ!じゃあな!」


 颯爽と去っていく大八木くんを無言で見送り、俺も帰り支度をしていると、隣から雫石さんの声が聞こえてきた。


「ね、2人って……なんかあったの?」

「あぁ……いや、何にもないよ。ははははは」


――絶対怪しまれてるよね……。けど、本当にしょうもないことで賭けをしているなんて……口が裂けても言えないですぅ……。それに、俺が雫石さんに好意を抱いてるなんて大八木くんに知られれば……絶対いじられまくる。そんなことは阻止しなければ!この想い、今は俺の胸にだけ留めておきたいんだ!


「何もなければいいんだけどね」

「う、うん。心配かけてごめん……」

「いや、心配なんてしてないよ」

「……」

「じゃあ……私も帰るね」

「あ、あのさ……勉強会のことだけど……」

「別に無理に予定合わせる必要ないよ。それに、大八木も野辺も参加しない……2人っきりは……なんか、気まずいし……」


――その表情は一体どんな感情?!耳まで赤くなって……照れてるんですか?いやいや……可愛すぎです……。雫石さん、その顔は反則ですよ!


「ま、また勉強でわかんないことがあったら……連絡しても、いいかな」

「……そのくらいなら、別にいいよ」


――おかわりいただきました!ごちそうさまです!


「ありがとう。じゃあ、またね」

「うん……またね」


 一足先に帰り支度を終えた雫石さんはそのまま教室を出て行った。俺は無意識に彼女が教室を出るまで見守っていた。


――やべっ!俺ももたもたしてるとスーパーの特価品にありつけない!


 俺も慌てて準備を終え、急いで学校を後にしたのだった。



◇◆◇◆——


 雫石家——。

 リビングでは兄妹が何やら騒がしくしていた。


「ねぇ~そういえば彩菜はイベントに来てくれないの?確か彩菜って、クプラニのファンなんでしょ?誰推しだっけ?」

「誰やったかな?……あっ!ラキだ!メンバーカラー黄緑の!彩菜、高校生になるときに校則に反しないからって、髪の毛、染めてたっしょ!あれ……まじ最高!」

「ラキかぁ!イケメンだもんね~」

「ほらほら、だらけてないでしゃんとして!もうすぐ彩菜、帰って来るから!イベントのことは本人に直接聞いてみたら?」

「うん。そうしてみる」

「あいつの性格上、友達がいないと俺は思う!」

「そんなことないよ!クプラニは若い子に人気なんだから、その繋がりで友達できてるって!」

「いや~ないね!」

「お兄は彩菜のこと、何にもわかってないんだから~」

「それより、俺らが帰って来てることに驚くんじゃね?」

「間違いない!早く帰ってこないかなぁ」


 彩菜にとっては兄姉にあたる2人だが、同時に憧れの存在でもあるため、久々の帰省を知らない彼女にとっては、とてつもないサプライズになるのだった。


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