第8話 同級生が増えました
「ユウ!契約よ!」
「帰って早々なんだお前は」
ユウの聖力を吸い元気になったハルカが声をあげて言う。
「あたしをここに住まわせてあなたと一緒の学校に通う契約よ!!」
なぜか顔を赤らめて叫ぶ。
「その契約で俺になんのメリットがあるんだよ!!」
「そ、そうですよ!!一緒に住むならともかくなんで学生にまでなるんですか!」
恋を自覚してしまったネネもこれには賛成できない。
「アンタが帰ってくるまでのあたしは食事どうするのよ」
吸血鬼であるハルカの食事は言うまでもなく血液である。
「な、なにもユウくんの血じゃなくてもいいじゃないですか!!マリカさんは日中もいます!」
「無理ね」
即答するハルカ
「それは無理だろうな・・・」
ユウも同意する。
「お、折り合いが悪いのは分かってますけど・・・」
「いや、そうじゃなくてだな・・・」
「あたしだけじゃなくて吸血鬼にとって同族である悪魔の血と負力を吸うのは生理的に無理なの」
ハルカは想像するのも嫌そうな顔で言う。
「吸血鬼にとって悪魔の血を吸うのはこっちで言うと人間が人肉を食べるみたいなもんなんだよ・・・
俺は天使の血を引いてるから現状ハルカが吸血できるのは地球で俺だけだな」
「なんか納得いかない!」
「けどネネも他の人間も同じ哺乳類の牛肉やら豚肉は好んで食うだろ。それと同じだよ」
ユウは半ば諦めて言う。
「まあ?アンタ達側のメリットとしては魔界に連れ帰られることなく今までの生活が送れてあたしと一緒にいられる権利を得られるんだから感謝しなさい!」
「むちゃくちゃだこの悪魔!」
「アンタも悪魔でしょうが!早く部屋案内してくれる!?どっどっ同居なんてゴメンだけど仕方なくよさあ早く!」
そういうとハルカはユウを連れてさっさと階段を上がってしまい、それを呪うような目でマリカが睨んでいた。
なるほど。マリカとハルカが不仲な理由を少し分かってしまったネネだった。