第31話 連発花火がきれいですね
ネネも無事合流した人間研究部はラストスパート、連発花火を見るべく見晴らしのいい場所に来ていた。
「ここやっぱり人気だね、人がいっぱい」
ネネはがんばって背伸びをしているが人の壁はなかなか高いものであった。
「そうだな・・・観賞スポットみたいだなここは」
とは言っても花火である以上空に上がるので上さえ見ていれば見えるのだ。
連発花火まであと1分を迎える。
「ネネ、俺さ」
ユウが静かに話かける。
(ま、まさかこのムード・・・!)
かなりベタな展開だがネネは思わず緊張してしまう。
「人間の世界にいて色々知ることができたんだ。魔界にいたら絶対に経験出来なかったこともたくさんあった。それを経験させてくれた原点ってネネだったんだよなあってこの合宿で思ってさ」
「う、うん・・・」
花火が上がるまで20秒を切った。
「ありがとな。だから俺もネネが経験できない事をさせてあげたいんだ」
「・・・・それって・・?」
「きっとぶったまげるぜ!」
そう言うとネネの手を握り透過魔術で二人は周囲から見えなくなる。
「え!?ええっと何事!?」
「よしいくぜ!」
「ひゃあああ!」
ユウは背中から黒い翼を出現させると一気に空へ飛び立つ。
「あっ!!!」
いよいよ連発花火が始まった。
二人の姿は地上から見えないが空に映し出される。そのままネネ達は上空で花火に接近する。
「すげえええ!!!」
「綺麗・・・!」
上空間近で見る花火はきっと一生経験できない事だろう。
月を背に二人は終るまで花火を見続けた。
最後に大きな一発が散って花火大会は終了を迎えた。
「すごかったな・・・」
「うん・・・うん・・・!感動した・・・!」
「ちょっ、なんで泣いてるんだよ!?もしかして怖かったか?」
「違うの。人間て感動すると涙が出るんだよ」
「そういうもんなのか・・・んん!?」
「え?」
「あちちちちちち!!!最後の花火が翼に引火した!」
ネネは締まらない最後に涙が引っ込んでしまった。
「水撃魔術!!!」
ユウは上空に手をかざしどこからともなく水を出現させた。
だが二人して水を被り盛大にびしょ濡れになってしまう。
「・・・ぷっ・・・あははははは!」
「まったく・・・締まらねえな、ほんとに」
二人で笑うとゆっくりと地上へ向かって滑空していった。
「ありがとう。一生忘れないとっても大事な経験だったよ!」




