第43話 天使達
「リュウは私より格上の天使です。仕掛けられるのも時間の問題だと思います」
リュウの軍勢から逃げる一行だがいよいよ戦闘になりそうだった。
「そうだな・・・ここからは俺が戦うからマリカ、ネネを連れて魔界城へ向かってくれ」
「分かった・・・気を付けて」
「私も戦います」
「マコお前同族相手にやりあって大丈夫なのかよ」
「こんな時にも私の心配ですか。ネネさんは元はと言えば天界軍のせいで巻き込まれています。なら天使の私が戦わないわけにはいかないじゃないですか」
「まったく、世界が変わっても生徒会長だな」
ユウは苦笑いして言う。
「ホント、すげえとこだよな日本は。月の常識を変えちまうからな」
「さあ、先に行ってください!」
マリカとネネを先に行かせ天使と堕天使はリュウの行く手を遮る。
「ユウくん、絶対無事で帰って」
「ネネ、また学校でな」
マリカはここまで温存した負力を使って魔界城へと転移した。
「さて、じゃあやるか?」
ユウはリュウに向き合うと宣戦布告する。
「どうやら魔界でのお前はもう居なくなっちまったみたいだが・・・マコ、てめえ魔界軍に寝返るなんてどういう了見だ。それは堕天とみなしていいのか」
「私達が今生きている世界に人種の壁はありませんから寝返るもなにもないですよ」
「まあそうしたところで80年前みたいにダチもろとも消してやるよ」
「80年前・・・?」
「あ?お前分かってねえのか。お前んとこのダチ消したの俺だぞ?天使が悪魔と戯れてるからまとめて消すつもりだったんだがお前とユウは殺し損ねちまった上に当時の俺の配下はユウに消されちまうしな。あれは大失態だった」
「余計なことを言うな」
「じゃああの時・・・」
「そうだ。お前が何勘違いしたか知らねえが奇しくもお前はそこの悪魔に助けられてんだぞ?」
「マコ、動揺するな。今は戦いに集中しろ」
「・・・分かりました」
80年前マコの幼馴染達を殺したのは同じ天使のリュウだった。それだけでなくユウに助けられていたと知ってマコは自分のした行為を悔やむが今はそんな場合ではないので頭を切り替える。
「さあやるか」
リュウは聖力を解放する。青光りした鱗のある翼を出現させ、赤に変色した髪がなびく。
「龍神か・・・見た目は天使と思えねえな」
「神々しいだろ?・・・お前らは魔界城へ向かえ。俺もすぐ片付けて行く」
リュウは残った配下を全員城へ向かわせる。
「ずいぶんと余裕みてくれんな」
「墜ちた天使二人なんざ俺一人で十分だ」
龍神対天使と堕天使。今決戦が始まる。




