容疑者は勇者
サンジェルマン王国に召喚されたのは、異世界人の勇者タクマ・サイトゥー(拓真・斉藤)。
そんな召喚の儀には、多大な犠牲がつきものである。
王国がそんな多大な犠牲を払い、異世界の勇者を召喚したのには、もちろんそれなりの理由があった。
その理由とは、魔王を討ち倒してもらうこと。
これが成されなければ、サンジェルマン王国だけではなく、この世界が滅びることに。
勇者を召喚した後(のち)、魔王討伐隊(勇者パーティ)を結成することになった。
魔王討伐には大軍は送れない。その理由は魔王の張る結界にあった。
結界の中には特別な祝福を持つものしか入れず、その数は五人まで。
以上の理由で、未だ無傷の国々から、精鋭達がこのサンジェルマン王国に集まっていた。
殴り合い、魔法の威力を見せ合い、止血の速さを競い合い、木剣での試合を行ない、残ったのは男女四人。
四人にはそれぞれ、拳聖、魔女、聖女、剣鬼の称号と共に祝福が与えられ、勇者パーティの一員となった。
魔王へ情報が漏洩する事を恐れた王国上層部は、人類の未来を託した勇者パーティを、人知れず、ひっそりと見送った。
「もう地球には帰れないけど、困っている人達を助けるヒーローになるんだ!そして…あの可愛いお姫様と…」
取らぬ狸の皮算用。
勇者が魔王討伐後の報酬として願ったのは、もちろん地球への帰還。しかし、それは人智の及ぶところではなく、不可能と言われ、勇者は酷く落ち込んでしまう。
そんな勇者を優しさで支えたのは、大陸中の吟遊詩人が歌う絶世の美少女。
少女の名はナナリー・クリファ・サンジェルマン。サンジェルマン王国の第一王女その人であった。
国王に、王女との婚姻の約束を取り付けた勇者は、魔王討伐を果たし、無事帰還した。
物語は帰還直後、凱旋パレードから始まる。
盗まれた神器
2023/06/26 18:00
case I 聖女の懺悔
2023/06/26 22:00
(改)
case II 剣鬼の憂鬱
2023/06/27 22:00
case III 魔女は人見知り
2023/06/28 22:00
(改)
自供
2023/06/29 23:00
case Ⅳ 拳聖の教え
2023/06/30 22:00
出会い。
2023/07/01 18:00
(改)
不確かなもの
2023/07/01 21:00
罪なき者達
2023/07/02 14:00
結末、それぞれの道。
2023/07/02 17:00
【過去】絆が生まれた日
2023/07/04 17:01