第29話 天界軍の調査
「やはり戦闘センスはずば抜けているな」
「そうかい?最近は全く必要のないスキルだね」
先ほど天界軍と戦い2人の天使を捕虜にしてから魔界軍本拠地に戻ったスウはある悪魔を訪ねていた。
「だがさっきのはマリカの軍だろう?貴様の軍は一度撤退したみたいだが」
「劣勢とはいえ彼らは僕がいないくらいで統率が取れないなんてことはないよ。君の第2軍はどうなんだい?ある種負けなしなんじゃない?」
「そうとも言いえなくなってきた」
「へえ、君の軍に対処できるなんてなかなかやり手だね」
「残虐非道なものさ。司令官の天使が配下を使い捨てにしながらやりあってる」
「なるほどね、案外メジャーらしいよその戦法。僕がいる日本にも特攻隊がいたみたいだし」
「地球も月も大差はないようだな。おまけにここ最近軍員以外の民間人まで巻き込んでる始末だ。それは当然だめだろう。ずいぶん汚い手をつかっているようだ、我なら情けなさで自害するがな」
「さすがだね、配下2000人に慕われるだけのことはあるよ。君みたいのを日本では武士道とか極道っていうんだ」
「・・・で、貴様がやりたいことは天界軍の監視か。天界軍のどの軍かは貴様も分かってないようだが」
「そうそう。ただ天界軍が僕らみたいに軍をある程度分けているのか一人の大天使に全軍が付き従ってるのか・・・内情が分からないからなんとも言えない」
「そうだな。それは我にも読めん」
「だからこれは分かったらいいな、くらいだね。多分僕が予想してることが合ってたとしてもさほど支障をきたさないはずだし支障が出るなら戦えばいい」
「できるのか?そんなこと」
「向こうにそのつもりがあるのかないのか分からないけど少なくとも『日本』に危害を加えたりする可能性はゼロに近いんじゃないかな」
「ふむ」
「それともう一つ、さっき2人の天使を捕虜にした。そいつらから情報を引き出す。ただ特攻させるような軍だからこういうケースに備えて対処されてるかもしれない」
「その可能性はありそうだな。魔界軍と違ってどうも連携プレイが苦手そうだ。でなければ特攻させないだろうに」
「そうだね、だから尋問は君がやってくれ。もし対処がされてたら殺さずに監禁してくれ」
「ほう、なんの為だ」
「その2人は戦い方からして戦闘経験が少ない。まだ若いんじゃないかな?監禁しておけば吸血鬼の為になるだろう?」
「なるほどな・・・貴様も考えているのだな」
「それから僕が絶対にぶっ殺さないといけない大天使が二人いる。できたらその天使の居場所も分かるとありがたい」
スウは無表情で言う。
「魔界を離れたからもうどうでもよくなってしまったのかと思ったがな。そうではないんだな」
「とはいえ日本での生活も心地いいものだしね。また来るよ、それまでは日本で自由気ままにニートしてるとしよう」
いつものスウに戻るが早くも転移してしまった。
「『にいと』とはどういう意味だ・・・?」




