第24話 戦闘
魔界ではとある地方で天界軍の猛攻により追い込まれていた。
「前衛は守りに徹しろ!残りの兵は隙をついて四方に散れ!」
「軍曹!それでは軍曹たち前衛が!」
「我らに構うな!・・・後は託したぞ!いったん退いて戦略を組むんだ!」
10人ほどの天界軍に対して倍の20人はいるであろう魔界軍は前衛が敗北を覚悟し、少しでも犠牲を抑えるしかないところまで追い込まれていた。
そして天界軍を率いて攻め込んだ軍曹格の天使がエネルギー弾を練りだす。
「そんなんだから追い込まれるんだよ」
死を覚悟した軍曹だが突然音もなく現れた声に自分が生きていることを察する。
「ぐっ!」
エネルギー弾をまさに今打ち込まんとした天使は頭を掴まれ地面へ強かに打ち付けられる。
「スウ様!」
「しばらく魔界を離れていてすまなかったね、その腕章は第6軍・・・マリカの軍だね」
「スウ様・・恥ずかしながら壊滅の兆しが見えております」
「気にすることはないよ。司令官の責任さ・・・とりあえず話は後だ」
そういうと地に叩きつけた天使を持ち上げ後方から隙を突こうとした天使へ無造作に投げつけた。
投げられた天使ともつれるようにバランスを崩した天使3人の首を鋭い爪ではねる。
「ちっ・・・」
残りの天界軍もスウが司令官だと悟ったのか一斉攻撃を仕掛けてくる。
天界軍のエネルギー弾一斉攻撃がスウを襲った。
「天使って戦い方がまっすぐだよねえ」
「!!!」
音もなく背後に飛びかかってきたスウによって一人、また一人と天使が落とされる。
一斉攻撃を受けたスウは幻覚だった。天使の首を落とし天界軍が気を取られている間に幻覚魔術を使用したようだ。
「残り3人か・・・ふむ。2人残そう」
そういうと1人の天使の前に転移する。
「!!」
先ほど幻覚魔術で欺かれたばかりの天使はとっさにスウの足元へと目を逸らす。
だがスウは幻覚魔術を発動させるでもなく鋭利な爪で天使の眉間を貫き絶命させる。
「さすがスウ様だ・・・この短時間で天使を7人も」
そのままスウは突き刺した天使を盾にし残り2人の天使に近づく。
同胞を短時間で虐殺させられ完全に士気が下がった天使達は撤退しようとする。
「ぐぁっ!!」
ストラスは飛行に優れた種族であるため飛翔魔術は天使を上回る。
それぞれ頭を鷲掴みにされるとスウは縦に90度首を傾け天使の目をのぞき込む。
かくん、と頭から力が抜け意識を失った天使2人をスウは地に放り投げる。
「軍曹、この2人は捕虜にして目が覚めたら洗脳を掛ける予定でいる。本拠地に監禁しておいてほしい」
「了解しました!」
「僕は2軍司令官の所にいるから目を覚ましたら声をかけてくれると助かる」
そう言ってスウは一切の羽音を立てずに飛び去った。
日頃ペンションでゴロゴロしているニートと思えぬ一方的な戦闘だった。




