第27話 この無神経男!!
生徒会長マコによって公平にトランプが配られる。
(俺の所にいきなりジョーカーがきやがった・・・)
ユウは全員の顔を見渡すが至って普通である。
(ジョーカーはあたしじゃない・・・この3人の誰かね・・・)
ハルカも全員を見るが怪しい点はない。
(ふむ・・・おそらくユウさんですね。顔に出すぎです。)
マコは早速見抜く。
(ジョーカーは私じゃない・・・会長は冷静すぎる・・・ユウくんとハルカさんは自分になくて誰がジョーカーなのかを探ってる雰囲気?どちらにしてもこの3人の誰かか・・・)
「では右回りに私→ユウさん→ハルカさん→ネネさん→、の順番で行きます。それでは始めます」
いよいよババ抜きが始まる。
「さて私ですね。まずはユウさんにジョーカーがあると仮定しましょう。あなたから見て右端かもしれませんし左かもしれません。相手に引かせたいという意思からもしかしたら真ん中かもしれませんね・・・あ、今の目線からして右ではないですね」
(な・・・なんだと!?)
「はい、今ので確信しましたジョーカーは左か真ん中のどちらかですね。左か真ん中か・・真ん中か左か・・・左、真ん中、真ん中、左・・・あ、今からでも手札の位置を左右だったり中央だったり変えてもいいですよ?」
「・・・か、変えない」
「変えなくて大丈夫ですね。左?」
「・・・・」
「真ん中?」
「・・・・」
「あ、今少し眉を動かしましたね?目は口ほどに物を言うとよく言われていますがこれは心理的に事実なんですよね」
「・・・・」
「ふむ・・・教えてくれてありがとうございます。ジョーカーは左右にありませんね」
「!!!!」
ジョーカーは避けられてしまい位置まで当てられてしまった。
(なんだこいつ・・・人間研究を突き詰めるとこうなるのか!?)
「さあどうだかな・・ほらハルカ引けよ」
ごまかしつつ手札をシャッフルしハルカに向ける。
(ユウが手札の位置を変えた反応からしてジョーカー持ちなのは間違いない・・・ならば透視魔術!)
僅かな負力の発動と少し瞳孔が開く。
「じゃあこれ」
「!!!」
今なおユウの手元にジョーカーが残る。
(くそ・・・まあいい、まだ終ったわけじゃねえ)
「じゃあ、ネネちゃん」
(さっきのやり取りからしてユウくんがジョーカー持ちなのは間違いない。つまり私はハルカさんのカードどれを引いても負けはない)
「よし・・・では会長どうぞ」
読み通りハルカのカードは安全なのでネネは揃った手札を落としマコのターンになる。
「はい」
当然ネネのカードも安全なのでマコは適当に選び、揃った手札を落とす。
「ではユウさん、1ターンしてカードが減りました。つまり私はジョーカーを引く確率が高くなりましたね。さて、先ほど私が引いた後に手札を変えましたね。私の言葉を聞いて中央がリスクだと考え左右どちらかに位置を変えたか、裏をかいて真ん中のままか・・・今少し眉間が動きましたね、という事は変えた・・?」
「・・・・」
「変えてない・・・?」
「・・・・」
「なるほど、教えてくれてありがとうございます」
またもや見抜かれてしまった。
(なんでだああああ!?畜生マコ相手じゃ拉致があかねえ!こうなりゃあ・・・)
「ほら、ハルカ」
「んー」
(あれだけ勝つと意気込んでたハルカが成功法でこのゲームを進めるはずがねえ・・・奴は何らかの魔術を使っている・・・このゲームで必勝するには自分がジョーカーを掴まずに切り抜けられなければならない。つまりジョーカーの位置に気が付けばいい・・・ジョーカーが渡るとしたら絶対に俺からだから俺に魔術を掛けている。ならば恐らく透視魔術!)
(また手札を変えたわね・・・何度変えても透視魔術で・・・!?)
ユウが薄ら笑っている。
(手札にジョーカーがない!?・・・もしかしてさっき会長に見抜かれたことはブラフ!ユウは会長のメンタリズム中にあえて目を合わせて幻覚魔術をしたんだわ・・・ならば私がやることは自分の持ってるカードとペアになる数字のカードを引けばいい!)
「なっ・・・!」
思わず声に出してしまった。なんとハルカの手にはジョーカーが。
(馬鹿め・・・会長がミスをしたと思わせる事がブラフなんだよ!後はお前のカードを透視して俺が持つジョーカーをペアカードに見せる幻覚魔術を掛ければお前は必ずそのジョーカーを引く!)
(・・・どうやってやったか知らないけど流石ね・・・こうなったら一刻も早くネネちゃんにカードを引かせるしかないわね・・・)
「なんか皆さん目が怖くないですか・・・?」
(私が見たところユウさんは確実にジョーカーを持っていた。それがハルカさんに渡っている・・・ここでネネさんがジョーカーを引くと私に回ってくる可能性が高くなってくる)
「じゃあ、ハルカさんどうぞ」
(仕方ないわね・・・幻覚魔術を使って・・・!!落ち着くのよハルカ!クールになりなさい!透視魔術が使えないネネちゃんに幻覚魔術を使っても何の意味もないわ!けど私に洗脳魔術はできない・・・)
そうこうしているうちにネネはジョーカー以外のカードを引く。
(ハルカさんジョーカーに目が行きすぎだよ・・・・)
「さて、じゃあ負けたハルカになんでも命令させるとするか」
序盤追い込まれていたユウが一番に勝ってしまった。
(そもそもお前にジョーカーが渡った時点で俺の一人勝ちなのさ・・・ネネに幻覚魔術を掛けたところでネネはそもそもカードを透視することはできない。お前には洗脳魔術は使えない。あとは俺がお前から最善の手札を引けば勝ちだ)
「悔しい・・・こんな奴に負けるなんて」
「ふっ、甘いなハルカ」
そう言ってユウはハルカににじり寄り呟く。
「『第7軍』に敗北の二文字はねえ」
「既に壊滅してるでしょうが・・・」
「では!!!!お前に一つ命令する!」
全員が固唾を飲んで命令が下されるのを待つ。
「一生俺に尽くせ!」
しーん、と現場は静まり返る。
(どうだこの作戦!これならこのゲーム一回で永遠に下僕にすることができる!試合に熱くなりすぎて冷静さを欠いたお前の負けだ!)
しかしハルカは否定するまでもなく真っ赤な顔をしてぷるぷる震えている
「・・・あれ?負けたのそんなに悔しいのか?」
「死ねこの無神経男!!!」
「ユウくん一生尽くせってそれそれそれはつまり・・・!?」
「あなたにはやっぱり人間研究が必須のようですね・・・」
「なんで!?」




