第32話 上に立つ者
「すごい花火でしたわね」
「そうね・・・だけどネネちゃんがそれほど感動する?」
「いえ、久しぶりに友達と来れて・・・」
友達・・・か。三人はよく考える。
この先10年20年とすぎても悪魔の自分たちは歳をとらない。
友達が成長し、家族ができて、守るべきものを守るため社会と戦っていく。
一見すると魔界でも似たことのように思えるがならばどうしてこんなに魔界と差ができてしまったのだろうか。
結局ユウは本当の答えを見つけることはできなかった。だから今も日本にいるのだ。
「今日でこの合宿も終わりか。忙しかったような疲れているような・・・」
「まだ一つイベントが残っているじゃありませんか」
「そんなのあったっけ?どうーせあんたがまた楽しみたいやつなんでしょうけど
」
「ずばり寝る前のこちょこちょ話です」
所謂ガールズトークである。
「はいはいかわいいかわいい、ほんじゃあ俺は別の部屋で寝るからな」
誰も止めない、いや行けなかったのでそのままリビングを後にする。
「まずはユウさんとあなたの関係を聞きましょう。どうも彼が積極的になっってきたのはあなたの力に寄るところが大きいそうで」
「んーそう言われてもクラス委員長だったから進路希望だしてーとか、数学の課題できた?とか」
「なるほど。女と無縁の彼は話しかけられて好きになるほどであると」
「さすがにそれは・・・」
「ネネさん、あなたは今学校が楽しいですか?」
「ええ・・・楽しいですけど」
「それはよかったです、ハルカさんは楽しいですか?」
「そうねえ。やっと慣れてきたから友達とちょいちょい買い食いして帰ってる。それだけの事なんだけど十分楽しいよ」
「会長は楽しくないんですか?」
「いえ、楽しいですよ。ただ私本来は気が小さいんです。上に立って下の者を導く資格なんてないんですよ。きっとこのまま生きていっても、どこで何しても」
「そうですか」
ネネは学級委員長を努めているので少し気持ちは分かる気がした。
「なーん言ってんの。そんな明日が来ないように部活やっていかなきゃいけないんじゃないの」
「ハルカさんの言う通りかもしれませんね、マコさん!」
「・・・・」
「寝てる」
「寝てますね」
「ま、仕方ないわ。一週間前から段取り組んでそこからまた一週間泊まり込みでお祭り騒ぎだもんね」
「私たちも寝ましょうか」
「おやすみなさい、ハルカさん」
「おやすみネネちゃん」
「壁厚すぎて何にも聞こえねえわ」




